1: またなんでこんな時期に北海道!?
去年の12月に引き続いて、またしても冬の北海道。何を考えているんだこいつは、と思われるのも無理はないし、弁解する余地もない。ただ、今回私はJALの無料航空券を使った。これは、様々な手を使って 10,000マイル貯めると無料航空券がもらえる、というもの。ただし、本来羽田から北海道に行くには 15,000マイルが必要なのである。が冬はキャンペーン期間ということで、特別に北海道便(羽田〜函館・札幌・帯広・女満別)が10,000マイルで行けるので、これを利用して行ってきた。 やはり大きかったのは、夏にアメリカに行ったことでマイル数が大幅に増えたことであった。
行先としては、単純な理由。一番遠いから、 女満別(メマンベツ と読む)を選んだ。
行き:羽田〜女満別 (正規運賃 30,750円)
帰り:新千歳〜羽田 (正規運賃 26,000円)で、申し込んだがこの路線、なんと両方ともタダである。
ではなぜ、JALはこんなに気前がいいのか。それは冬に北海道なんか行く人はいないからだろう。(ちなみに、JASでも同じサービスがあった。1万マイルで羽田〜北海道・九州にも行ける。)
ちなみに行程は、 羽田〜女満別〜網走(1泊)〜旭川〜富良野〜札幌(1泊)〜羽田 。
北海道の中でもひときわ寒い、道東・道央を通るスペシャル・コースをとった。そして日程は、12月23日〜25日。あれっ?? クリスマスじゃないか。 (笑)
2: 家から女満別へ(約3時間)
JALでは、羽田〜女満別 は1日1便しかない。そして冷遇されている。JALなのに、羽田での出発ゲートは一番遠いバスゲート、しかも空港内特殊バスで10分もかかるところに飛行機が横付けされている。
さて、搭乗する段になって私が見たものは、この電光表示である。(再現)
「 女満別 8:50 晴 −12度 」
マイナス12度とあった。既に死は覚悟していたが、これだけ露骨に寒いとは思ってもいなかった。もちろん、どれだけ本場が寒いかを体験したいというのもあったが。
窓側がとれたので、早速景色を観察。離陸して3分ほどすると、向こうに新宿の高層ビル群が見えるが、それ以外のビルはどれも同じで目立たないので、よく分からない。 朝の関東平野を北上。離陸15分ほどすると、だんだんと住宅が減ってきて、山林が増えてくる。東北地方に入ると、山頂に雪がかぶってくるようになる。雲もコンスタントに出てきた。岩手県あたりで陸地を離れ、太平洋に入る。太平洋に出てから 20分ほどで、再び陸地に入る。これが北海道(速い!)
およそ100分で、女満別空港に到着。ところで、女満別とは一体どこなのか。地図を見てほしいが、、
女満別町とは北海道の東方、網走市と美幌町の中間にあり、美幌町の向こう側には北見市がある。また、知床半島やサロマ湖、オホーツク海も近い。
とはいっても、冬の観光には全く通用しないところばっかりである。 オホーツク海など、流氷という見物もあるが、流氷の接岸は早くとも1月下旬で、12月に流氷が来るはずもない。余談であるが人口は、
網走市(平成4年) : 43、000人 (神奈川県・南足柄市と同じ。ちなみに埼玉県のどの市よりも少ない)
北見市(平成4年) : 107、000人 (神奈川県・海老名市と同じ)
という状況である。北見市といっても大半は知らないと思うけれど、人口では網走はこれだけなのである。ちなみに、旭川市は36万人、富良野市は2万7千人(これでも市かよ)。
さらには、同じ北海道の 歌志内市 の人口はなんと 6、000人。
なんだこりゃ。 どこが「市」だ! 村だろ、村っ!
3: 監獄と海産物の街、網走市
網走では、冬季専用の「網走まるかじりパスポート」(2,000円)というものがある。これがあると、女満別からのバス(800円くらい)がタダになるだけでなく、博物館・網走監獄(1,000円)やオホーツク流氷館(500円くらい)の入館料がタダとなり、また市内巡回バス(1時間に1本)もタダ、そして地元の飲食店・タクシーが1割引という嬉しいものである。 ただ、私がこのパスポートの存在に気付いたのは出発の前日、懸命のネットサーフィンにより得られた情報であって、一般観光客はその存在も知らぬまま、網走を去っていくことだろう。
しかし、驚いたことに女満別から網走市への連絡バスに乗り合わせたオバチャンらは、全員パスポートを持って談笑していた(!) ど、どこで知ったんだ!?
バスは網走駅前につけられ、ここで降りる。ところで寒さのほうであるが、太陽が出ており、風がなかったせいか、それほどの寒さには感じなかった。ただ、吐く息の白さは東京と全然違う。
↑ 網走駅前(中央の建物)。人影はほとんど皆無であった。
これからどうしよう。 とりあえず、駅前の観光案内センターを覗いてみる。
「本日閉店。」
たしかに23日は天皇誕生日だからってねぇ、、だからこそ観光客がいるんじゃない? ちなみに駅前には誰もいなかったが、、、(駅で雪かきしているオジサンのみ)
気を取り直して、まずは網走監獄博物館へ行くことにする。駅からは歩けないので、無料の市内循環バスを使う。バス停留所の時刻表を見ると、5分前に行ってしまっていた! 1時間に1本なので、必然的に次のバスは55分後。
↑ 網走駅前バス停。1月には氷点下20度の日も出るとか。
仕方がないので、駅前にあるタクシーを使わざるを得なかった。既に昼近くになっていた。このバスも、流氷期になると1時間2本になるのだが・・・