北方領土は、いま(前編)



↑ 「北方四島マップ」より (URLアドレスは、コラムの最後に)

 

北方領土。

この言葉を知らない人はいないだろう。小学校のときに覚えさせられた、
「歯舞諸島・色丹・国後・択捉」
という4つの島である。

そしてこの北方領土、北海道に限りなく近い。
だが、ロシア領なのである。

歴史を見ていっても、最初に島を発見したのは日本人である。
ある島には、「発見100周年」と書かれた記念碑があるらしいが、
それよりも200年近く前に、日本人が北方領土を発見している。

そして、ロシアとはいくつかの協定が結ばれたが、この4島だけは日本領とされた。
しかし、第二次世界大戦が終わった後、千島列島はすべてロシアに乗っ取られた。

こう書くと、日本びいきのように聞こえるかもしれない。

しかし、ロシア(当時はソ連)にぶんどられたのは事実だ。
そういうわけで、あの4島はロシア領なのである。

いくら最初に発見したのが日本人で、その後何十年も日本領だったとしても、占領されてしまえば、日本領ではなくなるのだ。
いくら日本領であることを主張したところで、根室半島からわずか数キロの歯舞諸島に無断で降り立つ前に、ロシアの国境警備隊に身柄を拘束されることだろう。こんな状態では、日本領とは到底いえない。

さて、この北方四島。
知名度はあるが、現状は果たしてどうなっているのだろうか?

残念なことに、ものの10年ほど前までは、ほとんど情報は入っていなかった。
そのせいで、日本地図を見ても、北方四島については形があるだけで、都市名・道路などの記載は全くない。
(スーパーマップル北海道、には記載があったが。でもおそらく戦前の道路だと思われる)

しかし、数年前から、限られた人にだけ、北方四島への渡航が許可されたのである。
これに乗じて、一部マスコミも「自然観察」と称して、謎に包まれていた北方四島を撮影することに成功した。

さて、この北方四島。一つ一つの島々の、現状を見ていくことにしよう。

中編に続く