傘を広げた片桐且元手植えの樹
竹生島宝巌寺の三重塔のそばに、傘型に刈り込まれた見事なモチノキがある。片桐且元が植えたと伝えられる樹である。 且元は賤ヶ岳七本槍の一人として知られるが、武将としてよりも作事や普請の奉行として優れた手腕を発揮した。且元は豊臣秀頼の命を受けて 竹生島に観音堂や唐門、舟廊下などの普請をおこなう。そのときの記念として植えたのがモチノキである。春、モチノキはほのかな萌黄色の花に包まれる。 花というにはいかにも地味だが、且元にふさわしい樹だと納得できる。
モチノキ:モチノキ科の常緑広葉高木。樹皮からトリモチをつくる
樹の所在地:竹生島の宝巌寺境内。長浜港からびわ湖汽船で30分
周辺の見どころ:竹生島の都久夫須麻神社本殿と宝巌寺唐門は国宝。重文は多数