田中のエノキ

エノキ
さまざまな呼び名を持つ樹

湖北町田中に「えんね」と呼ばれるエノキの巨木がある。集落の東に、すり鉢型に枝を広げている。かたわらには、野神を祀る小さな祠がある。 エノキは初夏に淡い黄色の花が咲く。秋、花のあとに赤褐色の小さな実が成る。熟した実は甘く、昔は食用にされた。エノキは「よのみ」とも呼ばれるが、エノキの実が訛ったものだろう。 エノキの字である榎は、木偏に夏と書く。江戸時代、街道筋の一里塚にこの樹がよく植えられた。榎は、夏に心地よい木陰をつくることから作られた字だという。

データ

 

エノキ:ニレ科の落葉広葉高木。花期は4〜5月。葉はオオムラサキの幼虫のエサになる

 

樹の所在地:長浜市湖北町田中の集落内。北陸自動車道長浜ICから車で25分

 

周辺の見どころ:北へ約1kmの山本山山頂から望むびわ湖は絶景。毎冬オオワシの飛来も

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