山本山(長浜市湖北町山本)

三成が通った観音寺の峠と山城

山本山は美しい山である。米原市あたりの湖岸から、びわ湖の向こうに望む姿は、湖北富士と呼びたくなるほどである。 ふもとの山本の町に朝日小学校があり、そばに広い境内を持った朝日山神社がある。登山口は鳥居のわきにある。すぐ上に常楽寺のお堂があり、 その先に忠魂碑の立つ見晴らし台がある。ここからは、やや急な山道をつづら折りに登っていき、30分ほど歩くと広々とした山頂に到着する。 びわ湖に面した西側は、180度遮るものがない。眼下には、さざ波が浜縮緬のシボのように陽光にきらめいている。小さな漁船がさざ波を分けて沖を進むと、 その波紋が長く尾を引いて、流れる絹のような造形をつくる。やがて西に傾いた陽が赤みを増すころ、竹生島がくっきりと墨色のスカイラインを湖面に際だたせる。 夕日が湖の彼方から、金襴の帯を渡したように湖を染める。神々しい風景に接すると、この山に天孫降臨の伝説が生まれたことも納得できる。 山頂には、尾根を利用した山城があった。室町時代の後期、浅井氏の本拠小谷城の支城として築かれたといわれる。山頂付近には、本丸、二の丸やこれを囲む土塁、堀切などの跡が残っている。

データ

 

標高:325m

 

参考タイム:朝日山神社(5分)常楽寺(5分)忠魂碑(30分)山本山

 

アプローチ:山本へ、北陸自動車道長浜ICから車で30分

 

周辺の見どころ:近くの湖岸道路沿いに湖北野鳥センターがあり、びわ湖の水鳥観察などができる。

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