米原市醒井に近い山の上に、松尾寺という古刹がある。本尊の聖観音と十一面観音は空中飛行観音と呼ばれ、飛行機旅行の安全祈願をする参拝者が多いという。 しかし、山上の松尾寺は昭和56年の豪雪で、本堂などが倒壊してしまった。いまは、ふもとの中山道醒井宿にある松尾寺政所に本尊が納められている。松尾寺山へは、 ふもとの村々から参拝する人たちが多かったことから、いくつもの道があるが、登りやすいのは米原市西坂からの道である。西坂の集落のいちばん上に正恩寺というお寺があり、 その裏手に地蔵堂がある。登山道はそこから始まっている。よく踏まれた山道に、丁石という道標が一丁ごとに立っている。最初のポイントである“えみの地蔵”からは、 西坂の家並みが一望できる。広葉樹の広がる山道をなおも登っていくと、“大日如来一本杉”がある峠に着く。そこから尾根道を北へ向かい、蔵王大権現と記された石柱を過ぎると山頂に到着する。 山頂から松尾寺の方面へ下りていき、重要文化財になっている九重塔と曼陀羅堂が残る松尾寺に着く。寺から“大日如来一本杉”がある峠に戻り、西坂へ降りる。
標高:504m
参考タイム:西坂(20分)えみの地蔵(20分)大日如来一本杉(20分)松尾寺山(15分)松尾寺(15分)大日如来一本杉(30分)西坂
アプローチ:西坂へ、名神高速道路米原ICから車で5分
周辺の見どころ:近くに中山道が通り、醒井宿に宿場の歴史を紹介する資料館や木彫美術館などがある。