寒風山(高島市マキノ町)

びわ湖と日本海を見て稜線を歩く山

マキノスキー場の広々としたゲレンデを歩いていくと、草紅葉の草原が終わるところから、山に向かって木の階段が続いている。 赤坂山自然歩道の入口であるが、この道は粟柄越えといい、近江と若狭を結ぶ峠道の一つだった。粟柄峠までの山道は、変化に富んでいる。人々の往来をしのばせる歴史も刻まれている。 ほとばしる渓流があり、石畳があり、石仏様が祀られている。春にはイワカガミやカタクリが慎ましく道端を彩る。ムラサキツツジが新緑のなかに映え、タムシバが青空に真綿のような花をつける。 峠がある尾根は、背の低い潅木と草原が広がる美しい高原である。峠の先は日本海。そして、来た道を振りかえると、びわ湖が望める。北には、赤坂山がなだらかな山容を見せている。 めざす寒風山と大谷山は、南への尾根道を行く。ゆったりとうねるように、アップダウンする高原状の稜線が続いている。クマザサの原が広がり、タマツゲとアセビの潅木帯が現れる。 やがて寒風山に到着する。眼下にマキノのクリ園を貫くメタセコイヤ並木が見える。小さな円錐の積み木を並べたようだ。その先に、茫洋としたびわ湖が広がっている。

データ

 

標高:850m

 

参考タイム:マキノスキー場(85分)粟柄峠(60分)寒風山(50分)マキノスキー場

 

アプローチ:マキノスキー場へ、北陸自動車道木之本ICから車で30分

 

周辺の見どころ:登山口に「マキノ高原温泉さらさ」という日帰り入浴施設がある

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