いま伊吹山は、リフトもゴンドラも動いていない。山頂までの時間はかかるが、静かな山道を歩くと、伊吹山を独り占めしたような気分になる。 三ノ宮神社の横にある登山口から登り、1合目までは針葉樹の森の中を歩く。1合目に着くと、なだらかな平原になり頬にあたる風が心地よい。ここから3合目までは、 もとのスキー場のゲレンデを登っていく。3合目の南斜面一帯は、春から秋にかけて、さまざまな花が咲く。夏にはユウスゲの花が埋め尽くす。オレンジの花のあいだには、 紫に近い濃い青色のトリカブトの花。5合目の小屋を越えたあたりから斜度がきつくなるが、草花を愛でながら登れば、疲れも気にならない。8合目にある伊吹山寺の小さな祠を経て、 9合目に立てば、もう山頂のお花畑である。盛夏にはイブキジャコウソウやシモツケソウ、イブキトラノオといった鮮やかな高山植物が咲き誇る。秋には、静寂のなかにサラシナショウマの白い花がゆれる。
標高:1377m
参考タイム:三ノ宮神社(80分)三合目(30分)五合目(40分)八合目(20分)伊吹山
アプローチ:登山口へ、名神高速道路米原ICから車で25分
周辺の見どころ:ふもとの春照にある伊吹山文化資料館は、この山の歴史や民俗が学べる