毛受兄弟の菩提寺を彩る藍の花
全長寺は、余呉川の支流がつくった広くはない平地に堂を構える。もとは浄土宗の小さな坊だったという。 その後曹洞宗に転じ、江戸時代後期に近隣の5ヵ村から境内地の寄進を受けて、現在の伽藍が建てられた。 全長寺は、近年アジサイ寺として知られるようになった。住職が、まわりの田んぼで育てたアジサイを境内に植え続け、樹は千5百本にまで増えた。 アジサイは梅雨の季節によく似合う。雨滴を受けて咲く藍色の花はしとやかで抒情的だ。アジサイの原産地が日本だと聞くと、なるほどと思う。
花の見ごろ:6月下旬〜7月中旬
全長寺:長浜市余呉町池原、北陸自動車道木之本ICから車で15分
周辺の見どころ:近くに賤ケ岳の戦いで柴田勝家の身代わりになった毛受兄弟の墓がある