澄んだ青空に似合う白い花
伊吹山は、日本で初めてソバの栽培が始まった地だといわれる。古来、ソバは五穀のなかには入らず雑穀とされた。 いわば救荒作物である。米がとれる豊穣な地では、当然稲作がおこなわれたはずだ。米もとれない荒涼とした大地に、ソバは植えられた。 伊吹山でいえば、山麓ではなく中腹から上だ。戦前まで、伊吹山の8合目あたりまでソバ畑があり、晩夏になると白いソバの花で埋まった。 遠く長浜のまちからも、ソバの花で山が雪を被ったように見えたという。10月初旬、いまは伊吹山を間近に見る麓の村で、ソバの花が満開を迎える。 澄み切った秋空に霊峰が佇立し、手前には白いじゅうたんを敷きつめたような田園が広がる。
花の見ごろ:9月下旬〜10月上旬
伊吹山麓:米原市旧伊吹町・旧山東町、名神高速道路米原ICから車で20分
周辺の見どころ:周辺に伊吹野蕎麦のお店や道の駅「旬彩の森」などがある。