伊吹山の霊気を感じる群青の花
古事記によれば、ヤマトタケルは父である景行天皇の命により東征に出かけ、帰りに伊吹山の荒ぶる神を捕らえようと山へ登る。 しかし山の神が白猪の姿で現れ、大氷雨を降らしてヤマトタケルを打ち惑わす。そして、大和へ帰る途中、伊勢で力尽きて亡くなってしまう。 山の神は、実はこの地に住んでいた先住民であり、ヤマトタケルの命を奪ったのは、トリカブトの毒矢であったに違いない。 先年亡くなった郷土史家の福永円澄さんは、著書『伊吹百草』のなかでそんなふうに書いている。伊吹山三合目では、盛夏にユウスゲの花が咲き誇り、 秋にはススキの穂が風に揺れる。そして、濃い群青色のトリカブトの花がひっそりと咲く。
花の見ごろ:8月中旬〜10月中旬
ところ:伊吹山3合目、山頂お花畑など、登山口まで名神高速道路米原ICから車で25分
周辺の見どころ:麓のジョイ伊吹(伊吹薬草の里文化センター)に薬草園や薬草湯などがある。