ロマンシリーズ 藤原鉱山

山で、爆破された石灰岩は、それなりの大きさの物をブルトーザで押されて、垂直に開けられた穴に落とされてきます。
 従来は、途中の作業場でベルトコンベアーに乗るサイズに貼り付け発破で細かく砕かれていました。これは、メッチャクチャ危険な作業で、発破の度に作業中止となり、退避しなければならなかったそうです。
 しかし、このようなロックブレーカーは、作業の安全と効率の向上におおいに貢献しました。クローラドリルのクローラ部分にブレーカーを搭載しました。
 ある時、担当係長の勘違いから変電所に作業時間延長の連絡されずに、午後5時で電源が切られてしまいました。ここは、トンネルの入り口から1000mの深さで数箇所で曲がる通路で到達しています。
 真っ暗! 真の闇です。自分の鼻をつまむ手さえ見えません。感覚で顔の前に自分の手があることは判りますが、まったく見えません
 「あー」と言う声の後、ライターに点火して、機械整備に使う「ウエス」を松明代わりにこのトンネルからでました。
 その後、この係長は転勤するまで便宜を図ってくれたことは言うまでもありません。

藤原鉱山の全景

クローラドリル

当時は、ここの様な露天鉱山での掘削には、写真のようなクローラドリルで掘削していました。すべて圧縮空気を動力としていたので、必ずコンプレッサーをお供に連れていました。崖の水平掘削もできる構造ですが、このように下向きの掘削に使われいます。現在は、油圧削岩機にとって代わられているものと思います。青函トンネルでテストした当時は、油圧削岩機は、開発されたばかりでその性能はまだまだでした。
 油圧削岩機の性能試験で青函トンネル工事に参加するとは夢にも思っていなかった。

この駅から製品のセメントが、出荷されます。この鉄道に乗って、ここを訪れたことは無く、常に社用車で訪問していました。機材が、鉄のかたまりなので手荷物ではもって歩くにはつらい重さになる為です

藤原工場への入場門

員弁鉄道東藤原駅

当時は、小野田セメント藤原工場でしたが、今回、訪れてみたら「太平洋セメント藤原工場」となっていました。

ロックブレーカ搭載クローラ

 この藤原岳は、鈴鹿山脈の北方に在る山です。観たとおりに石灰岩の山肌を階段状に削って、麓のセメント工場に運び、製品にしています。
 数mの深さの穴を何列か削岩機で掘削します。この穴にアンホ火薬を充填して、起爆剤にはダイナマイトを使います。法面から離れるに従って、点火時間が遅れるようにセットされた遅延信管で点火され、法面側から順次爆破されます。

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