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会長挨拶

病気の子どもと家族の「声」を聴くことを大切にしながら、

さらなる教育支援の輪を拡げていきましょう!

                                                                                        全国病弱教育研究会会長 斉藤淑子


2018年の大阪大会で猪狩恵美子先生からバトンを引き継ぎ、会長を務めさせていただいております斉藤淑子です。どうぞよろしくお願いします。

私は1993年より20年間、病院内教育の教師として携わってきました。現在、都留文科大学で教師を目指す学生たちに、特別支援教育・病弱教育を教えています。病気の子どもたちの教育に携わるきっかけは、1984年から3年半ほど小児がんで入退院を繰り返した次男との闘病生活でした。ようやく小児がんの治癒率が向上してきた時代でしたが、ポートもグラン(吐き気どめ)もなく、採血の度に注射で大泣きし、治療中は喉から出血するほど吐き、このままではこの子の身体も心もどうにかなってしまうのではないか・・・と、オロオロした日々でした。あの頃に比べたら、治療は格段に進歩し、治癒率も飛躍的に向上し、医療PTSD予防への取り組みも広がってきています。

しかし、果たして病気の子どもと家族が安心して病院で治療を受け、退院してからも地域や学校で生活することができるようになったと、胸を張って言えるでしょうか。入院期間の短期化と断続化が進行し、自宅で過ごせる時間は長くなりましたが、果たして病院で、地域で、自宅で、必要な教育支援を受けられているでしょうか。子どもと家族の声にしっかりと耳を傾けてくれる専門家や仲間、場、ネットワークがあるでしょうか。そうした支援がなく、「無力化」と「孤立化」に追いやられている病気の子どもと家族は、依然として多いのではないでしょうか。

今、さらに病弱教育機関、医療、福祉が連携し、地域・学校とつなぎ、病気の子どもと家族を支えるトータルなネットワークづくりが重要です。そのことは、昨年の大阪大会に参加した難病の高校生の保護者の訴えであり、また独自に学習支援を立ち上げて活動を展開されている方たちの切実な要望でもありました。

私たち全国病弱教育研究会は、1992年7月に発足以来、病気の子どもと家族の声に耳を傾けながら、実践と研究を続けてきました。小さな研究会ですが、このことを大切にしながら、一層子どもの生存・発達・学習・生活を豊かにしていくために全力を注いでいきたいと思います。どうぞ、みなさまよろしくお願いします。