2021年度活動方針
はじめに
2021年度は昨年の第16回全国大会(分散大会)の後半を開催する年になります。2020年からの新型コロナウイルスの影響で確固たるものが見えにくい状況ですが、前年の分散大会前半の成果を生かしてさらなる前進をとげ、地域で活動している様々な人々とつながり、ネットワークを広げていきたいと思います。
1.研究交流活動
2020年は12月開催の全国大会を軸に活動報告に述べたような多岐に渡る課題に取り組んできました。大会が今年度との分散大会になったので、昨年の分散大会前半の成果も合わせて2021年の全国大会のシンポジウムや分科会に結集したいと考えています。
未だ十分に整理されている状況ではありませんが、コロナ禍が教育全般に及ぼした影響はかなり甚大なものであったということが、様々な所からの報告で少しずつわかってきています。病弱教育に及ぼす影響についても、子どもの姿、授業のあり方、教員・教員集団の問題、医療との連携など、新たな状況下での課題を整理し、全国大会後半に向けて活動を集約していきたいと思います。
(1)第16回全国大会東京大会(分散大会後半)
・大会テーマ
「病気の子どもの発信を受けとめ、支えよう〜『つながりの質』を高めるために〜」
・開催日時:2021年10月(確定したら、ホームページ、通信で公開します。)
・会場:東京都立大学 荒川キャンパス(東京都荒川区東尾久7-2-10)
・大会実行委員長:江口八千代氏(認定NPO法人ファミリーハウス理事長)
・内容
シンポジウムT
「小児がんの子どものトータルケアの一環としての教育のあり方―これまで そして これから(仮)」
シンポジウムU
「病院内教育での経験とこれからの学校教育に求めること〜経験者からの提言」
分科会
【高校生の教育】入院中の高校生の教育保障の現状と課題
【小児がん】小児がんの子どもへの支援
【教育実践】実践から考える教育の役割
【きょうだい】きょうだい・家族支援
作品・記録・資料展 〜「東京の病弱教育の主人公たち」
(2)学習会
10月の全国大会の後、成果と課題を確認して2022年に向けていきます。また地域での学習会の企画を援助します。
(3)学習交流会
〈日時〉2021年2月21日(日)14:00〜16:00 「Zoom」によるオンライン開催
〈テーマ〉「コロナ禍における医療と教育の連携について対話を通して考えよう」
〈話題提供者〉細野亜古氏(国立がん研究センター東病院 小児腫瘍科医長)他看護師、分教室及び病院訪問学級担当教員
〈内容〉コロナ禍の病院で起こっていることを子どもの姿から率直に話し合い、今子どもたちに対してできることは何か、相互に期待することは何か、それぞれが大切にしていることの確認など、コロナ禍での医療と教育の連携について考えていきましょう。
(4)通信の発行
年4回発行を計画的に行います。会員のニーズを組み取るため会員の積極的な情報提供を呼びかけ、会員相互の情報交換の場となるよう工夫します。
(5)研究交流誌の発行
(5-1)第27巻を2021年3月に発行します。
27巻
(36号)
学習交流会(2019年)報告
学習会報告
@「障がい・病いと共に生きる子どもたちの語りから学ぶー当事者の声を聴くことの意味」森博俊氏
A「病弱教育の課題と教師の専門性」新井英靖氏
B「子ども理解のカンファレンスのススメ」田中孝彦氏
投稿
実践報告「通常学級に在籍する先天性心疾患児の育ちを支える養護教諭のあり方の実践的検討」
新開奏恵氏・横山正博氏
資料「小児がん等で入院中の高校生の教育保障に関する施策−自治体ごとの取り組みの特徴の類別と考察−」
栗山宣夫氏
(5-2)研究交流誌「病気の子どもと医療・教育」(28巻 2022年3月発行予定)の準備をします。
第16回全国大会(2020年2021年)報告
学習交流会報告(2020年2月23日)
「小児がん治療の影響と長期フォローアップの必要性について」
講師:瓜生英子氏、永吉美智枝氏、谷川弘治氏
学習会報告
「病を抱える高校生の教育保障の問題」
宮田らら氏・久保田一男氏
「病気や障がいと共に生きる―きょうだい・家族に視点をあてて」
講師:山本美智代氏 井上るみ子氏
学習交流会報告(2021年)
「コロナ禍における医療と教育の連携について対話を通して考えよう」
講師:細野亜古氏他5名
会員の論文、調査報告等の投稿をお待ちしています。
(5-3) 交流誌に連載した「病気の子どもの教育を切り拓いたこの人に聴く」の冊子化検討
(6)研究活動
「全国における高校生の病院内教育に関する調査研究」は前年度発表のアンケート結果を引き継ぎ、全国大会ではさらに議論を深めます。
2.組織・運営
(1)入会よびかけ
学習会、全国大会、ホームページで積極的に入会を呼びかけます。
(2)運営
(2-1)事務局会議
ここ数年は事務局会議を4月と12月の年2回行ってきました。昨年は新型コロナウイルスのため2回ともZoomを利用してオンラインで行いました。今年度はオンライン会議を併用しながら回数を増やすこと、東京以外の事務局員の参加を図ることで、活動を進めていけるようにしたいと思います。前年度に引き続き、今年度も事務局メンバーが東京大会事務局と重なるため、活動量も質もかなり稼働がかかりますが、それぞれの組織と情報交換を行いながら活動していくように努めます。また、事務局員の増員に努めます。
(2-2)世話人会
各地域の情報を積極的に収集するとともに総会や通信等で会員に発信していきます。世話人の収集する全国各地の情報は東京中心の事務局にとっては必要不可欠です。引き続き世話人の方々の積極的な活動を期待します。また、Zoomなどでのオンライン会議など、各地からも参加しやすい工夫を検討していきます。
(2-3)会の名称
持ち越し課題の会の名称については、会の存続とも相まって検討を進めていきます。
(3)広報活動
(3-1)ホームページを刷新しスマートフォン対応可能にします。
(3-2)会の紹介パンフレットをホームページからダウンロードできるようにするなど様々な機会と方法で活用できるようにします。
(3-3)ホームページ・通信を始め、これまでの学習会参加者やマスコミ等も含めて本研究会の学習会、全国大会等の情報の宣伝を行っていきます。また他の研究会等でテキストや交流誌、学習会の宣伝も行っていきます。会員の方々もそれぞれの方法で広報への積極的なご協力をお願いします。
3.その他
(1)関係団体との連携・協働
引き続き、関係する学会、研究会、研修会等の情報を通信等で会員に紹介します。また、関係諸団体との連携も強め、名義後援を相互に行うなど、連携・協働をすすめます。
(2)相談窓口の紹介
休止中の病気の子どもの教育等についての相談は再開できるようなりましたら、ホームページで紹介をします。