bi2025.07.24(木)~ 26(土) 鳳凰三山  薬師岳(2780m) 観音岳(2840m) 地蔵岳(2764m)
はじめに
私はこれまで鳳凰三山には2回登っている。
 ★1回目は2012.09.15~16の 1泊2日、単独で御座石鉱泉から登り、鳳凰小屋に1泊。2日目は、地蔵岳、観音岳、薬師岳
   から夜叉神峠まで縦走。かなりなハードスケジュールだった。
 ★2回目は2018.08.17~19の2泊3日、我がメンバーの坂口さんと夜叉神峠から登り、夜叉神峠小屋で1泊、2日目は薬師岳
   観音岳、地蔵岳を縦走して鳳凰小屋で宿泊、翌日青木鉱泉まで下った。
私はこれまで20数年山登りをしているが、鳳凰三山の景色の素晴らしさが最高だと思っており、歩けるうちにもう一度登りたい
と思い計画した。コースは2回目と同じ夜叉神峠から登る、2泊3日。ホームページで山行計画を見た小林さんから、参加希望
の連絡が入った。ここに行く場合は晴天が絶対条件なので、最後まで天気予報を見ながら7月20日に最終決定した。
歩くコースは以下の通り。1日目は登山口の夜叉神峠から約1時間歩いて、夜叉神峠小屋に宿泊。2日目は夜叉神峠小屋から約
10時間歩いて鳳凰小屋に宿泊。3日目は鳳凰小屋から青木鉱泉まで約5時間かけて下る。
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1日目 7月24日(木)
山内宅~夜叉神峠小屋
  朝7時過ぎに小林さんからLINEが入り「電車が遅延しているようなので、早目に出ますがどうでしょうね?」 金子駅は無
人駅なので、実際に状況を確認に行った。構内放送で状況は放送されており、ダイヤは乱れているものの電車は動いていた。
状況を小林さんに報告し、小林さんが電車に乗った連絡を貰ってから家を出発。結果的には予定より約1時間早い電車に乗車。
甲府駅に12時に到着、駅ビルの5階レストラン街で昼食したが、店内は綺麗な花が飾られ、落ち着いた雰囲気。小林さんは
ほうとう(1300円)、私は天ぷらそば(1100円)を注文。小林さんが「思わぬ収入があったので、今日はおごります!」
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 バスの発車まで1時間半もあるので、甲府駅前の武田信玄の銅像の前で写真を撮り、冷房の効いたバスターミナルで時間
を潰す。
 バスは定刻の14:05に乗り場に到着、乗客は芦安まで行く人が2人、夜叉神峠までは我々2人と1人の男性(後に小泉さんと判
明)、終点の広河原までは中年男性1人の、合計6人。発車前に運転手が「土砂崩れがあったので、芦安で交互通行待合せのため
30分程停車する予定です」の確認があったが、全員予定どおりに行くことになった。
 芦安までは途中道幅の狭い箇所があり、すれ違う所では上から来た車はバック、やはりこういった道は気楽なバスに限る。
芦安で終点の広河原まで行く人が5~6人乗車、幸いにも交互通行待合せは無くなったということで、定刻に出発。そして用意し
ていた乗車料金以外の利用者協力金300円は、夜叉神峠まで無料だった。夜叉神峠に着く前の15時頃から雨が降り始め、下
車したら夜叉神ヒュッテの玄関先を借りて、雨合羽を着用、小泉さんは夜叉神ヒュッテに宿泊ということで、我々は夜叉神峠
小屋に向けて出発。夜叉神峠(1380m)から夜叉神峠小屋(1760m)まで標高差380mを、約1時間かけて16:40に到着。
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夜叉神峠小屋(1760m)
 小屋の前の広場で、主人の角田英司さんと一緒に記念写真、小屋は収容人員10名(以前は15名)だが、2組のキャンセル
があり(薬師小屋の予約が取れず、山行中止)、宿泊者は我々だけ。小屋の2階の大広間には10~15人用のスペースはあるが
私1人で独占、小林さんは中2階のベッドスペースを独占し、個室も同然。素泊まり5500円+寝具使用料500円。
「ちょっと熟していますが、宜しかったらどうぞ!」ご主人から桃の差し入れ、我々は熟した桃が好きだが、山梨の人は固い
桃を水で洗って表面の毛を取ったら、かぶりつくらしい。持参した夕食をとりながら、19時過ぎまで楽しい時間を過ごした。
私がご主人に教えた「シカトする」の語源、『人を無視する時、“ シカとする ” と言うが、語源は花札にある。10月の花札には
ソッを向いたシカが描かれている。そこでシカと10はトウと読むのでシカとする」は、間違いないことを再確認しました。
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2日目 7月25日(金)
夜叉神峠小屋(1760m)~薬師岳(2780m)~観音岳(2840m)
 朝4時50分頃、小屋の前に広がる白根三山、北岳(3193m)、間ノ岳(3190m)、農鳥岳(3026m)のモルゲンロート(朝焼
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け)を期待したが、背後の雲で光を遮られて見ることは出来ず、5:00に小屋を出発
 最初のポイント 杖立峠(2170m) に、予定より14分早く 6:46到着 富士山に次ぐ日本で2番目に高い北岳(3193m)を
バックに そして苺平に8:45到着  夜叉神峠小屋から標高差750mを順調に登っている。ここから30分かけて標高差80m
を下り南小室小屋に到着。小屋の前を右に入って行くと、縦走中唯一の水場があり、冷たい水を自由に使える 
  南小室小屋から薬師岳に向かうと、今までと違っていきなりの急登の連続、リュックの重さが肩にずっしりとかかり、ペース
ダウン。 朝食にアップルパイを1ヶ食べたが、大量の汗をかいた分、水分補給したので全く食欲が湧かない。私は夏の暑い時期
に長距離を歩くと、いつもこのような状態になる。それでもペースダウンしながらゆっくりと進む。
 そしてやっと遠くの方に薬師岳が見えてきた 颯爽と岩場を登る小林さん、格好良いですね は南アルプス特産の花
タカネビランジ  で、あちこちの岩場付近に咲いている。
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  遂に鳳凰三山の1つ目の薬師岳(2780m)に到着、さいたまポーズで決めました 2つ目の観音岳(2840m)に向かう途中で
雨が降始め、観音岳では傘をさしています
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観音岳(2840m)~地蔵岳(2765m)~鳳凰小屋(2390m)
 そして最後の地蔵岳、の赤い線の通りに登り、ピークのアカヌケ沢の頭(かしら)から下った所が地蔵岳(2746m) あとひと
踏ん張りだ。道は花崗岩の白い砂地、こういった高い山に登るのが初めての小林さんは、その絶景に大満足
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 の写真で見ると アカヌケ沢の頭  まで一直線に登るように見えるが、実際にはの黄色い点線のように、登っては下り、登って
は下りで最後に急な登り。7年前にここを登ったが、こんなにアップダウンがあったことは覚えていない。体力の消耗とアップダウンの
光景を目の当たりにして心も折れる。最後の登りでは休む回数が多くなり、小林さんが「途中で休むと、かえって疲れるので先
に行かせてもらいます」 それでも何とか気力を振り絞って、遂にアカヌケ沢の頭に到着、疲れの限界にきているのに、私は安堵
の笑顔、“ やっと登り切った 後は下りだけだ!
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アカヌケ沢の頭から、オベリスクを背景の撮った写真。地蔵岳の山頂に聳える岩山で、格好が鳥の鳳凰のくちばしに似ていると
いうことで、ここの3つの山を総称して鳳凰三山と呼ばれているという。
 アカヌケ沢の頭 から10分程下った所が地蔵岳、その一角にお地蔵様が並んでいる 賽の河原 ③ 子供を欲しい女性がお地蔵様
を持帰り、子供を授かったらお礼参りとして2体を奉納する風習があったという。
 そしてやっと三山を征服しました、地蔵岳の前で握手🤝  予定では、「小林さんによく頑張ったね」の握手のつもりだっ
たが、「いろいろ私を気遣ってくれてありがとう!」になってしまった。
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 ここから鳳凰小屋までは、急な下り(の地蔵岳~鳳凰小屋までの砂地)、疲れた足には結構こたえる。そして小屋には
16:00丁度に到着。
鳳凰小屋
 鳳凰小屋は最近新設された新館と、以前からの旧館(別館)がある。新館が出来た影響で今年の予約は好調、私が予約した
4日前には新館は満室で、旧館を予約することができた。1泊2食で13000円だが、旧館は500円の割引。
 荷物を部屋に置き、庭で寛いでいると、夜叉神峠までバスで一緒だった小泉さんとバッタリ 小泉さんは夜叉神峠ヒュッテを
3時?に出発し、鳳凰小屋には13時過ぎに到着したという。話の中で、スマホの残量が少なくなり、バッテリーで充電しようと
したらバッテリーが故障してお手上げ状態だという。そこで私の大容量のバッテリーで充電してあげたらとても喜んでいた。
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 鳳凰小屋のホームページには「夕食は、鳳凰小屋名物のカレーです。毎日手作りで、ご飯もカレーもおかわり自由です。
是非ご賞味ください」と書いてあって期待していたが、ごく普通のカレー。少なめの盛りだし、少しお腹も空いていたので、半
量のお替わりをした。
 夕食後は掘りごたつのある談話室で、「どこから登ってきたの」とか「明日はどのコースを歩くの?」などから始まり、話が
進むうちに親しくなってくる。私は、自分のことを以下のように紹介した。
 *鳳凰三山に来るのは今回で3回目。1回目は13年前の63歳の時で、1日目は韮崎駅からバスで、12時頃登山口の御座石鉱
  泉に到着。鉱泉の主人から「今頃から鳳凰小屋に行くなんて、何を考えているんだ!もっと早い時間に出発すべきだ!」と
  怒鳴られ、必死の思いで登り、16時頃には小屋に到着。庭で休んでいると、小屋の人達が「バスで来た人、これから来るの
  かな?」と話しているのを聞いて、「私はそのバスで来ました!」と答えると、驚いて「健脚ですね」と言っていた。
  翌日は地蔵岳、観音岳、薬師岳から夜叉神峠まで縦走して帰宅、1泊2日。
 *2回目は7年前で、今回と同じコース。夜叉神峠から歩き始め、夜叉神峠小屋に泊。2日目は薬師岳、観音岳、地蔵岳を縦走
  して鳳凰小屋泊。3日目は青木鉱泉へ下山。
 *私は現在76歳、まだ歩けるうちにもう一度鳳凰三山の景色を見たくて計画。しかし今日は休憩時間も含めて夜叉神峠小屋か
  ら鳳凰小屋まで10時間の予定が11時間もかかってしまい意気消沈、歳を感じてしまった。
以上のようなことを話したら、皆さんから「ここはとてもハードなルートですよ、76歳で歩けること自体が凄いですよ」と慰め
られた。
3日目 7月26日(土)
鳳凰小屋~青木鉱泉
 5:30の朝食を済ませ、小屋の前で出発の準備をしていると、他のグループの人と知り合いになって意気投合。名刺を渡し
ホームページを紹介したら、計画を見て行きたい山があれば参加したいとのこと。そこで皆で記念写真 
右から大田区の花野さん、小林さん、山内、川口市の青田さん(明るく社交的な方)、板橋区の菅野さん。連絡待っています!
 下りの青木鉱泉まではドンドコ沢コース、途中に滝があったり沢を渡ったりと変化に富んだコース。6:10に下山開始。
五色滝白糸滝で出会ったカップル、“ 小屋の予約が取れなかったので、日帰りで鳳凰三山を登るのだそう ” 話を
聞いてビックリ!このハードはコースを日帰りとは? 余程の健脚か、無謀な計画か。是非結果を知りたいものだ。
 は南精進ケ滝、勢いよく大量の水が落下していく様は圧巻でした。
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  このドンドコ沢コースは何度も沢を渡るが、大雨の時は危険で通行止めになるらしい。青木鉱泉に到着予定の11時過ぎに
右下の方に建物の屋根が見えてきた。あれが青木鉱泉だと思っていると、方向を指示するピンクのリボンは、左の沢を横切る
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ように誘導している。何かおかしい、以前来た時と景色が違うようだ。青木鉱泉に電話で確認しようにも電波が届かない。
そこへ若い女性が来たので尋ねると、青木鉱泉に行くという。そこで騙されたつもりで後を追って行くと、青木鉱泉に到着。
 小林さんが女性から聞いた話では、5年前に新道が出来たので、私がイメージしていた道は旧道ではないかという。
青木鉱泉は入浴料1000円、汗を流し温めの湯船に浸かった気分は最高! 最初は1人だけだったが、小泉さんや鳳凰小屋
の談話室で顔馴染みになった人達も入ってきた。
 ⑪は青木鉱泉の前で、左から小泉さん、小林さん、私、私の横の2人の女性も談話室で会話した人達。彼女達は昨日青木
鉱泉からドンドコ沢コースを登り、ヘトヘトになって鳳凰小屋に到着。今日は山に登る予定を止めて、御座石鉱泉コースを下り
そこから青木鉱泉まで歩いてきたという。山には登れなかったが、忘れられない良い?思い出でになったことだろう。
帰路
 青木鉱泉から韮崎駅までは 南アルプス鳳凰三山登山バス  を利用。事前に予約が必要で料金は2500円、1日2便しかなく
私は青木鉱泉13:45発の便を予約。小泉さんは2時間後の便を予約していたが、私が「駄目もとで運転手に相談したらどう?」
と勧め、結果的にはOK,2時間待たなくて済んだ。小林さんと同じような人がいて、それがの日比野さん。日比野さんは愛
知から車で来たという。韮崎駅までの約45分、話が途絶えることなく楽しい会話が出来た。
 バスも順調で、韮崎駅を予定より1時間も早い“高尾行き”電車に乗ることが出来た。小泉さんは単身赴任の倉敷から千葉の
自宅に帰る前の登山で、甲府駅のロッカーに荷物を預けていた。日比野さんは甲府駅に車を駐めていたので、2人は甲府駅で
下車。
下の写真は、小泉さんから提供して貰いました。スマホに充電出来たので撮れた写真なので、本ホームページに無料で掲載。
今朝3時過ぎに出発して、再び観音岳に登り、雲海、日の出、富士山が写った写真を撮れて、感謝されました。
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小林さんからのLINE
 とても楽しかったです。私は知らない人と話すのは苦手だけど、山内さんが次から次に話しかけるので、相手の人も話ちゃう
んですよね、面白かった。いつも私は山登りはあまり好きじゃない、と言っているのに、今回「何で山登りしているの?」と尋
ねたら、「生きてることを感じるから」の答えがあり、その言葉を聞いて、行って良かったと思いました。近所の山登りじゃな
く、大きな山でスケールの大きさが、その言葉に感動を覚えたのかもしれません。namidog
ゴンちゃん
 愛犬のゴンちゃん、いつも私にべったりなので留守中はとても心配だった。帰宅すると
大喜びで飛んだり跳ねたりの大騒ぎ。留守中は、玄関を見つめて私が帰ってくるのを
待っていた時もあったとのこと。女房が「今日は パパ は帰って来ないよ」と言うと、“ パパ
の言葉で反応し車が見える部屋まで行き、車が駐まっているので、私が帰ってきたと勘違
いしたらしい。私に抱かれ、私の顔をじっと見つめて安心した様子、とても可愛い相棒です。