はじめに |
| 那須岳という名の山は存在しない。那須火山群の連峰の総称だが、茶臼岳を指して那須岳と呼ぶことが多い。 |
| 日本百名山の1つで、我がクラブで5年前に登ったことはあるが、雨・霧・強風で良い思い出は残っていない。テレ |
| ビで那須の紅葉を見てその気になり、天気予報を見ると19日が登山指数A,20、21日と晴れなのに登山指数 |
| はC、理由は風速が15m以上。登山指数は降水確率、風速を考慮して決められている。 |
| 日帰りも出来ないことは無いが、無理をせず1泊することにし、楽天トラベルでホテルを予約。翌日の20日は近 |
| くにある紅葉の名所(新聞のをチラシにあった、日帰り紅葉のバス旅)を巡ることに。 |
10月19日(水) |
自宅~那須岳駐車場(登山口) |
| 今年は紅葉が例年より少し遅く、今が絶好の見ごろとのこと。3日前の10日(日)は、山麓のロープウェイ駅駐車 |
| 場が大混雑、平日とはいえロープウェイの始発8:30には満車が予想されるとの情報を入手。7:30頃までに到着 |
| するには家を5:00には出発する必要がある。7:30に到着してもロープウェイの始発までは1時間も待つ必要が |
| ある。しかし車で5分ほど先には那須岳駐車場(無料)があり、そこから登れば全くの心配無し。登山する者が、何 |
| でロープウェイを利用することを考えたのだろう、少しでも楽をしたかったのか? |
| カーナビに那須ロープウェイ駅をセットするが、予定到着時刻が8:40。ウソだろう?と思いつつ予定どおり5:00 |
| に出発。入間ICで圏央道に乗り、関越道を横切って東北自動車道の久喜JCTへ向かう。途中、カーナビが高速 |
| から下りるよう指示、そんな筈はないと無視して直進。ここで真相が判明、車を購入した3年前には圏央道と九喜 |
| は繋がっていなかったので、カーナビはそのような指示を。東北自動車道に入ってからは正確な指示を出してくれた。 |
| 那須ロープウェイ駅駐車場は未だ車も疎ら、しかし那須岳駐車場に着くと(7:40)、すでに満車。駐車場内を |
| 2、3度グルグル回っていると、幸いにも出て行く車があった。 |
那須岳駐車場(1462m)~朝日岳(1896m) |
| 歩くコースは下図のとおり。 ①・・・②・・・③・・・②・・・④・・・⑤・・・⑥・・・⑤・・・②・・・① |
| 登山届提出所で、予め作成しておいた登山届を提出し、予定より35分遅れて8:05に出発、 |
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| 歩き始めはゆっくり足慣らし、だんだん調子が出てきてペースが上がり、その気は無くても見えてくる人達をぐん |
| ぐん抜いていく。②の峰ノ茶屋避難小屋に8:40到着、予定より10分遅れ(25分挽回)。一息ついている人もいる |
| が、快調なので休まず朝日岳に向かう。朝日岳は写真①を越えた向こう側にある。 |
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| 道は急な岩場,狭い道幅など変化があるが、足場はしっかりしており危険はない。しかし前を行く4人グループが |
| なかなか道を譲ってくれないのでイライラがつのった。朝日岳に9:20到着、予定より35分遅れの出発だったが |
| その遅れを完全に取り戻した。②は朝日岳から見える紅葉、デジカメのせいか、鮮かな紅葉が表現出来ていない。 |
朝日岳(1896m)~茶臼岳(1915m) |
| 来た道を峰ノ茶屋避難小屋まで引き返す、その先の分岐を右に行く予定が標識を見落とし、左の茶臼岳の方へ |
| 向かってしまった。しかしぐるっと回るコースなので特に問題はない。 |
| 後ろから両手にストックを持ち、サングラスをした中年男性はゆっくりと、しかも一定距離を空けてピッタリ付いて |
| 来る。勾配が急になったこともあり、先を譲りマイペースで歩くと、精神的にすごく楽になる。 |
|  |
| 上から下りてきた男性が石を積んでいた④。私が「もうそれ以上積めませんかね、でも挑戦してみます」と言って |
| 一番上の小さな石を乗せたら、その男性が拍手。那須岳頂上付近の上空にヘリコプター⑤、事故があったのか? |
| 後で聞いたら、女性が足を滑らせ頭を打ち、救助ヘリが出動したとのこと。 |
| ⑥は茶臼岳山頂、先ほどのサングラスの男性と写真の撮りっこ、サングラスをしていた時は取っつき難い雰囲気 |
| だったが、サングラスを外すと人の好さそうな男性。サングラスをかける時は、状況を把握し、臨機応変に! |
茶臼岳(1915m)~牛ケ首(1735m) |
| 下山し始めると、下から小学生達が元気に登って来る、まるで群れをなした小猿のように⑦。天気もコロコロ変わ |
| り、晴れていたと思ったら急に曇り、また霧も発生して視界も悪くなる⑧。 |
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| 12:00に牛ケ首に到着、先着の中年女性が茶臼岳を見上げながら絵を描いている。私にも絵心があったらなあ |
| と無いものねだり。ここで昼食のサンドイッチ、ここから真下を見下ろすと紅葉が見事、遥か彼方に姥ケ平が見える。 |
| 姥ケ平は紅葉がきれいなことで知られている、あそこまではかなり距離があると思いつつ、ここまで来たら行ってみ |
| るか! |
牛ケ首(1735m)~姥ケ平(1594m)~牛ケ首 |
| 20分ほどで姥ケ平に到着、硫黄ガスが噴き出る茶臼岳を背後に写真⑨を撮る。紅葉は近くで見るより、遠くから |
| 眺める方が良いか?すぐに引き返すが、先ほど下りてきた牛ケ首は遥か彼方の上方にあり、結構な急勾配。 |
| 後ろから女性2人、男性1人の若い3人グループが勢いよく登ってくる。私もそれなりのペースで登っており、前の |
| 中年の夫婦連れに追い着いたところで、若者3人に道を譲る。その時、中年夫婦の旦那さんと思わず顔を合わせ |
| 「若いって凄いなー!。」 |
| 暫く進むと先ほどの3人が「疲れたー」と言い、写真を撮りながら休んでいる。私はその横をゆっくりとマイペース |
| で追い抜く。大分差を付けたかな?と思っていると、再び彼らが急接近。抜かれるかと思ったが、ここまでのハイ |
| ペースが効いたのか、またもや休憩。結局うさぎとカメのレースではないが、カメの私が先に牛ケ首に到着。 |
姥ケ坂~那須岳駐車場 |
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| ⑩の標識、峰の茶屋跡避難小屋まで「1.0km 19min」と書かれている。なぜ中途半端な19分なの? |
| 那須岳は、あちこちからガスが噴き出している⑪。途中で休んでいる男性によると、昔と比べれば今はガスの量は |
| 半分くらい。当時はお湯も湧き出ていて、ゆで卵も出来たとのこと。 |
| 向こうから小学生の団体が歩いて来る。道幅が狭いので、脇に寄って道を譲っていると「こんにちは!」「頑張っ |
| て下さい」あげくは「お疲れ様!」などの声。待てども待てども列は途切れない。付き添いの先生、保護者もいるの |
| だから、配慮してくれてもいいのになあ。 |
| 峰ノ茶屋避難小屋から下り始めると、後ろから中年男性、明らかに私を抜こうとする気配を察知。本当は抜かされ |
| たくないが、こんなところで競っても大人げないと思い、先を譲る。暫く進むと、前方に別の小学生のグループ。 |
| 暫く後に付いていたが、我慢できずにスピードを上げて小学生達を追い抜いていった。すると前方に、先ほど私を |
| 抜いて行った中年男性の姿が!ここで先ほどの御返し、男性の後ろにある距離をおいてピッタリ、敵がスピードを |
| 上げればこちらも。暫くこの状態が続いたが、流石に敵も我慢出来ずに道を譲る。しかしプライドが高いのか、写真 |
| を撮るフリをして。 そこから私のアクセルは全開、快調なペースで駐車場に到着、14:05。 |
| 車の横で靴を履き替えているところに、先ほどの若い3人組が到着、偶然にも隣の車でした。私が「あなた達の |
| 体力の回復力は素晴らしいですね、私があのスピードで歩いたら、いくら休んでも直ぐには回復しませんよ」 |
| すると男性が「それだけが取り柄です」 |
那須岳駐車場~那珂川温泉ホテル アライ |
| カーナビにホテルの住所を入力すると、約50分程。地理は全く解らないので、カーナビの指示に従い右・左折。 |
| 途中、通夜・告別式の場所を示す「税所家」看板を見てギョッ。実は前日、所沢税務署でほぼ1日監査を受け、よ |
| うやく開放されたと思っていた時に、この看板が税務署に見えてしまった。 |
| ホテルは「50歳 温泉くつろぎプラン(朝食付き)」で、税込み6156円と格安。ホテル内にも大浴場はあるが、す |
| ぐ横にホテル直営の日帰り温泉も無料で利用できる。宿泊中、合計4回入浴を満喫出来た。 |
| この3ケ月ほど、ビール以外のアルコールは控えていたが、久しぶりにお酒と焼酎でご機嫌になって就寝。部屋 |
| は、それなりの設備が揃ってはいたが、時計が無いので枕元に腕時計を置いて。 |
10月20日(木) |
ホテル内 |
| ふと目が覚めて腕時計を見ると、8時28分。しまった!寝過ごしてしまった、朝食は7時から8時30分まで。でも |
| あと2分あるから、何とか食事させてくれるかも、と思い急いでフロント横のレストランへ。しかし、廊下は常夜灯が |
| 点いているが、レストランは真っ暗。えっ?腕時計を見ると、みぎひだりを逆に見ていたらしい。再びベッドへ。 |
| 朝6時過ぎに風呂に行き、荷物を整え、ロビーで朝食時間を待ちながら新聞を読んでいると、6:50にスタッフが |
| 「朝食の用意が出来ました」と声をかけてくれた。 |
ホテル~もみじ谷大吊橋 |
| 直帰もつまらないので、新聞チラシにあった紅葉の名所に立ち寄ることに。カーナビに、もみじ谷大吊橋の住所 |
| を入力、約25km、50分ほどで到着予定。途中国道4号線で通勤渋滞に会ったが、8時に到着。吊橋を渡るため |
| の通行券(200円)を買おうと窓口に行くと、8時30分から。30分も時間があるのでトイレに行き、ズボンのポケット |
| に手を突っ込むと、何かがある。取り出してみると、ホテルのルームキー。慌ててホテルに電話し、事情を説明する |
| と「3時までには届けて下さい」とのこと。 |
| しかし吊橋の景色をみても、全く紅葉の気配はない⑬。よく考えてみると、同じ那須でも那須岳は標高1915mで |
| 紅葉の真っ盛り、ここは平地なので紅葉はこれから始まるんだ。 |
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| すぐにホテルへ直行。途中、農産物特売所にあるかかしを見つけました⑭⑮。9時過ぎにホテルに到着、キー |
| を戻しながら、「高速に乗る前に気が付いて良かったです」と言うと「今日「はほぼ満室なので助かりました」 |
最後に |
| 急に思い立ち、直ぐに実行できる身分は最高!権現岳で体力に自信を無くして以来、子の権現・竹寺、蕨山と |
| 立て続けに歩いたお蔭で、以前の健脚に戻ることが出来た。やはり普段の訓練が必要。 |
| ということで、仕事でなかなか歩き機会のない我がメンバー、若くはないのでそれなりの配慮が必要だということ |
| を痛切に感じた今回の山行でした。 |