第5回　綴りを参照しない音節形成（音節分け）　検討中　December 27, 2024

【課題の概要】これまで本稿は、辞書内の単語毎の分綴の情報に基づき、暫定的に音節形成、音節分けを行う事としてきた。この節においては、指定可能な内容を持ついくつかの原理（音節安定性、リズム群内でのオンセット優先、子音クラスタ）に基づいて音節形成を説明する方式を提案する。この事との関連で、音節形成と連動している他のシステム、たとえば幾何学図形描画法と音声解釈規則の体系はそのまま維持していく。

【検討事例】英語には同一の音素であっても実際の調音が異なる場合があることが英語の側音[l]の検討において確認できた。このような変異形（明るい音色の側音と暗い音色の側音）は幾何学的図形において指定可能な分布していることが明らかとなっている。

幾何学図形内でのここで取り上げるのは次の二つのパーンの内のいずれかです。聞こえる事例1件と聞こえない事例1件を組み合わせて取り上げてください。

α　聞こえる[p]と聞こえない[p]
β　聞こえる[k]と聞こえない[k]

{聞こえる[k]と聞こえる[p]}あるいは{聞こえない[k]と聞こえない[p]}という選択は除外しして下さい。

【音節分け原理】本稿はこの段階において音節分けの原理を抜本的に改定します。下記に基づき発音記号から音節分けを直に行う。これまでは綴りの分け方を参照して発音記号の音節分けを行ってきた。本稿においてこのような展開としてきたのは、英語教育や英語学習をめぐる人々の理解に未だ「音節とは　・　で句切られているもの」あるいはこれに類似するもの、という理解に留まっているからである。本稿は次のような「手順」を提案し、ある程度それらの手順を習熟して後にそれらの「手順」を放棄し、以下に提案する原理に基づく幾何学図形の描画法に進む。

★前回まで　綴り　→　音節分け　→　幾何学図形描画
★これ以降　言語音のランク付け　→　音節分け　→　幾何学図形描画

言語音のランク付けが音節分けを決定するという考え方を以下で提示する。まずランク5の母音は必然的に音節頂点となり、他方ではランク1の子音、とくに真子音は頂点とはなり得ないことが既に明白であることを確認しておく。

1　音節安定性（Syllabic Stability）
　音節は音節核を中心に可能な限り子音を前後（すなわちオンセットとコーダ）に持つ。

2　リズム群内でのオンセット優先（Rhythm Initial Onset First）
　リズム群の先頭では必ずオンセットに子音が含まれる。

3　子音クラスタ原則（Natural Onset Cluster）　
　可能な語頭子音クラスタはオンセットなることが出来る。

【課題内容】子音[p]と[k]の2様態、すなわち聞こえる[p]、[k]と聞こえない[p]、[k]を英文作品内から見いだし説明、立証する。いずれも語内の事例とする。語頭の[p]、[k]が聞こえる[p]、[k]として、語末の[p]、[k]が聞こえない[p]、[k]として具現するのはもは自明の理だからです。

【[p]の音声規則】

★上昇線上では　明確に聞こえる[p]、[k]
★下降線上では　聞こえない[p]、[k]
★くぼみにおいては　明確に聞こえる[p]、[k]
☆[p]、[k]は原理的に頂点には位置し得ない

【リズムグループの生成】

★リズムグルーブは必ずSから始まり、後続のWと組み合わされます。
★Sはアクセントを持つもの、Wはアクセントが無いものです。その場合SW（二拍子）とSWW（三拍子）が基本になります。SとWは幾何学図内の頂点にのみ対応します。
★幾何学的曲線は、リズムグループの境界を越えることは出来ません。

参照しておきたいサイト　DONGRI ACADEMY

「正しく発音したい方必見！英単語の「音節区切り」とは？」

https://www.east-education.jp/dongri_academy/column/dongri-articles/9057/