'97 出場奮戦記
残念ながらフライトは中止になってしまいました。(;_;) 誤解をまねき問題がおきたりしましたので、最初におことわりしておきます。この鳥 人間出場に関するすべての事は、まったく建具組合とは関係ありません。主催は東三河 建具組合でも、東三河建具組合青年部会でもありません。ただ東三河建具組合青年部会 は、これに協賛する。ということでご理解下さい。 我がチ-ム未来工房はあくまで個人的に集まって活動しているものです。 後藤孝雄 チ-ム代表 :ウッドクラフトゴトウ。鹿児島大会では労働大臣 賞を受賞しております 佐々木克明 総務担当 :佐々木製材所社長。木材の提供者 伊東利和 製作総指揮 :伊東建具店。建具組合には所属してい ません 前田明宏 設計担当 :前田建具店。 以上四名を中心とし、総勢二十数名といわれていますが、実数は定かでありません(^^; 機体が完成したのは二日前でした。 7月13日(日)、滑空試験をするならラストチャンス。この日に、最終組立。少なくとも、完成 した機体を担いでバランスをみたい。もし少しでも飛ぼうと思うなら、これが必要だ。先 送りすれば、機体が破損した時、修復が間に合わない。ところが、この日に鳥人間コンテ ストの取材チ-ムが、自分達のところにやってくることに。彼らは製作の様子が撮りたいと いうこと。しかも雨。やむなく、機体をチ-ム代表である後藤さんの工場へ持ち帰り、取 材に応ずる。 7月14日、晴、もう時間がない。組み立てよう。来てくれそうなメンバ-に連絡。佐々木 製材所倉庫へ集合。ラップ貼り、組み立て。重心位置を決め完成、もうすでに深夜。コックヒ ゚ットに人を載せ、翼の揚力中心位置で持ち上げる。無理だ。翼の強度が足りない。翼上 面の圧縮部材が座屈、破損寸前。どうすればいい。間に合うのか、無理なのか。 7月15日、翼の胴体に近い部分のみもう一度後藤さんの工場へ。とにかく重量のことは 考えず、強度をあげなければ。翼の桁の格子の中に、細かく筋交いを入れる。リブとリブ の間に、先端のみの小さなリブを入れる。翼の後ろ側にも板を桁のように入れる。翼の 縦通材に突っ張りを入れる。これでなんとかもってくれれば。 7月17日、やり残した部分の製作。 7月18日、再び組み立て。接合部にラップを貼り、強度試験。なんとか持ち上がる。1Gに 耐える。しかし、補強してない部分のたわみがひどい。 7月19日、翼の先端近くまで、筋交いを入れる。コックピット部分の最終仕上。 7月20日(日)、またまた組み立て。バランスチェック。強度試験。人が乗った状態で、揚力中 心で持ち上げる。大丈夫だ。後藤さん(56kg)を乗せて、ゆすってみる。わずかに座屈が みられるが大丈夫。少し走ってみよう。人は下ろし機体だけを3人で持ち上げ、ゆっく り走る。もう一度。少し浮く感じ。なかなかいいかも。もう一度やってみよう。いきお いあまって駐車中の車に翼端が激突。大丈夫だ。なんともない。走れば浮いていく。ひ ょっとしたらいけるかも。 7月21日、連日の深夜までの作業、身体がだるい。でももう少し。当日のパイロット、金子 由美子さん(44kg)にあわせ、翼を移動し重心位置を決める。飛び立つ踏切のイメ-ジで走 ってみよう。パイロットの乗った状態で。サポ-トを付けて飛びのって。踏切のタイミングを合わ せよう。もしかしたら本当に飛べるかも。 7月22日、翼表面のフィルムを貼り変える。間に合うか。電話で人数を集める。えみが入っ たり、折れたりした部分をチェック。補修。座屈がみられた部分の補強。 7月23日、ラップを貼る作業は結構めんどうだ。翼、胴体、風防部分、梱包するための棚 も作らなければならない。またまた今日も深夜。完成。完成後、一部メンバ-は場所取り に出発。 7月24日、PM8:00、チャ-タ-したトラックが到着。積み込み作業。機体。主翼は三分割。水平 尾翼。テントその他機材。トラックは一路琵琶湖会場へ。AM1:00、全て完了。 結局、飛行試験はできませんでした。「壊れちゃうよ」と心配する人が大半ですが、 バランスをみるためには必要です。修復可能な範囲で、もちろんけがのない範囲でやるの は言うまでもありません。それだけが心残りだったのですが、とりあえずやれることは やったと思います。25日は現地に7時集合ということで、自分達の車は早朝4時出発。(ス イマセン ネボウシテシマイマシタ) 台風がくるなんて信じられない。信じたくない。琵琶湖は穏やかで、本日の天気は最 高です。もうすでにかなりのチ-ムのテントがみられます。機体をおろし、荷物をおろし、テン トを張って、朝食。遅出のメンバ-も次々到着。いよいよです。書類審査を通ったのは、25 0〜260チ-ムの中、55チ-ム。機体製作が間に合わず、棄権したチ-ムが1チ-ム。したがって54チ-ム のエントリ-です。 琵琶湖をカヌ-で走ってみました。メンバ-の一人がもってきた、二人乗りのファルトボ-トです 。プラットホ-ムは、岸から180メ-トル。水面を走って近付けば、それは巨大な砦のようです。ス タッフが準備に追われている様子です。あの上からドボンと落ちる。それどころか木で作っ た飛行機を果たしてここまで壊さず持ってこれるだろうか。そんなところからはじめた わけですがたぶんそれだけは大丈夫だと思います。沖へでると、少し風が気になります 。岸では感じられなかったのに。台風の影響でしょうか。 受付をすませ、昼食。機体検査を受けるため、分割して持ってきた機体を組立完成さ せなければなりません。自分達の出場するチャレンジ部門のみ撮影が行われました。チャレンジ 部門は、今年からということで、テレビ局側も力を入れてるようです。他チ-ムの人達も、 未来工房の木で作った機体を興味深く見てるようでした。機体検査では、安全面でいく つか指摘を受け、それに対応。合格マ-クを頂きました。これでいつでもフライトできます。 琵琶湖には夕焼けが拡がり、これでほんとに台風くるの。 PM8:00開会式です。大会委員長挨拶。選手宣誓も行われ、東昭、小林亜星、そのまん ま東、桂三枝らの挨拶。注意事項等も説明されました。気になる台風ですが、現時点で は開催の方向で進める。明朝6時に最終的な決定を行う。フライトの順番は部門別で変わる ことは有り得る。とのこと。 明日3時頃台風上陸か。午前中はもつのか。チャレンジ部門が一番飛べる可能性が高い気 もする。でもいやな風だ。それほど強い風ではない。しかし風向がよくない。フライトには 最悪な風。少し風が強くなってきたような気がする。機体をどうする。主翼と胴体を離 し、テントの中へ。このまま夜をこせるのか。対応はチ-ムによって様々です。人力部門の方 は撤収しているチ-ムも多いようです。テントが旗めく。撤収しよう。もし明日フライトが可能な らもう一度組み立てればいい。二時間もかけて組み上げた機体を再び分割。機材もテントも 全て撤収。トラックに積み込みました。雨はまだきません。しばらくの間、ビ-ルタイム。 大会当日、ホテル、携帯電話のベルの音。朝5時、佐々木さんからです。雨もない、風も ない。飛べるかもしれない。現地へ全員集合です。やはりいくらか風があります。フラ イトは難しいかも知れません。大会本部の決定を待つしかありません。本部テント前、少 しづつ人が集まってきます。 AM6:30、大会本部の決断が下されました。 フライトは中止でしたが、大会の模様は、8月2日(土)夜7:00より放送される そうです。事前に取材した各チームの様子、第20回以前の主なシーンも流されるそう です。 自分達の飛行機の図面は、 nifty 建築フォ-ラム CAD館 FARCC デ-タライブラリ 2-413 に登録済みですので、よろしかったらご覧下さい。 また nifty 建築フォ-ラム CAD館 FARCC 3.電子会議室 18 がらんどう #344 からのコメントツリ- もご覧下さい。 未来工房 前田明宏