今年度は「よく噛むこと」の効用についてお話してきました。最近はテレビや新聞、雑誌などでも噛むことが健康に良いという話題が取り上げられるのを見かけます。一般の方々に知識として広まってきたのは喜ばしいことです。
日本は世界有数の長寿国となりましたが、その反面、平均寿命と健康寿命の差が10年もあるのも事実です。今後は健康寿命を伸ばしていくのが大きな課題ですが、自力で生活ができるためにはまず自力で立ち、自力で食べることができなければなりません。
寝たきりになっていた高齢者が良く合った入れ歯を入れたら立って歩けるようになったとか、ずっと黙り込んでいたのに会話ができるようになったとかいう話をしばしば聞きますが、しっかり噛めることが、身体の姿勢を正し、筋力を発揮させ、脳を活性化し、自力で立つことや意識をしっかり保つことに関連していることの証と言えるでしょう。
高齢者が寝たきりになったり、死亡してしまう原因の一つは転倒ですが、これも自力でしっかり立ち、歩くことができれば予防できます。それにはしっかり噛めるお口であることは必要です。たとえ自分の歯が少なくなっても治療したり入れ歯を入れることで噛めるようになれば良いのです。そのためにも若い時、健康な時期から「噛む」こと、美味しく食べることを心がけておくことが大切です。
若松歯科医師会では「生きる力を支える生活医療」である歯科医療の担い手としての責務を果たすため、さまざまな活動をしていますが、ホームページでも地域の皆様に役立つ情報を日々提供し、過去数年分の若松環境衛生だよりの歯科関係記事も掲載しています。是非ご活用ください。
若松歯科医師会広報委員会
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