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2021年年賀状

『丑男梅園如月大見得之段』(うしおとこうめぞのきさらぎおおみえのだん)

仕事が遅いと、主人から暇を言い渡された丑男。あまりに腹が減って焼き芋をくすね、
寺に隠れたまではいいが、2月の夜。寒くてしょうがない。見ると坊さんの墨染めが干したまま。
これを頂戴して眠られぬ一夜を明かす。夜の明ける前に失敬しようと思うが、焼き芋のせいか、
どうにも腹が張ってしょうがない。身をよじった途端にブッと大きなのをやって居どころがバレた。
寺男に引きたてられ、坊さんの前へ。坊さんは哀れんで許そうとするが、村人はそうはいかない。
そこで坊さん一計を案じ、丑男に誓いをたてさせ、向こう1年間この村のために働くと大見得をきらせた。
かくて許されて丑男、謹賀新年、これより仕事に勤しむをもって、「勤賀」の唐傘をさして大見得をきる舞台。
なお墨染めのサイズから推して、かの坊さんも今は人の姿をしているが、先人というか経験者というか。
類は友を呼ぶというか。こいつも実は丑男だというオチもついてくる。

みなさま今年も、ゆる〜くお付き合いいただき、ありがとうございました。
来年もたぶん何となく更新続けるんだろうと思います。気が向いたらいらしてくださいませ。

どうぞよいお年を。


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