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Eメール危険な古代史=古事記と易学〜発見!想像を絶する真実の古代日本
7.暗号解読[3]41ピースのジグソーパズル〜架空の天皇と隠された女帝たち

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このページのもくじ
@架空の天皇 A隠された女帝達 B『古事記』序文の態度

このページの内容は、次の8.9.と合わせて古代天皇の多くは、実は女性だった!古事記日本書紀のトリッキーな数字の仕掛け5〜暗号解読として、約40分の動画にまとめてあります。

 

@架空の天皇

 暗号が示す持統天皇とその周辺の歴史は、表向きとは大分異なっていた。これまでどんな歴史家もこのようなことは言ったことがない。そんなのは妄想だ、史実であるわけがない、と、自分でも解読した歴史をなかなか信じる気にはなれなかった。しかしこの解読の結果、これまで意味不明とされていた干支や数字の矛盾が綺麗に繋がったではないか。単なる誤記や錯誤ではなく、『記』『紀』編者が仕掛けた暗号だったからこそ、こうして表向きとは全く異なる歴史が浮上したのだ。
 と、自分に言い聞かせ、それが本当ならば、さらに解読を進めれば表向きとは全く違うこといろいろと姿を現すはずだ。そう考えて解読を進めた。
 しかし、初代の神武天皇から順番に少しずつ解読しようとしてもダメだった。
 どこから手をつけてよいのかわからなかったのだ。
 何やらジグソーパズルの最初の1ピースをどこに置けばよいか迷っているのと同じ気分がした。と、ハタと気付いた。
 これはジグソーパズルに似た仕組みの暗号なのだと。
 各天皇は表向きとは即位の順番が全く違うとともに、架空の天皇も混ざっている、ということである。

 たまに2綏靖天皇から9開化天皇までは皇統譜に関すること以外は何も記述がないことから、歴史を古く見せかけるために作った架空の天皇だ、などとする仮説を唱える歴史家がいるが、これから話すことはそんな簡単なことではない。
 表面上の皇位継承順や物語の進行に捉われず、持統までの全天皇の属性を分類して判断することで、実在と架空の違いがわかるとともに、本当の皇位継承順も明らかになる仕組みなのである。
 ジグソーパズルを組み上げるときは、どこに何を置くべきかを、完成した絵柄を参考に各ピースを色によって分類する。そうすると、だいぶ置く場所がわかりやすくなるものだが、それと同じように各天皇名に使われている文字や崩御時の年齢などの数字を易の卦に置き換えて解釈しながらその属性を分類することが大事なのだ。ただしどんな絵柄が完成するのかはわからないが。

 ともあれ結果から言うと、それで当たりだった。この手法で『記・紀』全体を探って行くと、さらに驚くべき歴史が姿を現したのである。言うなれば、『記・紀』に登場する古代天皇は、「41ピースのジグソーパズル」だったのである。
 神武天皇から持統天皇までが41人だから、41ピース、である。
 ただし中にはダミー(架空の天皇)もあるので、組み立てるにはこれを除外しなければいけない。表向きの皇統譜は、完成された絵柄を切り分け、各片をその色彩に従って並べ替え、さらにはその配列を秩序立てるために余計な片を加えて、一揃い41ピースとしたものだったのである。
 まずはそのダミーすなわち『古事記』序文に「日浮(ひう)かびて(ひかり)を重ね」と表現された架空の天皇を捜し出すことから始めよう。

 糸口は持統天皇や天武天皇に関する真実を教えるための暗号だった7孝霊、14仲哀、21安康の三天皇と15神功皇后についての考え方である。
 このような暗号を組み込むのは、架空の人物であってこそ出来ることではないだろうか。実在の人物の事跡に暗号を組み込むと解読者は混乱する。とすれば、そんな無謀なことはしないはずである。
 そこでこの4人を架空の人物と断定し、これを手掛かりに探って行くのだ。すると、さらなる除外すべき架空の天皇を選別できたのである。
 その選別方法は、『古事記』序文の「名は文命よりも高く」の裏の意味に従い、本文の物語は無視し、国風諡号を主体に検証するのだが、これに加えて年齢等の数字を含めたA列B列との関係も鍵だったのである。

 なおこれから書くことはかなり整理している。実際の解読作業では、あっちこっち少しずつ暗号が解け、最後にその暗号がひとつに繋がったのである。まさにジクソーパズルと同様だった。それをその解読作業の順で書くと、とんでもなく煩雑で分かりにくいものになる恐れがある。したがって実際の解読作業の順とは異なっても、暗号大系をより分かりやすく整理して書くことにした。

乱数表はコチラ

 まずは4人の架空の人物のうちのひとりである7孝霊天皇の国風諡号、大倭根子日子賦斗邇(おほやまとねこひこふとに)と倭根子の部分が共通の8孝元、9開化、23清寧の三天皇である。
 同じ文字を使うということは、同じ要素を備えていると考える。
 その共通する倭根子の根の字は、易の卦に置き換えれば、偏の木は(そん)(風)、旁の艮は(ごん)(山)だから、合わせて序次53風山漸(ふうざんぜん)となるので、根子で「53風山漸の子」という意味に取れる。
 その53風山漸は8孝元天皇の『記』57歳が示す卦でもある。
 とすると根子は、8孝元天皇の子に当たる9開化天皇と同じ要素を共有しているのだと告げているのでなければ、暗号としての辻褄が合わない。
 そこで9開化天皇だが、『記』63歳は63水火既済(すいかきせい)を示す。
 この卦は陰がそれぞれ正しい位置にあることから、「理想の形→無闇に動かしてはいけない」という意味を持つ。
 これに従い、位置を動かさずにその性質を探ろうとすれば、いやでもA列の序次12天地否(てんちひ)が目に止まる。
 これを素直に受け取れば、否は否定だから実在否定としか考えられない。
 したって根子を共有する天皇は、全て架空の人物となるのである。
 なお8孝元天皇の『記』57歳と9開化天皇の『記』63歳は、共に対応関係が複雑だったが、それはこのように架空の人物であることを教える役割を合わせ持っていたからだったのである。

 これで7孝霊、8孝元、9開化、14仲哀、15神功、21安康、23清寧の計7人の実在が否定されたわけだが、架空の人物はもうひとりいた。29宣化天皇である。
 29宣化天皇は、2−1で話したように、国風諡号の建小広国押楯(たけをひろくにおしたて)からA列と対応する部分を除くと小広楯の3文字が残る。
 この小広楯の三文字の「をひろたて」という響きは、「歴史を少し広げるために立てた」と示すものと考えられるではないか。
 と言うと、それは安易だろう、との批判もありそうだ。
 当初はそう思い、他の解読法もあれこれ試行錯誤した。しかし、難しく考えれば考えるほど、解読に行き詰まった。
 その結果、「暗号を組み込み、それを解読させるためには、極力わかりやすくしないと伝わらないのだ」、というとこに気づいた。そして、なるべく安易な読み方をしたところ、ついに完全解読にこぎつけたのである。

 世間では2綏靖(すいぜい)天皇から9開化天皇までを、皇統譜に属すること以外の記事がないことから、欠史8代と呼び、この8代は歴史を古く見せかけるために無理やり皇統譜に組み込んだ架空の人物だ、といった説もあるので、今更架空の人物が居たとしても、それほど驚くことではないだろう。暗号もこのうちの7孝霊、8孝元、9開化の実在は否定している。
 しかし記事がないとしても、2綏靖、3安寧、4懿徳、5孝昭、6孝安の5人の実在は否定していない。
 とすると、当面は通説に培われた先入観を捨て、『古事記』『日本書紀』だけを検証して行かないといけない。
 そのスタンスが暗号解読に際し、最も大事だったのである。

A隠された女帝達

 架空の天皇を除外したら、次は何をすればよいのか。それを教えるのがA列B列と対応しなかった1神武、12景行、14仲哀、17仁徳、21安康の5人の天皇の『記』年齢のうちの、残る17仁徳天皇の83歳だった。

乱数表はコチラ

 83を易の卦に置き換えると36地火明夷(ちかめいい)となる。
 この卦は(こん)(地)を大地、C()(火)を女性とすれば、「大地の下(墓の中)に女性が眠る」と解釈出来る。
 仁徳天皇と言えば、大阪の堺にあるあの大きな仁徳天皇陵を思い出すところだが、暗号は「墓に女性が眠る」と読める……とすると……、
 そうか!「仁徳天皇は、実は女性だった」と暗号は示しているに違いない!
 そして仁徳溢れる最も男らしい天皇の一人として描かれている仁徳天皇が女性ならば、他の男性として登場する多くの天皇も実は女性であると示唆していることにもなる。
 これはとんでもないことだ!そんなことがあってよいのだろうか!

 一瞬そんな衝撃に襲われもしたが、とにかくジグソーパズル組み立ての第二段階は、架空の人物とする暗号が見当たらない残る33人の天皇の、男女を識別することだった。
 しかし、このままつらつらと文章だけで話しては、混乱も起きそうである。そこで、この辺でそのジグソーパズルの組み立てを図で示すことにする。それが、
 図26 41ピースのジグソーパズル(別窓で開きます)
 である。
 ここからはこの図26や、組み立ての基本情報がある最初の「表T 古代天皇と易六十四卦の序次」を見ながら話を進めることにするが、その男女の識別は、次のように判断するものだった。

表Tはコチラ  図26ジグソーパズルはコチラ  乱数表はコチラ

4懿徳天皇・6孝安天皇・12景行天皇・13成務天皇

 まずは、容易に識別出来る4懿徳(いとく)天皇である。
 元年の皇紀151年を易の卦に置き換えると、1は(けん)(天)・五は(そん)(風)だから、百位の1と十位の5で44天風姤(てんぷうこう)を示し、残る下一位の1は、この卦の一番下を指していることになる。
 この卦は41持統天皇のA列であると共に、最下の陰の記号の位置は、誰もその勢いを止められない程の力を持っている陰(女性)を意味するので、「4懿徳天皇は絶大なる力を持った女帝である」と教えているのに他ならないのである。
 そして懿徳という漢風諡号は、6孝安天皇のA列9風天小畜(ふうてんしょうちく)の意義を説明する『易経』の文章中の「君子もって文徳を()くす(君子以懿文徳 )」にある文字だから、4懿徳天皇と6孝安天皇は同じ性質を共有していることになる。
 したがって4懿徳天皇が女帝ならば6孝安天皇も女帝となる。

 その6孝安天皇の国風諡号は大倭帯日子国押人(おほやまとたらしひこくにおしひと)だが、このうちの帯日子を共有する天皇は他にもいる。12景行天皇=大帯日子淤斯呂和気(おほたらしひこおしろわけ)と13成務天皇=若帯日子(わかたらしひこ)である。
 根子を共有する7孝霊、8孝元、9開化、23清寧の4人の天皇は架空の人物という要素を共有していた。とするとこの帯日子を共有する6孝安天皇、12景行天皇、13成務天皇も共通の要素があるはずであって、孝安天皇が女帝ならば景行天皇と成務天皇も同じく女帝でなければならないことになる。
 なお、若と大の違いは、若は一人、大は複数を示すと考えるのが最も素直だから、大倭帯日子(6孝安)と大帯日子(12景行)の位置には、本来複数の女帝がいたのを、国之常立神(くにのとこたちのかみ)から持統天皇に至る円周を成立させるために、それぞれ一人にまとめたのだ、と考えるのが順当である。
 これで4人が女帝だと判明したわけだが、さらに検証して行くと、約2/3が女帝だった上に、22雄略天皇と26武烈天皇(男性)、34推古天皇と35舒明天皇(女性)は、それぞれ同一人物だとも暗号は示していた。
 実際の解読作業では、まさにジグソーパズルのように、あっちこっち飛び飛びに少しずつ判明していったのだが、それをそのまま書いたのでは、あらぬ混乱を引き起こし兼ねない。そこで、整理しつつ、なるべく皇統譜の順に沿って話すことにする。

表Tはコチラ  図26ジグソーパズルはコチラ  乱数表はコチラ

1神武天皇・2綏靖天皇

 この二人には女帝だとする暗号は見当たらないので、表向きと同じく男性となる。

3安寧天皇

 国風諡号の師木津日(しきつひ)(日継師)の部分が4懿徳天皇との繋がりを見せるので、3安寧天皇と4懿徳天皇は共通の要素を備えていなければならず、4懿徳天皇はすでに話したように女帝なのだから、この3安寧天皇も女帝となる。

5孝昭天皇・10崇神天皇

 5孝昭天皇の『記』93歳を易の卦に置き換えると、9は(天)・3は(火)だから、10崇神天皇のA列の序次13天火同人(てんかどうじん)を示す。これは5孝昭天皇が10崇神天皇と同じ要素を備えていることを示している。
 10崇神天皇はA列との対応関係で国風諡号の御真木入日子印恵(みまきいりひこいにゑ)を「13天火同人の裏卦7地水師(ちすいし)を見よ」と解釈したが、その7地水師は4懿徳天皇のA列だから、4懿徳天皇ともこの卦で結ばれていることになる。
 とすると、この二人は共通の要素を備えていなければいけないので、4懿徳天皇が女帝である以上、10崇神天皇も女帝となる。
 したがって10崇神天皇と同じ要素を備えている5孝昭天皇も女帝となる。

11垂仁天皇

 A列の序次14火天大有(かてんたいゆう)は、下から五番目の君位の一陰の女性が、他の五本の陽の男性を従え所有している形であるとともに、八卦単位で見ると、(天)の男性の上に(火)の女性が君臨している形でもある。したがってこの卦は女帝を意味する。 しかしA列との対応関係で話したように、国風諡号の伊久米伊理毘古(いくめいりびこ)は、この卦を直接的に表現するのを避けていた。とすると、この国風諡号の態度は女帝であることの打ち消しと受け取れる。したがってこの天皇は、表向きと同じく男性となる。

表Tはコチラ  図26ジグソーパズルはコチラ  乱数表はコチラ

16応神天皇

 元年の930年と『記』130歳が、共に10崇神天皇のA列13天火同人を示すので、崇神天皇が女帝である以上、この天皇も女帝となる(1と9は(天)、3は(火))。

18履中天皇・19反正天皇

18履中天皇は国風諡号の頭の大江(おほえ)と元年の1060年を易の卦に置き換えると、大と1は(天)・江と6は(かん)(水)だから、共に3安寧天皇のA列である序次6天水訟(てんすいしょう)となる。
 一方の19反正天皇は、『記』60歳を易の卦に置き換えると、6は(水)・0(十)は(地)だから、5孝昭天皇のA列8水地比(すいちひ)となる。
 したがって、3安寧天皇と5孝昭天皇が共に女帝である以上、この二人も女帝となる。

20允恭天皇

 この天皇には女帝だとする暗号は見当たらないので、表向きと同じく男性となる。

22雄略天皇・26武烈天皇

 この二人も允恭天皇同様に、女帝だとする暗号は見当たらないので男性だと言える。しかしちょっと気になることがある。
 この両者の国風諡号は長谷若の三文字が共通している。共通していないのは大建(大長谷若建(おほはつせのわかたけ)=雄略)と小雀(小長谷若雀(をはつせのわかさざき)=武烈)である。
 この共通しない部分を易の卦に置き換えると、大建は序次25天雷无妄(てんらいむぼう)雄略天皇のA列との対応関係参照)、小雀は序次46地風升(ちふうしょう)(小は陰だからその極みの(地)、雀は風に乗って空を行くことから(風))だから、表裏の関係となる。表裏とは陽が入れ替わった関係を指す。
 表裏の関係だけならば親子ということも考えられるが、長谷若という共通要素もあるので、親子より深い関係すなわち同じ人物を裏側から捉えているのだとしたほうがシックリ来る。
 したがって、この二人は同一人物ということになる。

表Tはコチラ  図26ジグソーパズルはコチラ  乱数表はコチラ

24顕宗天皇・25仁賢天皇・27継体天皇・32用明天皇

 24顕宗天皇と25仁賢天皇は、国風諡号とA列との関係で深く繋がっている。
 24顕宗天皇の国風諡号の袁祁之石巣別(をけのいはすわけ)と27継体天皇の国風諡号の袁本杼(おほど)は袁の字を共有する。
 24顕宗天皇の『記』38歳は32用明天皇のA列35火地晋(かちしん)(3は(火)・8は(地))を示す。
 したがって、この4人は同じ要素を備えていることになる。
 そこで32用明天皇だが、国風諡号の橘之豊日(たちばなのとよひ)の豊日は、以下のように解釈出来る。
 豊は序次55雷火豊(らいかほう)のこととすれば、この卦は(雷)の男性が(火)の女性の上で振動している形だから、性交とその結果としての妊娠を暗示し(妊婦の腹は大きく豊かになる)、日は(火)を通じて女性を示すので、豊日と合わせれば「妊娠する女性」という意味になる。
 とすると32用明天皇は女性なのであって、この人物が女性なら、あとの三人も女性でなければいけない。

28安閑天皇

 国風諡号の広国押建金日(ひろくにおしたてかなひ)のうち、A列と対応しない金日の二文字は、易の卦に置き換えれば、金は(天)・日は(火)だから、合わせて10崇神天皇のA列の13天火同人となる。したがって、10崇神天皇が女帝である以上、この天皇も女帝となる。

30欽明天皇

 A列との対応関係確認作業では、国風諡号の天国押波流岐広庭(あめくにおしはるきひろには)のうちの国押を(風)としたが(A列との対応関係参照)、これを踏まえて冒頭三文字の天国押で易の卦に置き換えれば、41持統天皇のA列であるとともに女帝を意味する44天風姤だからこの天皇も女帝となる。
 学校の日本史の授業でも出て来る天皇を、このように簡単に女帝だと言ってしまうのは私自身甚だしく違和感を覚えるが、暗号はこのように女帝だと示しているのだから仕方ない。

31敏達天皇・33崇峻天皇

 この二人には女帝だとする暗号は見当たらないので、表向きと同じく男性となる。

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34推古天皇・35舒明天皇

 34推古天皇の『紀』36年崩を易の卦に置き換えると、3は(火)・6は(水)だから、35舒明(じょめい)天皇のB列64火水未済(かすいびせい)になる。
 その35舒明天皇の国風諡号の息長足日広額(おきながたらしひひろぬか)は、頭の息長の二文字は、神功皇后の息長帯比売(おきながたらしひめ)のときと同様(「1.暗号発見までの経緯」参照)、共に(風)の示す事象だから、この部分で57巽為風(そんいふう)となる。この卦は風が繰り返し吹く様子のイメージであることから「同じことの繰り返し」という意味を持つ。
 そこで、続く足日広額を合わせて言葉を補いつつ解釈すると、
 「額という字が付く人物を別人として繰り返し即位させることで、歴史を広げ、皇統譜の円周を成立させるために天皇の数を加え足した姫(日)」
 と解釈出来る。
 推古天皇の幼名は額田部(ぬかたべ)皇女だったと『紀』に記載されている。
 したがって、35舒明天皇は34推古天皇と同一人物なのであって、推古天皇は女帝である。
 また、推古天皇の国風諡号は豊御食炊屋姫(とよみけかしぎやひめ)だから、二人の名前を合わせると、32用明天皇を女帝だとする暗号の豊日の二文字を備えることになる。
 これも二人が同一人物の女帝であることを告げているのである。

36皇極天皇・38斉明天皇

 表向きの物語では、36皇極天皇は大化改新に際し一旦退位し、十年後に38斉明天皇として重祚(ちょうそ)したことになっているが、国風諡号の天豊財重日足姫(あめとよたからかさねしひたらしひめ)
 「皇位を重ねることで皇統譜の円周が成立するように数を足した、妊娠する女性である姫」
 という意味に読める。
 したがって、表向き同様女帝には違いないものの、38斉明天皇としての重祚はなかったことになる。

37孝徳天皇

 この天皇の国風諡号の天萬豊日(あめよろづとよひ)には豊日の二文字があるから、用明天皇同様女帝だ、と言いたいところだが、上の天萬を易の卦に置き換えると、天は(天)・萬は(地)だから、序次12天地否で「女帝であることを否定する」という意味になる。
 したがって、表向き同様、男性である。

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39天智天皇・40天武天皇・41持統天皇

 この三人については、性別変更の暗号はないので、表向き同様に、39天智天皇と40天武天皇は男性、41持統天皇は女帝のままとなる。

 これで全天皇の男女の識別は完了したことになるのだが、ここで架空の人物、男性、女性をそれぞれまとめておこう。

 架空の天皇 7孝霊。8孝元。9開化。14仲哀。15神功。21安康。23清寧。29宣化。

 男  性  1神武。2綏靖。11垂仁。20允恭。22雄略(26武烈)。31敏達。33崇峻。
       37孝徳。39天智。40天武。

 女  性  3安寧。4懿徳。5孝昭。6孝安。10崇神。12景行。13成務。16応神。
       17仁徳。18履中。19反正。24顕宗。25仁賢。27継体。28安閑。30欽明。
       31用明。34推古(35舒明)。36皇極(38斉明)。41持統。

 表向きの物語と親しんで来た身には、何やら信じ難い面もあるが、ともあれこの男女の別は、『古事記』序文の言葉の使い分けとも一致しているのである。

B『古事記』序文の態度

 『古事記』序文には、撰進までの経緯や内容の概略が記されているのだが、その中に6人の天皇が登場する。しかし彼等全員に対して、天皇という称号で呼んでいるわけではない。 

 漢風諡号 『古事記』序文での呼び方

 神武天皇 神倭伊波礼毘古(かむやまといはれびこ)天皇
 応神天皇 品陀御世(ほむだのみよ)
 仁徳天皇 大雀(おほさざき)皇帝
 推古天皇 小治田大宮(おはりだのおほみや)

 天武天皇 飛鳥清原大宮御大八州(あすかのきよみはらのおほみやにおほやしましらしめしし)天皇
 元明天皇 皇帝陛下(暗号では、女帝の持統天皇を指す)

 このように神武天皇と天武天皇以外には、「天皇」を用いていないのである。
 応神天皇と仁徳天皇は暗号が女帝だとし、推古天皇と元明天皇は表向きにも女帝である。その上『古事記』本文でも、注意深く一文字ずつ確認して読んでみると、推古天皇に対しては一度も天皇という呼称を使っていないのである。他の天皇に対しては必ず一度は天皇と呼んでいるのにである。

 余談だがまだ完全に解読していなかった頃、ある古代史の専門家の方に、
 「『古事記』本文では推古天皇に対して一度も天皇という呼称を使っていないのはなぜでしょうか?」
 と質問したことがある。その専門家の方は怪訝な顔をして、本棚の『古事記』を取り出してページをめくり、
 「おお、確かにそうだね、今まで気づかなかったから考えもしなかったが、なぜだろうねぇ、君はどう思う?」
 と返答された。
 私は暗号のことは伏せておきつつ
 「そもそも天皇というのは男性に対しての敬称であって、『古事記』編纂者は女性の天皇を認めたくないと考えていた、ということはありませんかねぇ」
といったように、差し障りのない範囲で答えておいた。
 実は私にしてもこの件は暗号解読をするまで全く気付かなかったのである。しかし私はシロウト、専門家がどう考えているのか知りたかったのだが、私と大差ない認識だったようで、ちょっと悲しかった。

 ともあれ話しを戻そう。この序文のこのような言葉の使い分けは、応神天皇と仁徳天皇が女帝であることを示し、本文の態度は、推古天皇は表向き唯一の女帝なのだから、天皇は本来、男性の王に対する称号だったと教えるとともに、この暗号解読法が正しいことを、解読を試みる者に確認させていたのだと言えよう。

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もくじ

☆ プロローグ  1.暗号発見までの経緯 2.古代天皇と易六十四卦の序次〜謎めく数字137 3.神世と易六十四卦の序次〜円を描く皇統譜とその不合 4.『古事記』序文に隠されたメッセージ〜歴史を腐敗させた女帝 5.暗号解読[1]神武天皇と辛酉革命 6.暗号解読[2]持統天皇暗殺と不倫が不倫でない時代 7.暗号解読[3]41ピースのジグソー・パズル 8.暗号解読[4]男帝と女帝の二王朝に分裂していた時代 9.暗号解読[5]暗号が示す皇統譜の親子兄弟姉妹関係 10.暗号解読[6]女帝たちの壮絶な実態と母権制社会とは 11.暗号解読[7]母権制社会脱却の失敗 12.暗号解読[8]応神女帝から推古女帝までの正しい年代 13.暗号解読[9]神武男帝のクーデター、イザ!・オウ! 14.暗号解読[10]雄略男帝から聖徳太子までの真実 15.暗号解読[11]大化の改新〜父権制社会としての出発! 16.暗号が示す歴史の全容! 17.卑弥呼の正体は崇神女帝だった! 18.解明!雅楽器「笙」に伝わる「亡国の音」の秘密

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最終更新日:令和05年01月24日 学易有丘会
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