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>>ハニートラップ

 
花は、後悔していた。
甘いものが食べたい。
そういった自分の発言をなんとか
取り戻したい。


蜂蜜のひどく甘い匂いが、部屋全体に漂っていた。


「甘いね、花ちゃん。」


そういいながら孟徳は、野生的な獰猛な瞳でこちらを見上げた。


なぜ見上げているかといえば、花が椅子に座り、孟徳が床に跪いているからだ。
孟徳の右手はしっかりと花の腰を抑え、左手は花の膝裏をつかんでいる。
花の太ももにこぼれているのは、先ほどまで瓶に入っていた金色の蜂蜜。


孟徳にたべさせてほしいと言われた花は、恥ずかしがりながらも、
孟徳へ匙にぷっくりと乗った蜂蜜を運ぶが、手首を抑えようとした孟徳の手にぶつかって、
あろうことか自分の太ももに垂らしてしまったのだ。


「ごめんね、花ちゃん。俺が責任もって綺麗にしてあげるから。」


違和感がとてもとてもある、さわやかな笑顔を見せる孟徳の
表情と言葉に花の頭に嫌な予感が走ったが、逃げるのが遅く、
椅子に抑え付けられた花のふとももに孟徳の舌が這う。


「ひゃっ・・・あっ、あの孟徳さん?」


「あぁ、こんなところまでこぼれているよ。」


「ちが・・・っ、そこまでこぼれて・・・ないっ」


「そうかな、こんなに甘いのに。ほら、ここも」


「ふぁっ・・・あぅ・・・!」」


孟徳の髪の毛が敏感に粟立つ箇所に触れて、花は腰をくねらせた。


ぴちゃりぴちゃりと音がする。
舌と吐息が花の理性をはがして奪っていく。


もう蜂蜜は残っていないのに、孟徳はまだ味わっていた。


花は、かろうじて残っている理性で、孟徳の前で蜂蜜は食べないと決意した。


「もっと、身体中べとべとになってもいいよ。」


匙を孟徳はペロリとなめる。
まだ、蜂蜜はたっぷり残っていた。


金色のしずくが、先ほどとは違う箇所に、たらり、とろりとこぼれ落ちていくのを
花は熱でうるんだ瞳で見ていた。


「さぁ、綺麗にしてあげる。」


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