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東京における不公正・乱脈な同和行政。東解連書記次長ほらぐちひろふみ

「月刊 解放の道」1996年 3月号より

         

はじめに

 東京ではすでに「部落」が解体・解消し、地域指定ができない状況にあります。 また差別事象も、ほとんどなくなっています。

 こうしたなか、東京都は同特法以来法律の適用を受けず、同和事業は属人的手法によって実施されてきました。 そのため「利権を目的とする偽った申請」や「申請者のプライバシーの侵害」という問題も生じています。 1978年、都知事の諮問機関である「東京都同和問題懇談会」が、「東京における同和行政のあり方について」を答申。 この答申は画期的な内容をもつもので、前述の問題点なども指摘し、属人事業をやめて皮革・履物産業に対する「属産業的施策」を展開し、「産業全体の底上げ」をはかることこそ、東京における同和問題の解決になると提言しています。 しかし東京都は、同和官僚の特権的地位の保存と、都議会での政党対策の思惑からこの同和懇答申を棚上げにし、みずから「差別」事件をでっちあげ、「解同」の要求なども利用して、根拠もないままに同和行政・同和事業を継続させようとしています。 こうしたなか、不正・不公正・乱脈・「逆差別」が続発し、「解同」などのえせ同和行為や、さまざまな事件が起きているのです。
       

根拠のない同和行政

 東京都は、同和行政の目的が「部落出身者と一般都民との格差の是正」であることを認めつつ、具体的な「格差」については明らかにできません。 事実、部落出身者と一般都民の間には「格差」など存在せず、そのために個人給付事業は「逆差別」にならざるを得ないのが東京の現状です。

 特に同一地域・同一産業(下町の皮革・履物産業)で働く仲間のなかに、許しがたい「逆差別」が持ち込まれ、働く仲間が分離・分断されています。 会社が倒産した場合、同じ職場で働いていて失職しても、同和地区出身者は「同和応急生活資金」の借入ができますが、非出身者はなんらの保障もなく、路頭に迷わざるを得ません。 また経営が苦しいとき、同和地区出身者は「同和生業資金」を利用できますが、これに対応する一般施策は、なにもありません。 さらに都営住宅の入居では、一般では平均数十倍の入居倍率ですが、同和地区出身者は所得制限さえクリアすれば、「同和特割」として100パーセントの入居が可能です。 しかも入居後、都営住宅使用料が半額になる「同和家賃減免」があります(全解連東京都連はこれを拒否)。

 これらの「逆差別」行政は枚挙にいとまがありませんが、「事業の進捗率・達成度、および今後の必要性」について私たちが追及したところ、東京都はこれについていっさい答弁できないのが現状です。 そればかりか、「属人的事業は非物的事業であり、定量的な把握は困難」などと、根拠のなさを開き直ってすらいるのです。
   

えせ同和行為を放任・助長する東京都

 東京都は都民に対し、「えせ同和行為には、勇気をもってたちむかうことが大切」などとのべながら、そのウラではみずからえせ同和行為を放任・助長しているのです。

えせ同和団体系の建設会社に強力に融資をあっせん

 東京協和・安全の2信組への不正融資問題に関連して、都が安全信用組合に、えせ同和団体の「日本同和清光会」系の建設会社への融資を、強力にあっせんしていた事実が明らかになりました。 安全信組は、「監督省庁である都の強力な紹介だったため、断り切れなかった。 これが焦げ付き、経営不振の一端となった」とのべています。

警察沙汰の事件も熟知しながら放任・助長

 全日本同和会都連の毛利会長などは1994年、恐喝容疑で逮捕されました。 都はあわてて「当分の間、同和会を都の対応団体からはずす」としましたが、その前から同和会がおこなっていたえせ同和行為は熟知しながら放置し、逆に助長すらしていました。

 同和会は都との話し合いの席上、みずから機関誌の売り込みなどで警察沙汰の事件を起こしていることをのべていますが、都はこれに抗議するどころか、同和会の言いなりにならない企業に成り代わり、同和会に陳謝。 さらに都の施設での同和会の会議が暴力団同士の抗争事件に発展し、地元警察署が出動した件についても、これを放置していました。

 それどころか、同和会が利権あさりのための事業団体を設立した際、都幹部職員は設立の場へ駆けつけ、祝辞をのべているのです。

「解同」都連委員長の脱税指導事件も放置したまま

 「解同」都連の市田委員長(当時)は1985年度の所得税申告で、「解同」系の東京都同和企業連合会が申告指導をすれば、そのまま国税当局は認める、と同盟員に脱税をそそのかし、「成功報酬」として4000万円を着服。 しかし脱税は失敗したにもかかわらず、市田委員長は1000万円しか返却しないとして、東京地裁に訴えられました。 地裁はこの事件の判決で、市田委員長に残金等の返却を言い渡しました。

 この事件にかかわって、私たちは東京都に、事件の全貌解明と都民税の課税を主張していますが、都はいっさい調査せず、「解同」との癒着も続けています。
      

公費をつかって大名旅行

 1989年度、都と「解同」幹部は「需要開拓事業視察」と称して、同和予算をつかって青森県に行きました。 しかしこれはまったくの物見遊山旅行。 初日には若干の視察をおこなったものの、2日目以降は奥入瀬渓谷などをめぐる観光旅行に徹したのです。 この内容は、「講師」として大企業を招待し、「情報交換会」と称して酒宴をひらくデタラメぶり。 「解同」都連の市田委員長にいたっては、正体不明の女性を同行させていました。
            

佐川急便配送センター進出をめぐる疑惑

 佐川急便の配送センターが東墨田に進出した件で、東京都同和対策部と「解同」墨田支部が、深く関与していたことも明らかになりました。

 佐川急便が土地を購入したのは1985年。 わずか3年後の1988年、都がこの土地の半分以下を、ほぼ同額で購入しています。 佐川急便にとっては、まさに「濡れ手にアワ」。 この異常な高値で都が土地を購入した疑惑ばかりか、さらに水銀や砒素などによる汚染土壌の処理も不十分なままだったことも判明し、大きな問題になりました。

 「解同」墨田支部は当初、佐川急便の東墨田進出に大反対。 しかし1985年半ば、この反対キャンペーンが影をひそめます。 この時期、「同和対策費」の名目で、「解同」に不可解な裏金が流出。 「解同」元墨田支部長は、「解同」に2億4000万円の裏金が渡ったことなどを告発する文書を発表しています。
       

環境改善用の都営住宅に独占入居

 1985年、環境改善事業として東墨田2丁目に建設された都営住宅をめぐって、「解同」墨田支部が独占入居をねらい、東京都がこれに屈服するという事件が起こりました。

 「解同」は全69戸のうち、環境改善の立ち退き用13戸を除く56戸の独占を要求。 都庁に集団で押しかけ、脅迫的交渉をくり返しました。 これに屈服した東京都は、入居資格から居住年限を取り外し、特別の募集要項をつくって「解同」に協力。 申込用紙も別に作成し、他地域から仲間を呼び寄せて入居させる「解同」のために、前例のない「東墨田むけ」募集をおこないました。 この年、一般の入居倍率は最高で1,626倍にものぼりましたが、住宅難に悩む一般都民を尻目に、「解同」だけがこうして特権入居したのです。

 さらに、入居のために住民票だけを移動したことや、引っ越し荷物を勝手に区の公共施設である社会福祉会館(「解同」墨田支部事務所も不法占拠)においているなどの暴挙も判明。 これらの問題は、参議院の建設委員会でも取り上げられました。

 このほかにも葛飾区の都営住宅にニセ「出身者」が大量入居したことや、台東区の都営住宅に元外国籍の人物が「同和特割」で入居するなど、明らかになっただけでも数多くの不正入居が問題になっています。
      

おわりに

 このほか、「解同」系の教員が都教委の「定期異動実施要項」を無視して同一校に居座り続けたり、都が啓発冊子で「解同」流の理論を流布したりと、不正・乱脈の例は数え知れません。 また各区でも「解同」支部に公共施設を事務所として提供したり、事実上の「解同」支部専従者を「相談員」等の名目で雇用して人件費を支給したり、直接・間接の団体助成をおこなったりと、区同和行政でも不正・乱脈は枚挙にいとまがありません。

 冒頭でのべたように東京には「部落」がなく、地域指定をし、法の適用を受けている他府県とは条件が異なります。 旧身分を理由とした古典的差別も皆無ではありませんが、東京の部落問題とは、不公正・乱脈な同和行政と、「解同」などの暴力やえせ同和行為が中心です。 こういう状況のなかで、私たちが公正・民主の旗を掲げ、同和行政・同和事業の完了と終結、同和懇答申の実現をめざしてたたかうことは、非常に意義深いことと考えます。 今後とも東京都連は、平和と民主主義、諸要求実現のために奮闘する決意です。

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