鶴岡畳店 コラム

カビ

今年は6月より湿度が高い日が続いています。7月に入ってからは湿度80パーセント、90パーセント以上の日もあって不快感がありますね。毎年この時期には「畳からカビが出てきてしまった」というお客様の声を耳にするのですが今年は今のところ大丈夫なようです。
施工させていただいた際は「天気の良い日は換気をしてください。」とか「エアコンの除湿機能はお部屋を快適にするためには有効です。」とお客様に申し伝えているからでしょうか。カビが生えてしまうお部屋は日中はお仕事で窓が締め切りの状態のお部屋がほとんどです。


畳にカビが発生するのを防ぐポイント。
晴れた日には窓を開けて換気をすること。
畳を拭き掃除するときは水拭きでなくから拭き。
エアコンの除湿機能も有効です。


暑い夏、快適にお過ごしください。

畳の縁

『畳の縁は踏むもんじゃありません』誰でも言われたことがある一言だと思いますがではなぜ畳の縁は踏んではいけないのでしょうか?
これにはいくつか訳があります。今では化繊が主流の畳縁は丈夫になり、汚れはするけれど切れることはまずありません。しかし、一昔前は織りの粗い綿製縁が主流のため畳表よりも縁が弱くすぐ傷んでしまい、化学染料など無く草木染めのため踏むとすぐに色褪せてしまったようです。
 また、さらに時代はさかのぼり江戸時代。織物自体が高級品だった縁付畳は一部のお屋敷やお城にしか敷かれていませんでした。この畳に使われている縁は将軍様の家紋がデザインされた紋縁(もんべり)で将軍様の家門を踏むなんて考えられないことです。現在でも紋縁は神社や寺院、家庭の床の間など格式のあるところで使われています。また、この時代は物騒でどこから敵に狙われているかわからない。床下に潜み畳と畳の間のわずかな隙間からから刀でずぶっとやられることもあったそうです。畳縁を踏むことは命を落とすかもしれなかったということです。
 以上何点か挙げてみましたが現在では畳の縁を踏んでも支障はほとんどありません。しかし、冠婚葬祭のマナーとしてまだまだ生きている昔ながらの作法です。