準備稿

第三部 日曜日


34 字幕「日曜日」

35 岩殿観音

 階段を上りやってくる王仁。

 トンネルをくぐりやってくる福岡。

 出会う二人。一例。構え。試合開始。長い試合。その間王仁の独白。

王仁の声「福岡。俺とお前が出会ったのは、確か四年前の学内代表決定戦だったな。二人ともまだ一年で、なのに部内ではもう敵なしで、当然のごとく俺もお前も決勝まで勝ち進んだ。そこで俺は始めて、負けを経験した。それからも毎年学内決勝は必ず俺とお前で、必ずお前が全国へ進んだ。全国でもお前は不敗を誇り、四年連続優勝。お前の名前は全国に知れ渡った。不敗を保ったまま、お前は大学を去り就職、俺は就職浪人。大学に残ったのもそういう理由からだ。ところがお前は会社に不満があるみたいじゃないか。学生時代、挫折を味わったことのないお前がそんなことで戻ってきたとき、正直いって俺はちょっと嬉しかった。ざまあみろってな。でもな、そんなもん俺にいわせりゃ贅沢な悩みだ。結局は就職したから言えるんであって、俺に比べりゃなんてことない。だからさ、そんなことでいつまでも悩んでるんじゃないよ。お前は自分のために闘ってるんだろ」

 両者相討ち。先に王仁が立ち上がる。

 福岡も立ち上がろうとするところに、王仁が手を差し伸べる。福岡、王仁の手をつかむ。

36 クレジット

 終。


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