武田歯科の、歯周病についての考え方
武田歯科では、つぎのポイントを患者さんと一緒に考え、歯周病の予防と治療を行います。
a 何が問題となるのか?(現状の把握ー問題点、必要性)
b どうすればいいのか?目標設定を(計画ー解決方法の発見)
c やってみよう!(実施ー実践の動機付け)
d どうだったのか?(評価ー成果の確認)
プラークの蓄積は直接的にはブラッシングの技術の問題ですが、それ以外に、その人固有の問題
があります。
患者さんにとっては、現代の、今の、今の瞬間の口腔状態は必然なのです。
その人の固有の「わけ」を 受け止め、理解しなくては指導が始まりません。
学校、仕事、社会・・・等の環境、そしてそれぞれの家庭の「わけ」が反映してしてきます。
その時々の生活を抱えて患者さんは来院されます。その結果としての口腔なのです、
・一例として まず、カラーテスター(歯垢染色液)で、口腔内の歯垢を染めて、ご自分の口の中の
現状を把握していただくときがあります。
仮に28本の歯全てに深さ5oの歯周ポケットがあると、その面積は手のひらぐらいになり、
そこに1_・cあたり 約1億個ぐらいの多量の細菌がついています。
そこで細菌( バイ菌 )と 生体( 私達の身体 )とのあくなき 戦いが繰り広げられています。
もし場所が皮膚や内臓の 一部だったらどうでしょう。
・
位相差顕微鏡で、 
ミミズやオタマジャクシやドジョウなどの如く
生きた細菌や微生物がウジャウジャ動いているのを見ていただきます。
ヒトには700種以上の細菌などの微生物が住みついています。口腔内には300種類以上の細菌が
存在しています。 ミミズやオタマジャクシ、ミズスマシみたいな桿菌や球菌やらせん菌が見られますよ.
大きさは1mmの約1000分1、即ち1マイクロメートルの大きさです。一匹が分裂をして約13.30時間で
1億ぐらいになります。
口腔内は細菌だらけ!?
ミュータンスレンサ球菌って何?
ヒトには、700種におよぶ細菌などの微生物が住みついています。
なかでも、口腔内には300種類以上の細菌が存在し、さらにプラーク(歯垢)1mg中には、
1億個以上の細菌が存在するといわれています。
口腔内常在菌のなかには、う蝕を誘発する細菌も多くふくまれており、酸を産生します。
その中でも、ミュータンスレンサ球菌は特に注目されています。強い酸を産生する。
酸(主に乳酸)を産生する能力が優れていることがあげられます。
酸性環境下、嫌気的環境下、飢餓環境下での酸産生能ph5以下の酸性環境のなか、
空気にふれない嫌気的環境、さらに飢餓環境などにおいても酸を産生できるというタフな
特性があります。
菌にとって栄養源のない状況でも、虫歯をつくりだしていく可能性があります。
不溶性グルカン合成による固着、凝集、拡散障壁作用
ショ糖(スクロース)を基質として不溶性のグルカンというものを合成します。
このグルカンにより歯の滑沢な面にも極めて強固に付着することができ、
その粘着性からほかの付着能のない細菌の足場となります。
そのため、細菌の温床であるプラーク(歯垢)を形成し、不溶性であるため、
産生された酸の拡散を妨げ、虫歯を作り出していきます。こわいバイオフィルム
プラーク(歯垢)の中の細菌は、それぞれ自分たちの住みやすい環境を
作り上げていきます。
それらは、グルカンなどに守られ、唾液や抗菌物質にも負けない強固で病原性の
強いバイオフィルムになっていきます。
バイオフィルムとは?
固体表面に付着した細菌や、その産生物からなる複合体のことをいいます
歯周病は細菌感染で起こります。
原因菌は一種類ではなく下記の複数の菌が歯周病を起こすことが知られています。
Aggregatibacter actinomycetemcomitans)
Prophyromonas gingivaris
Tannerella forsythensis
Treponema denticola
Prevotella intermedia
Fusobacterium nucleatum
Campylobacter rectus
Eikenella corrodens
Actinomyces 属 等
歯周病はこれ等の菌が、歯と歯肉の間(歯周ポケット)に入り、歯槽骨を破壊して歯肉が腫れたり、
歯が動くようになって、最終的には歯が抜けてしまう生活習慣病の要素が強い疾患です。
昨今2011〜12年、何回となくNHK「ためしてガッテン」毎水曜日午後8時より
歯の重要性が放映。6月22日の放送でも 歯周病で歯肉からの空気、
酸素などを嫌う嫌気性細菌(ジンジバリス)Prophyromonas gingivaris が 血液に侵入して増殖し
毒素を出し肺炎、細菌性心内膜炎、糖尿病、 脳卒中、認知症、、胃潰瘍、 手や足の裏に出 来る膿庖症
・・・等の因果関係を詳しく説明していた。
5月のTV放映では、噛む、咀嚼は脳神経を活性化「生きる力を育む」と力説 。認知症などを
予防をしょうと。
この細菌は鉄分(Feイオン)が大好きなので血液の血小板の中に入り込み、
毒素を出し血小板や赤血球を 集めて塊(かたまり)にしてしまう事が実証されていた。
1mmの千分の一が繰り広げる世界。
歯周病の初期
プラーク除去と歯石除去が治療のポイントです。正しい歯磨き(歯ブラシの毛先を当てる場所と角度、
持ち方、順序、強さ、回数など磨き癖の修正)をすることが大切です。また、P M T C
(プロフェッショナルな歯面清掃によるバイオフィルムの除去)も行います。
歯周病が進むと
初期の治療の他に、歯周ポケット内の継続的な除菌が必要になります。継続的な歯周ポケット内の除菌で、
歯周病を起こしやすい嫌気性菌の多い細菌叢を、歯周病を起こさない安全な好気性菌の多い細菌叢に
変える必要があります。この細菌叢の変化は、位相差顕微鏡で判定できます。
この他に、横からの咬合力(引っ張り強度:顎は前後左右に動きます)は、歯を揺さぶって歯周組織を
破壊しますので歯周病で歯槽骨にメージが多かった歯に対しては、横からの咬合力が加わらない
ようにな咬合調整が必要になります。また、咬合する面積も縮小することもあります。
歯にかかる垂直の咬合力(圧縮強度)に対しては、歯根膜のシャーピー繊維は、歯を
ハンモックのように 吊り下げていて、垂直の力には最も効果的な抵抗ができるようになっています。
ちなみに引っ張り強度 6 に対して 圧縮強度 1です。
更に歯周病が進むと上記の治療の他に、咬合力に負けないように、歯を連結することが
必要になります。1本の歯にかかる 咬合力は60kg(自分の体重ぐらい)になります。
歯周病でダメージを受けるのは歯槽骨です。
日本人の平均的な歯根の長さは約 12mmで、5mm以上歯槽骨が歯周病で無くなると、1本だけで
咬合力に対して、充分な抵抗(咬むと痛くなったり、歯肉が腫れたり、歯が揺れたり)をすることが
難しくなります。
咬合調整や隣の歯と連結して、歯の保存を図ります。また、歯に横からの揺さぶる咬合力が
かからない、1口30回と言う食べ方をして頂くことになります。
この1口30回以上と言う咬み方は、古来から健康の元と言われているものです。
更 に、硬いものは調理を工夫(隠し包丁など)して頂くか、避けてもらうことになります。
自分で行う歯磨きには、歯間ブラシも併用して頂き、食後毎回必ず使用して歯と歯の間の除菌を
して頂くことになります。
「 エッ歯を磨くために生まれてきたみたいだ?」
いや〜「歯磨きもあなたの趣味?の一端い加えて下さい ★ ☆ 」是非、一生涯自分歯で。
健康な歯は一生の宝です。一歯一生・一生一歯
健全な口腔内の人たちと歯周病疾患のある人たちとの全身病の比較調査
心臓発作の発症率 :2.8倍
脳卒中・脳梗塞の発症率 : 3.0倍
早産の危険率 (2,500g以下の低体重児出産) :7.5倍
胃ガン、胃潰瘍、腎炎、糖尿病、呼吸器疾患( 誤燕性肺炎、喘息、咽頭炎、気管支炎)
その他
歯垢、歯石(唾石、血石)の1mg(千分の一)には約2億個の細菌がウヨウヨし、
それらの細菌。膿(ばい菌と血液の戦った死骸)を毎日飲み込んで直接各臓器に、また同じ細菌が
歯茎内の血管を通じて体内の臓器へ、全身をむしばみ全身病を誘発します。
・
塩(消毒や歯ぐきを引き締める作用があります)による、歯磨き指導(刷掃指導)を行います。
口の中のばい菌がほとんど不活性化します。
自然治癒力を引き出す自然良能賦活療法 (Oral physiotherapy)を柱に。
・
舌も乾いたタオルかガーゼでやさしく拭き取るように!。
( 食事の後、茶碗や弁当箱を洗うように、毎日する歯磨きですから、
気を楽にした歯磨き(舌磨き)を心掛けるように!
習熟すれば、武田式、田中式、高野式、〇〇式と自分にあった歯磨き方法を発見!
また、できれば合成界面活性剤(合成洗剤に含まれている)を使用していない自然環境にやさしい、
石鹸ハミガキ(成分 : 研磨剤:重質炭酸カルシュウ。湿潤剤:濃グリセリン。洗浄発泡剤:石鹸。香味料
:ハッカ油、ユーカ リ油) を使用しましょう。
洗口剤にも塩酸クロルヘキサジン、塩化セチルピリジュムといった殺菌剤が配合された商品もあります。
・ そして、髪の毛が伸びたり、爪が生えてきたり・・・するように唾液が出る限り、歯石は2〜3日でたまります。
例えば角砂糖を水の中に入れ混ぜると、どこにあるのかわかりませんが暫くすると固形物として底に沈殿します。
日が経つと固まります。なかなか取れません。
まさに唾液も血液も同じように沈殿するのです。歯石(唾石・血石・・・・を取り除いたり(除石)、
SRP(歯根面をつるつるにする)、歯肉の掻爬(不良な肉芽を取り除く) 、その他・・・などをを行い、血液、
リンパ液、ホルモン、その他の循環を促します。
いわゆる畑の草取りや、スコップで土を掘り返したりして、お陽さんや酸素、肥料などを入れるのと
同じように治癒環境を整え、
自然治癒力に働きかけます。
・ また、歯周病の手術が必要となれば、手術を行います。
例えば糖尿病の様な生活習慣病に対しては、主体的に自ら病をコントロールするように取り組まない限り
勝算は望めません
。 依存的な患者さんから主体的に健康に取り込む態度の変容を起こさなければなりません。
健康志向を持ち初期の熱意を上手く毎日の生活習慣に定着させなければなりません。
それも息切れをしないように。1年〜2年・・・5年〜10年〜20年と毎日の生活習慣に定着出来れば
素晴らしいと思います。いのちある限り食べ続けないといけないのですから・・・。
頑張らなくていい、年老いてもあきらめないでほしい。