各地のタナバタ行事 2019/09/25

 

 各地のタナバタ行事について、聞き取り調査の内容を主な構成要素別に整理してみました。ただし、これらはあくまでも その地域における一事例であり、地域全体を代表するものではありませんのでご注意ください。
 資料は、日本全国を対象に以下の四つの地域に区分されています。末尾のPDFファイルから選択してください。

◇ 東日本地域:北海道から三重県(関東を除く)
◇ 西日本地域:滋賀県から沖縄県
◇ 北関東地域:茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県の北部地域
◇ 南関東地域:千葉県・東京都・神奈川県・埼玉県の南部地域

なお、資料に示した項目に関する説明や表記方法等については以下の凡例を参照してください。

○○○のタナバタ行事

伝承地域 神迎え・神送り・精霊信仰 禊・祓(眠流し) 供えもの 行事・習俗
竹(笹) その他 ネムノキねぶた 人形・紙衣水浴 作り物 野菜
@ ABC DEFG HIJK

@:地域は市町村単位で表記していますが、自治体名については調査当時の区分に従っています。都道府県によっては新旧の 自治体名が混在している場合がありますので注意してください。
A:竹(笹)は基本的に1本(●印)立てますが、タナバタ馬を作る地域では2本立てるケースが多いようです。ほとんどが マダケを利用しています。なお、竹をたてないところも各地にみられます。
B:タナバタ馬の頭数は2頭という地域がほとんどです。ただし、片方を牛として牛馬2頭という事例も少なくありません。 馬2頭の場合は雌雄を区別するのが一般的で、作り方も一部異なります。さらに、3頭の馬あるいは牛馬を作る事例では2頭を 通常のタナバタ馬とし、残りの1頭を盆行事で使います。▲で示したのは作る頭数が子どもの人数によって決められる 事例で、子どもたちが完成した馬を扱う習俗と密接な関係にあります。
C:船は俗にタナバタ船と呼ばれるもので、さまざまな形態があります。
D:竹、馬、船以外の要素について記述しています。
E:ネムノキは適当な枝を竹に添えるか地面に立てますが、その際竹と同じように短冊をつるす場合があります。この葉を使って 顔を洗う習わしが関東では埼玉県などの一部地域でみられます。
F:東北地方を中心としたネブタあるいはネプタなどと呼ばれる行事の有無を表示しています。
G:タナバタ人形や紙衣を飾る慣習があった場合に表記(●印)されます。
H:水浴は、ネムノキやねぶたの習俗と関連してみられるもので、複数回行われる場合はその回数を表記し、不明の場合は●を 示してあります。
I:供えものは、年中行事に欠かせない要素の一つです。タナバタの日の供えものとして関東地方では饅頭やうどんが主流ですが、 団子や赤飯などを供える地域もあります。
J:野菜の供えものは、スイカやカボチャ、トウモロコシ、ナス、キュウリなどの夏野菜が中心です。
K:各要素に関連した特有の行事や習俗などを示します。


地域別の概要を展示しています

東日本地域(pdf) 西日本地域(pdf) 北関東地域(pdf) 南関東地域(pdf)

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