「フルーティー」とは何なの?

 フルーティーとは、自然農法の人参のことです。もっと厳密に言えば、自家採取した種でできた自然農法産人参のことです。市販の種でできた人参は、「フルーティー」とは言えません。

 ではなぜ「フルーティー」というのでしょうか。

 それは食味でわかります。生の人参を食べてみましょう。一般の人参は、青臭さや嫌みと言った独特の味と香りがあります。しかし「フルーティー」を食べてみると青臭さや嫌みがなく、「柿」を食べているような、それでいて人参本来の味があり、果物みたいな感じがするので「フルーティー」というのです。

 同じ人参なのにどうしてそんなに味が違うのでしょうか。

 一つ目の理由は、栽培方法にあります.自然農法で作る野菜は、化学肥料、農薬、家畜の糞尿堆肥等いっさい使っていません。そのため、畑には余分な「窒素」がないので細胞が緻密で野菜に甘味が出てくるのです。もちろん余分な窒素がないので収量は一般の人参に比べると7割くらいの収量です。

 二つ目の理由は,自家採取してることです。市販の種は、種子消毒してあったり、多肥栽培であったりして自然農法には適していません。自然農法にあった種を作ることにより、収量、味ともに良くなることを目的としています。

 人参の種の自家採取方法を説明しましょう。

 まず母本を選定します。11月末から12月初め頃、人参を収穫するときに色・形の良いものを選びます。種1gで人参20本程度必要です。
 それを畑に植えます。株間75〜90p、畝間75〜90pで葉を切らずに植えてください。霜害が予想されますので土寄せは十分行ってください。 【図1】
 翌春、人参に芯が立ってきます。「天花」が最初に出ますのでそれは取り除きます。枝を6〜8本残しあとは取り除きます。強勢のもので8本程度で良いでしょう。 【図2】
 枝の先端に花が着きます。枝の葉の部分から孫枝が出てきますがそれも取り除きます。開花する頃は、梅雨時期ですので不棯実を無くすため雨除けをしてください。
 7月頃、実が狐色になったら収穫します。収穫したものを乾燥させてから、ブラシ等で実を落とします。それを再度乾燥させてください。実に着いている「毛」が手で揉み落とせるくらいになったら、脱毛機等で毛を揉み落とします。それを目の細かい「ふるい」等で毛を振るい落とします。その中にはまだゴミ・不棯実等がありますので、水につけてかき回し水選別をします。ゴミ・不棯実等が浮きますので除去し、水気を切って乾燥させれば終了です。


 栽培方法を説明しましょう。

 人参は、慣行農法では、7月末から8月15日頃までが播種の適期です。しかし、自然農法では7月中旬から8月5日頃が適期と思います。
 耕運整地、鎮圧後75〜80p2条蒔き、10aで0.7〜1gの種を播種機で播種します。乾燥して水分不足の時は、耕運前にスプリンクラー等で灌水するか、播種後スミサンスイ等で灌水してください。
 本葉4〜5枚になったら7〜8p間隔に間引きをします。その後、14〜15pになったら青首防止と除草をかねて土寄せをします。
 130日前後で収穫となります。収量は、2.5〜3t位です。






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