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新時代の希望を語る
―武 建一対談集












 
武建一ほか/著
出版元: 社会批評社 
四六判 178頁 並製
本体1000円+税
ISBN4-916117-92-2 C0036

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はじめに対談を終えて
 
 2冊目の対談集となります。今回も各界を代表する先生方と対談をさせていただきました。貴重な出会いに感謝しております。
 第1部の山内徳信(とくしん)参議院議員ですが、先生は沖縄、私が徳之島出身ですので、置かれた環境がよく似ています。先生から兄弟のように風貌が似ていると言っていただきましたが、抵抗の島のDNAが共通していると思っています。先生は、激しい怒りと冷静な分析と柔軟な思考を、温厚なお人柄に包み込まれて、人を惹きつけてやみません。その魅力は、先生の沖縄での実践的な闘いを語られる中で、読者が感じ取られることだと存じます。
 第2部の若松孝二監督ですが、本当に自由人だと感心しました。権力や大企業や業界におもねることなく、はっきりと自分の信じるメッセージを発信される方だと感じました。ところで、私たちは、マスコミなどを通して偏った情報を受け続けています。だから、歴史や物事の本質を見極める理論活動が大切ですが、映画などの文化活動は感性を通して真理を感得することができます。『キャタピラー』上映と監督との対談によって、改めて映像の力を再認識しました。
 第3部の下山保パルシステム初代理事長ですが、生協は力強いものの、大きな矛盾を抱えているとのお話でした。生協は、関連事業者や労働者に低コストを押し付けていないか、貧困者に開かれているか、組合員が主人公か、等々。私が関与する事業協同組合も形態が違いますが、大きな矛盾を抱えており、共感する点が多くありました。同時に、生協あるいは協同組合は、大きな可能性を持っていると表明され、その点も同感です。新たな協同組合運動を構築しなければならないと考えています。
 さて、今回の対談は、2010年の6月・9月・11月に持たれました。私が執行委員長をしております連帯労組・関西地区生コン支部では、6月23日に日米安保破棄、沖縄米軍基地撤去・新基地建設反対、沖縄民衆連帯を掲げて政治ストを敢行しました。また、生コン関連協同組合がゼネコンとの取引条件を改善するために、協組と労組が大同団結して、6月27日、「生コン関連業界危機突破! 総決起集会」を開催し、2千300名の中小企業経営者と労働者が結集しました。さらに、共闘する労組と共に、7月2日から11月17日まで、139日間の長期ストライキを貫徹し勝利しました。
 まさに、ストライキの真只中での対談でした。こうした緊張感の中で、各界の現場で果敢に闘いを挑まれている先達と対談できたことは望外の幸せです。この対談集が読者の皆様にとって、何かのヒントになれば幸いでございます。
                     2011年1月20日           
                                          武  建一
 
目   次
はじめに 2
第1部 沖縄普天間問題、かく闘う 9     
                               山内徳信・武 建一
     武さんと私は琉球弧に生まれた兄弟 11
     命を大切にする政治 14
     読谷村の村ぐるみ闘争の勝利 18
     普天間日米合意と体を張って闘う 21
     アメリカ言いなりの仕組みを問う 24
     決するのは民衆の力 27
     村の73パーセントが米軍基地だった読谷 30
     「風呂敷の論理」で闘う 31
     米軍基地の中に楔を打ち込む 38
     文化で基地を乗り越えていく 40
     怒りは思想を形成する 43
     基地をなくすには時代の流れを読む 47
     安保に対して労働者はストで闘う 52
     普天間基地正面ゲートを封鎖しよう! 56
     軍隊は民衆を守らない 61
     沖縄意見広告運動の継続 63
 
第2部  『キャタピラー』から見た時代と戦争  65 
                              若松孝二・武 建一
     闘う映画監督 68
     連赤事件で問われたかつての戦争 72
     B29の本土爆撃を見た戦争体験 76
     徳之島から大阪へ 78
     教科書に載らない映画を撮る 82
     権力にこびない自由人 86
     過去の歴史への正しい認識が必要 89
     アメリカに「出て行ってくれ」と言えばいい 93
     権力者に都合の良い歴史記述 94
     長期ストライキを闘う 98
     戦争は人間を全部破壊する 102
     歴史から学ぶ 106
     戦争ができない闘いをつくりだす 109
     映画を武器に闘う 112
 
第3部 協同組合運動をどう再生するか 119      
                                  下山 保・武 建一
     日本の生協運動の実状 121
     学生運動から生協運動へ 123
     売り上げ年間1千億円に発展 128
     キリスト者や社会主義者が生協運動に 130
     関西生コン労働運動と協同組合運動 132
     背景資本に対する闘いで大きく前進 137
     関生の産業政策の始まり 138
     地域で独占化した生協の問題 141
     生協にロッチデール精神が失われている 146
     中小企業と大企業との対等取引へ 149
     長期ストライキで大企業と闘う 152
     共助努力・公助の力で社会的規制力を持つ 155
     格差社会の共犯者であってはならない 158
     生協の「地域主権・組合員主権」を考えるとき 161
     時代が求めている協同組合 164
 
■資料 日米共同声明全文 169
おわりに 175
 
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