なりゆきで
マンガ家に
なりました
ナゾのマンガ家の正体は描かれた作品そのままの人だった!!
まずは2005年に行なわれたインタビューを掲載。
普段の過ごし方や当時の思い出など話はさまざまな方向へ。

最近はものすごいヒマ
★最近の仕事のペースを教えてください。
☆ペースは、すっごい忙しい時は8時半とかに頑張って起きて10時くらいから仕事しますけど、普段は朝起きるのが8時半から11時ぐらい。そして朝ごはんを午前中に1回食べて、部屋の片づけだったり、ゴミ捨てとか新聞取りに行ったりとかしたあと、テレビを観たりしながら大体は2時ぐらいまでズルズルしています。そして1時から3時ぐらいに昼ごはんですかね。
4時ぐらいになってあっ暗くなってきたと思って仕事を始めます。そして6時ぐらいまでやったらちょっと買い物に行ったり、夕飯食べたりして、9時ぐらいからまた11時ぐらいまで仕事して、終わり。
★作品量がもの凄いんで、すごい忙しそうなイメージがあったんですけど。
☆今は全然。地獄のサラミちゃんが終わっちゃったので。まぁあれも月刊誌ですから。今は月刊で30枚も描いてないかな? 20枚ぐらいしか多分、マンガは描いてないですよ。だから1日1ページもやってないので、ものすごいヒマですよー(笑)。
★そんな(苦笑)。サラミちゃんなどの独特のキャラクターのアイデアはどういったところから出てくるんですか?
☆なんだろう…、自分が行ってみたい世界とか、なりたい人とかをイメージするとあぁいうキャラクターができますね。あとは友達になりたい人だったり、憧れの人とかです。
★煮詰まった時の気分転換の方法に「さんぽ」ってありますね。
☆一応さんぽって書きましたけど、大体煮詰まる時っていうのは、いつの間にか煮詰まってるんですよ。気がつくともう、何時間かあ~っどうしようどうしようってなっていて、大抵その気分転換に気がまわる頃は、ちょっと落ち着いてしまっているときですね。なんとなーくあ、こうやってこうしようかなーみたいなのができる頃にならないと、気分転換しようという気にもならないです。無理やり散歩する時はありますけど、大抵はジタバタしています(苦笑)。
きっかけは友達の紹介
★マンガ家になってなかったらバイクの修理工に…あっ趣味がオートバイなんですね。
☆はい。オートバイに乗ったりするのが好きなので、なんかいじくったり改造したりとか。修理したりとかやってみたいですね。
★朝倉さんは確か高校を卒業して専門学校へ行って…。
☆それは東京デザイナー学院っていうところの、工業デザイン科を出たんですけれども、その時は普通の学生さんですね。結局工業デザイナーにはならなかったので、行った意味あんまりなかったんですけれども。
★それはバイクが趣味だったという事もあってですか?
☆それは関係ないです。ぼんやーり最初、就職しようかなと思ってたんですけど、「専門学校ぐらい出ろ」って言われて(苦笑)。就職するつもりで何にも調べてなかったので、専門学校もよく分からなかったんですけど、東デのどっか別の科に行っていた友達に、工業デザイン科に行くとデザインも学べるよって言われて。じゃあ俺もそこ行くわってそういう感じでした。
おもちゃ屋さんの工場とかに勤められたらいいやと思っていたので、あ、じゃあちょっと行ってみるって(笑)行ってみたっていうぐらいです。
まぁそんな感じだったので、ぼんやりと学校卒業したのはいいんですけど、する事決めていなかったので、なんか普通にスーパーとか。パチンコ屋さんとかでずーっとアルバイトを。ちょうどその頃あった筑波万博で、おみやげ物を売ったりとかもしてました。
そんなときに、久しぶりにカメラマンになった専門学校のときの友達を訪ねたら「仕事先の編集部でバイト探してるらしいよ」って言われて。その時ちょうどバイトしてなかったので、じゃあちょっとバイトしに行きますって行ったのが、エロ本の編集部でした。そこで…まぁなんとなくイラストとかは描けたので、こうページの隅っこにちっちゃいカットとかを描いていたら、なんとなーくそのまま仕事になって…っていう。
★じゃあもともとイラストレーターを目指していたというわけではないんですね。
☆はい。そうです。なりゆきです(笑)。
★(苦笑)。でもやっぱり描く事を続けられてきたというのは?
☆画を描いたりするのが好きだったので多分それで続けてきたんじゃないかと思います。その編集部にバイトで入った時も、画を描くのとは別に編集の仕事もしてたんですけど、編集の方には興味を持たずに、イラストの方に興味を持ったっていう感じですかね。まぁだから、なんとなーく、なりゆきとはいえ、一応ちょっとだけ選んでイラストの方に行きました。
幻の「おじいちゃんお酒をどうぞ」
★最初の頃苦労した事はありますか?
☆いやー、何かなー…エロ本の編集部ではイラストだけじゃなくてレイアウトの仕事とかもやったんですが、難しくて1日でほんとに全然できなかったので、あれが1番つらかったですね。マンガじゃないんですけど。逆に確か幸福の毛に載ってた、どっかビデオの撮影に行くとかは面白かったです。
★思い出に残ってる作品はなんですか? のところに「おじいちゃんお酒をどうぞ」とあるんですけどこれは…? 初めて聞いたんですが。
☆もう10何年前に三和出版っていうエロ本を出している会社に、ふんふんっていう9号ぐらいしかでてない雑誌があって、そこで発表した作品です。友達同士で、なんか集ってやろうって言って始めた4コママンガばっかりの雑誌で、とがしやすたかっていう人が責任編集でした。これはもうほんと好き勝手にできたので、楽しかったですねぇ。周りがみんな友達だし、編集長も友達だったので。
でも全然単行本にも何にもなってないです。一応4コマ4ページとかを9回は描いたので、そこそこページ数はあるんですけど、今のところお蔵入りしたままですね。
★かなり貴重な作品のようですけど内容は覚えていますか?
☆小さい女の子が主人公で、その人と、あとそのおじいちゃんと、ちっちゃいパンダのハンダ君っていうペットと、もう1人お姉ちゃんみたいな女の人との4人のファミリー4コマです(笑)。
★読んでみたかったんですけど残念ですね。学生時代の自分に一言というので「もっと勉強しよう」というのは?
☆いや~まぁあのね、最近特になんかもう、もっといろいろ勉強しとけばよかったよかったと思って。もうちょっと本を読んどけばよかったとか。未だにこう仕事してても分からない事だらけだったり、ほんとにこう、がっかりするぐらい勉強とか分かんないので。
★10年後の自分に一言というので「ごめんなさい」といるんですがこれはどういった理由でですか?
☆昔の自分にもっと勉強しようなんて言いいながら、今すでに勉強を満足にやってないので。10年後の自分にそんなこと言うなら、今ちゃんとやっとけよって思われてたらやだなーって思ったから先に謝っておこうって(苦笑)。
昔は格闘技観戦も
★またこの好きな格闘家で「ごみ」…五味隆典選手ですね。五味隆典選手を挙げられた理由は?
☆強かったからですね。強くて速くて…ちょっと怖いですけど、結構好きな選手ですね。修斗の頃に観て、ちょっとその時はかなり怖かったんですけど、やっぱ強かったので、いいなぁ~って思って。
★ベストバウトはやっぱり桜庭対ホイスが印象に残ってるんですか?
☆はいこれはあの会場にいて、もうずぅ~っと、90分興奮しっぱなしでした(笑)。これはすごい思い出に残ってますね。
★他に何か行かれた大会とかは?
☆えーっとねあんまり…これと、ホイラーとかも、確か会場に観に行ったりしてたんですけど、大体その、この大会ってもう2000年とかですよね? その頃に何回か行って…その頃のはちょこちょこ観ましたけど、あとなんだろうなぁ…修斗がどっか、えーと…どこでやったんだっけなぁ…記憶も最近ぼんやりしてきてるんですけど、どっかでやった(笑)。
他にデビロックとかが主催してたりした大会とか行ったりして面白かったですよ。この頃は。編集さんとかと仕事でタダで入れてもらったりとかもしていたので。インタビュールームとかにも、全っ然関係ないのに入ってったりとかして、いろんな選手を近くで見たりできたので楽しかったです。
マンガの描き方教えてください
★すごいうらやましい体験をされたんですね。また話は跳びますが成長したなぁと思うときはどんな時ですか? 「ない」と書かれてますが。
☆いやーないですよ。もう…仕事をしていても、もうちょっとその…面白いマンガとかを自分で組み立てて出来たらいいなと思うんですけど、毎回自分で面白いってどんなだったっけって、ものすごい悩むことばっかりで。全然仕事の内容だけとってみても、ちっとも上達して無いというか、毎回…わけわかんなくなるし。そんなところとかですね。早起きできないとか(苦笑)。夜はいつまでもだらだらしているとか。締め切りを守らないとか(笑)。
★(苦笑)。締め切りを守らない事とかあるんですか? 大丈夫ですか?
☆えぇ。そうですね。締め切りを守らない事はよくありますけど…でも落とすほどではないので、多分大丈夫です。
★尊敬する人が「時間に正確な人」というのはそこに繋がっていくんですね。
☆はい。時間に正確な人とか、あとはその、自分のやることが分かっている人とか、自分のやりたいことがハッキリしている人とか、その目標に向かってちゃんとこう、組み立てて行動をちゃんとその通りにできる人は尊敬します。
★上手く作品を作れた時にご褒美とかは特にないんですね。
☆ないです。上手くできた時はすごいうれしい気分に浸るぐらいで、いやー今回は上手くできたなぁ~ってしんみりしたりしますけど、それで褒美は特にないですかねぇ。
★マンガを描いててよかったと思うことは描…?
☆あ、それは描いててよかったというか、まぁ描いてるときが楽しいので。マンガ家になってよかったなぁ~っていうのは描いてるときに…ちょっと漠然としていますけれども…あぁやっててよかったなぁ~って(笑)。
自分にキャッチフレーズをつけるとしたら「バカ」っていうのは…これはどういったところから?
☆まぁ、頭が悪いので、バカと(笑)。
★そのわりにはなんか独特の作品の作り方の印象から頭がよさそうなイメージがあるんですけど。
☆それは、頭のいい人がいろいろと深読みをしてくれるからですよ。頭の悪い人っていうのは、自分の気持ちも整理できずに、ぼんやりと漠然としたものしか表に表現できないので。そうすると頭のいい人が深読みをして、ここを描かないのはこういった意図があるに違いないとか、ここは描いてないけど、多分こんな事があるはずだ。みたいなものを汲み取ってくれたりして。それはそれでその、マンガの楽しみ方として多分僕はアリじゃないかと思っているので、僕の作品を自由に楽しんでもらうという意味ではすごいありがたいです。
★独特の空気感は朝倉さんの人柄から出てる気がすごくしますね。でもなんとなくでも続けてきて、それでもやっぱりここまで来れたっていうのは何か理由があるんでしょうか?
☆あー、僕ね多分運がいいんです。載終わると次の連載の仕事に誘ってもらったりとか、暇にしていると声をかけてもらったりとか…そういう運だけはいいので、多分やってこれたんですよ。
★マンガ家を目指す人にアドバイスをお願いしますというところでは「ぼくがほしいくらい」と書かれていましたが、では逆にどういったアドバイスが欲しいですか?
☆いや、どういったというかもう、マンガの描き方から、全て(笑)。毎っ回迷って、これこれで良かったのかな~とか、これでいいのかな~って思いながらやっていて、ほんっとに分かんないので、アドバイスのしようもないです(苦笑)。目指している方は楽しいですよ。マンガ家は。というぐらいですかね。全部妄想でできるので。普通1日中妄想してたら多分、仕事をしている人とか一般人の人とかは仕事にならないし、生活もできないような気がするんですけど、1日中妄想とか、くだらない事とかを考え続けていられるので、それでご飯が食べられる。というところは楽しいです(笑)。
★アイデアが出る時間はどのくらいですか?
☆それはバラバラです。もうほんと5分10分とか例えば今喋ってる間でも、パッと出てくる時もあれば、全く何日もそれについてもう、何っにも思い浮かばない時もありますから。できればそれを何とかコントロールしたいんですけど、未だにコントロールできないですね。
★普段からアイデア出しのために考えているんですか?
☆そんなことないです。やっぱり仕事とか、締め切りがあるときとかの方が考えますね。次のあれどうしようかなーとか。次あれ来るなーとか。そろそろ締め切りだなーとか。
★やっぱ締め切りがあると…。
☆はい。そうですね。締め切りがあった方が考えますね。無いとあまり考えないですけど。でもまぁ、たまにはぼーっとしてるときとかに、ポッと出てきたりしますから、いろいろです。
紅葉が気になって仕事どころじゃない
★最近気になる事には「紅葉」とありますけど。
☆はい。紅葉が。今紅葉じゃないですか(このインタビューは11月中に行なわれた)? いつ行こうかって迷いながら、早くしないと紅葉終わっちゃう。でも日曜日は混んでそうだからイヤっていう、そういう感じ(笑)。紅葉が気になって気になって。仕事が手につかなくなるくらい(笑)。ものすごい、どうでもいい気になることなんですけど。
★(笑)。そういうのは作品に出てきたりするんですか?
☆そうですね。はい。紅葉に行きたいなーって思って行けないで、マンガの中で紅葉観に行ったりとかして、満足しようとするときはよくありますね。
★やっぱり妄想の世界が。
☆はい。妄想です。
アニメを全部1人で作りたい
★初めて作品が本に載ったときの感想はよく覚えてらっしゃらないようですが何歳のときでしたか?
☆えっとね、24か5ぐらいのときですかね。アクションでやってた山田タコ丸くんっていうやつが1番最初の単行本なんですけど、初めての単行本なんで、ずーっともう作ってる間中感慨深いものがあるんじゃないかとか、できたら俺はどうなっちゃうんだろうって、ものすごいそこで想像してたんですけど、想像し過ぎて、できあがってみたらもう、ひと段落ついてしまっていたので、あ~できた~ってただそれだけでしたね(笑)。
連載をしながら描き下ろしで何かやったりとかしてずーっと作業が多かったし。もうほんとにあの頃は週間連載でバタバタしてて忙しかったので…気が付いたらできてたっていう感じです。
★現在Tシャツやウェブマンガ、動画とかいろんなメディアでやってますけど新しくチャレンジしていきたいものとかはありますか?
☆そうですねぇ…いや、ほんとはもうちょっとマンガを普通に頑張りたいんですけれども、Tシャツ作ったりとか面白そうなものがあるとやってみたくなるんです。今は簡単なアニメーションというのをやってるんですけど、最終的なそのアニメーションにする作業は、別の人がやってくれているので、ほんとアニメが最後までできるようになってみたいですね。パラパラマンガみたいに1枚ずつ描いた絵をつないでるだけなんですけど、それがまだ自分ではできないので、それがきるようになってみたら面白そうだなーっていうのはあります。
★朝倉さんの公式ホームページ(現在は閉鎖)に載せられてるアニメーションは?
☆あれは凸版印刷っていうところがホームページを昔持っていて、その中でもう10年ぐらい前に連載していたものです。アニメは例えば手だけとか、顔だけとか、口だけとかをバラバラに描いたやつを渡して。あとは自分でラフを描いて、こんなふうに動かしてくださいって言ってもうお任せでやったやつなので、自分でやったっていう感じではないです。アイデアと絵は描きましたけど。実際の作業は全然自分ではやってないです。それがだから最後まで自分でできようになると、面白そうだなーっていう感じですね。
★新しい挑戦に期待しています。今日は舞い上がってしまって上手くいかなかったかもしれませんがありがとうございました!
☆ありがとうございました。おつかれさまでした。
