おとうさんといっしょ  

  ◆おとうさんといっしょ   紙を握り締め、勢い良くドアを開け、その勢いのままずかずかと部屋に入ってくる。   「何なんだこれは?」 「あー?」   部屋の中には、未だ大人とは言えない少年が一人、ドライバー片手に、何かを作っている最中。   「これだ!」   渡された紙を一瞥して、苦笑を浮かべる。   「書いてあるまんまだぜ?」   青年の顔を恨めしげに見ているのは、青年の父親。 名前をシドルファス・デム・ブナンザ、通称シドと呼ばれ、アルケイディア帝国にある研究所の所長。 いわゆる偉いし、賢い、お父さん。   「ファムラ〜ン」 「いい大人が、そんな声を出すなよな」   呆れた表情を隠しもせずに、無視をきめこもうと意識を手元に集中する。   「だって、ファムラン頭良いじゃないか〜」   あまりの情けない声と内容に、手元が狂い、ドライバーがねじ山をつぶした。   「はーーーーーーー、あのなぁ、おやじ、冷静になれよ。  オレは、機械を扱う事には長けてると思うけどな、理論なんかは好きじゃないし、考えようとも思ってない」   シドの持っていた紙は、進路希望調査表。 父親の希望を知っていた学校の先生が、このまま進めていいのか不安に思い、送ってきたという代物。 その紙には、第一希望「帝国軍」、第二希望「軍の整備工」となっていた。   「え〜でも、ファムはやれば出来る子!」 「……おやじ……俺はどっちかって言えば、体育会系だって分かってるだろ?  ったく、面倒言うな」   そう言って顔をあげたファムランが見たものは、口をへの字にして、膨れている、肩書き所長だったはずの偉いおっさんだった。   「だって…だって…ほらぁ〜」   ぶんむくれているおっさんから、もう一つ紙が渡される。 それをチラリと見たファムランは、頭を抱えた。   「いつの話だっ!」   紙にはクレヨンで拙い文字が書かれていた。 『おきくなったら、おとさんといっしょに、けんきゅうする ふぁむらん』   「丁度、10年前の3月だ」   何でそんな細かい事まで覚えているんだと、頭がずきずき痛む。   「一緒に研究〜」   服の袖部分をひっぱりだだをこねられる。しかも父親に。   「しよう〜」   ぶんぶん腕を振り回される。偉い所長さんに。   「おーやーじっ!」 「ファ〜ム〜」 「子供の意見を尊重しろ」 「父親の意見は〜?」   涙目のアップに耐えられなくなったファムランは、がっくりと肩を落とす。   「あ”〜も〜っ!!分かった、俺は軍に行く!」 「分かってな〜い」   涙がポロリ落ちる。   「最後まで聞けっ!  俺の運動神経なら、すぐに偉くなれるだろうから、そうしたら研究でも何でも付き合ってやるっ!」   眼鏡の奥の瞳が、にっこり笑った。   「一年で大丈夫だな」 「え”?!」 「ファムの運動神経なら、一年で偉くなれるな」   ドアップのニコニコ笑顔。 諦めたファムランは、声も無くコクコク頷く。 それを確認してからシドは、ファムランの頭を撫で、それからスキップする勢いで部屋から出て行った。   それは、シドの強引さにカケラも勝てなかった頃の話。 ファムランが家出してバルフレアになる、数年前の事だった。   -End-  

     

  やはり、アルティマニアが必要だな…いつ家出したんだ?いつジャッジになったんだ? 分からないと書けないよf('';)(書いてない可能性大か?) 買って、違ったら直しまふ…orz(直した…結構違うもんだ…orz)   なんかね、ドラクロア研究所の最上階でのセーブ、リドルアナ大灯台最上階一歩手前のセーブ、そして最終ボス前のセーブを続けてプレイし続けたら、もうだめ。本気でだめ。妄想駄々漏れ。 ちょっと、妄想が収まるまで(激しく不安)短編レベルをいくつか出して見ようと…。 また…項目が増えたと呆れないで下され〜m(__;)m^^^ (でもね、カプは出てこないと思う…)  

  06.09.15 未読猫