07.11.15 未読猫「ヴァンとアーシェには内緒な」 口元に人差し指をあて、ウィンクをする。 「あの…フランさんは、いいんですか?」 「いいと言うよりは、あいつには黙っててもバレる。 ヴィエラの鼻は、最高級品なんだよ」 その言い方に、パンネロがくすくす笑う。 「じゃぁ私、足りないアイテム補給してきますから。 バルフレアさんも、叔父様も、頑張って下さいね」 パンネロは、気を利かせてますとニッコリ笑い、ガラリナ市場に走っていった。 「頑張れってよ」 「……君がか?それとも私か?」 「俺は言われなくても、頑張るけどな」 「……私は、どう頑張ればいいのだ?」 真剣に考え始めるバッシュに呆れて、考えるなとばかりに掌を握り歩き出す。 「バルフレア」 返事が無い。 「バルフレア…」 バルフレアの早足に、半ば引きづられるようバッシュは付いていく。 「悪い…俺、全然余裕ないわ」 部屋に入った瞬間バルフレアは、そのままバッシュを壁に押さえつけ噛み付くように唇を塞いだ。 無造作に舌を伸ばし、荒々しく口内を蹂躙する。 伸ばされた舌に自分の舌を絡め、相手の唾液を味わう。 バルフレアは自分の余裕のなさを心の中で苦笑しながら、バッシュは彼を受け入れられる事に安堵しながら、お互いがようやく与えられた熱に浸っていく。 舌を絡ませる度に、相手の舌が自分の口内に触れる度に、背筋にぞくりと欲が走る。下半身に熱が集まる。 相手の欲を捕らえるかのように、舌をきつく吸い吸われる。 「ん…んぁっ……」 濃厚な口付けに夢中になっていたバッシュは、突然胸元から下半身に走る甘い痺れに声を洩らした。 いつの間にかバルフレアの指は、バッシュの服の中に入り込み小さな粒を転がし弄っている。 開放されたバルフレアの舌が、そのまま彼の口から溢れる唾液を舌で辿り喉元を舐め上げる。 首筋にある熱い流れに歯を立て、強く吸いたてる。 その度に、バッシュの口から熱い吐息が漏れる。 放り出された口から舌が覗く。口寂しいと言うかのように、バルフレアの目元に舌を伸ばした。 「んあっ…っ」 バルフレアの膝が、バッシュの股間をこすりあげた。 その間も、彼の指はバッシュの胸を刺激し、舌が首筋を辿っていく。 「バル…フレア…」 「ん?」 足が震えていた。 「あぁ…」 突然、バッシュの視界が、バルフレアの背中だけになった。 「なっ……?!」 「お姫様抱っこをしてやりたいのは、やまやまなんだが……肩で勘弁な」 バルフレアの肩にずっしりとした重量。 無様によろけるのだけは嫌だった彼は、肩にバッシュを担いでいた。 「楽だろ?」 「抱っこぐらいしてやるっ!」 不本意な将軍様は、バルフレアの背中を叩く。別にお姫様抱っこなんて必要ない。というより、恥ずかしいから勘弁して欲しい。だが、この状態も納得できない。 自分で歩けると、バッシュはバルフレアの背中を叩き続ける。 「あんたに抱っこされる訳には、いかないだろ。 せめて、これぐらい見栄を張らせろよ」 肩の荷物をガラス細工のごときに静かにベッドに横たえ、小さく唇を啄ばむ。 「俺に見栄をはってどうする?」 「おVv」 バルフレアが嬉しそうに笑う。 「どうした?」 「いや…なぁ、何でさっきだったんだ?」 ようやく彼本来の口調を自分に向けてくれたことが凄く嬉しかったのだが、それを言って元に戻っては困ると思い、他に聞きたい事で誤魔化す。 「さっき?」 「唐突だっただろ?戦闘前と戦闘後と何が変わった?」 「あぁ、その事…バルフレア?」 「気にすんな。ほら、続きを言えって」 バルフレアの手は、バッシュの衣服にかかり、器用に脱がし始めている。 「気になるのだが……」 「言いたくないのかよ?」 バッシュは彼の手を止めはしないが、じっとその動きを見ている。 「ほら、あんたの顔はこっちだ」 左手でバッシュの顔を自分に向け、右手はジャケットを肩の方へずらす。 「質問に答えないのか?」 「いや……」 自分だけが脱がされていくのが納得いかず、バッシュもバルフレアの服に手を伸ばす。 「面倒な服だな……お前が、戦闘不能になるからだ」 私が俺になった。 君がお前になった。 一番欲しい言葉も貰った。 あまりに嬉しい事が続いて、バルフレアの顔がしまらない。 「前に、いつ好きだと気づいたのか聞いただろう? その頃から、別に強姦されてもいいと思っていたのだが…」 「はぁ?」 バルフレアの手が止まる。 バッシュの手はプチプチとバルフレアのボタンを生真面目に外している。 「キスされるのは心地よかったし、抱きしめられるのは嬉しかった。 だが、俺には、お前の言葉に瞳に返せるものが無かったからな…だから、コツというか、術を聞いたのだが……」 「…なんだそりゃぁ?」 「お前は、俺の本当の言葉が欲しかったのだろう?」 「ま、まぁな…」 「強姦されてもいいという言葉じゃ、意味が無かっただろう?」 「確かにそうだが……」 どうして、そこまで感情が動いていてと、バルフレアの目は細くなる。確かに生真面目なバッシュらしいとは言えるが、その間の自分の心を思いやってくれと言いたい。 否という言葉をいつ言われてもいいように、構えていたちょっと前の自分があまりに可哀相で、バルフレアは情けなくなった。 「見つからないから、手を伸ばせなかった。 そのせいで、店の鏡まで割ってしまったのだぞ」 「あぁ?あの鏡は、あんたの八つ当たりで割れたのか?」 「俺が、見たくないものを映してたからな」 バッシュは、笑いながらしれっと言う。 「見たくないものって何だよ」 「……お前を見てる俺の目が……あまりに普段の俺と変わらなかった……どうしてお前は、あんな目が出来るんだ?」 「はぁ〜?そんなの知るかよ」 バルフレアは頭が痛くて、言われている内容が恥ずかしくて、誤魔化すようにバッシュの服を剥ぎ取っていく。 「こんなに着ていて、暑くはないのか? あ、それからもう戦闘不能には絶対なるな。俺の心臓に凄く悪い。パンネロにも迷惑をかけてしまった。 お前も、後で謝るのだぞ」 「あんたは、謝ったんだな?」 「当然だ」 お互い、相手に脱がせやすいよう、体を動かしながら話している。 「分かったよ。パンネロには、謝っておく。 だが、戦闘不能になるなって言われてもなぁ…もう少し待てよ。流石に昨日の今日であの剣に慣れろってのは無茶だ」 「早くしろ。前も、あんなに早く刀に慣れただろう?」 「善処するって言ってんだろ。ったく、早くねーよ。どんだけ俺が苦労してると思ってるんだ」 「そんなっ……んんっ!!」 色気とかムードとかから、どんどんかけ離れていく会話を中断すべく、バルフレアはバッシュの言葉ごと、己の口の中に収めた。 裸の男同士が膝立ちのまま、キスをしている。そんな光景の無様さよりも、お互いの唇の熱さと、素肌からもたらされる熱に酔いしれた。 何度も唇を合わし…何度も舌を絡め…何度も少し離れては相手の顔を見て、また口付ける。 お互いの瞳の中の欲望を見て、一層熱をあげる。 口の中で湿った音があがる。 その厭らしい音に更に煽られる。 バッシュの腿が震えている。 それでもバルフレアは、口付けを止めない。ねっとりとバッシュの舌の表面を舐める。 バルフレアが舌を絡めた時、ちゅっと小さい音をたて、バッシュの舌が口から逃げ、ガクンと体が落ちた。 真っ赤になった顔、濡れた唇、顎を伝う涎、そして蕩けた視線がバルフレアを見上げている。熱が体を駆け巡る。バルフレアはそのままバッシュを押し倒し、逃げてしまった舌を少しだけ口に含んだ後、首筋に顔を埋めた。「悪ぃバッシュ……抑えられそうにない…」と、耳元で囁く。 バッシュの体がピクンと揺れた。相手の反応の全てが熱に換算される。 手に入った…… 絶対手に入らないと思っていた極上のお宝。 それが現実だと未だ信じられなくて、五感全てがバッシュに向かっていく。 手の中にあると、目の前にあると、それを実感したくて、彼の全てをさらけ出そうとバルフレアは動き出した。 手を伸ばしてもいい…… バッシュは、与えられる心地よさに目を霞ませながらも、バルフレアに手を伸ばす。 彼がバッシュに手を伸ばすように、自分も彼の熱を一方的に受けるのではなく、自分も感じたかった。 体が跳ねる事も、口から想像外の声が洩れる事も、驚きはしたがどうでも良かった。 ただ、自分の掌がバルフレアに触れていたくて、ずっと伸ばしていた。 「あ、あっ……っつ…ば、バルフレアっ!」 「ん?」 「そ、それは……」 真っ赤な顔をしたバッシュは、困ったように自身を咥えているバルフレアを見た。 「気にすんな」 「い、いや……あの…だな…」 「したいんだから、させろよ」 「や、それは…いい…のだが……」 バッシュは、それ以上言葉にする事が出来ずに、体を起こし上半身を起こしたバルフレアの肩口に頭を乗せる。 「手が届かない…」 「は?」 「この姿勢で居ていいか?」 バッシュの手が、バルフレアの背中を触っている。 「俺を触りたい?」 コクコクと、バルフレアの肩口にある頭が揺れる。 「そりゃぁ……ぐっとくるな」 バルフレアらしくない妙に真面目な声でぼそっと呟き、バッシュの顔を両手で目の前に持って覗き込む。 「言葉で言えよ」 「む、無理だっ」 真っ赤な顔。顔が逃げようとしているのに、掌はバルフレアの背中を抱いたまま。 バルフレアはクスリと笑って座り、バッシュを膝の上に乗せた。 二人の欲望が触れる。バルフレアは目を細め、バッシュは息を呑んだ。 「片手はこっちな」 「っ〜〜〜」 「これなら、思う存分触れるだろ?」 「バルフレア……」 酷く困っている声。恨めしそうに見上げてくる。 その耳元に「最初は一緒に気持ちよくなろうな」と、厭らしい言葉と声。そして、続く快楽。 「くっ……ん………」 バッシュの手を包むバルフレアの掌が二人分の欲を擦り上げる。 バルフレアは、バッシュの手を握りながら、空いた手で脱ぎ捨てた服を探り、小さな瓶を取り出した。 「な……に……?」 バルフレアは口で蓋を外す。 「こういうもん」 集まった熱にヒンヤリとした液体がかかる。 「滑りやすいだろ?」 「用意…して?」 「途中のアイテム屋でな」 バルフレアの両手をべたべたにした後、瓶は横に置かれる。 「ここに、必要だろ?」 「…ぁ………く…ぅ……」 膝の上に乗せられ、無防備になっていた蕾に、冷たいねっとりとした指が這う。 嫌だと逃げようとする体に、再び与えられる熱。 バルフレアの唇が、バッシュの手に添えられた掌が、逃げる事を忘れさせるように動き始めた。 ぐちゅぐちゅと湿った音が絶え間なく響く。 捕まえられた手は逃げられない。バッシュは空いた手でバルフレアの首を抱き、甘い息を彼の胸に散らした。 容赦無い掌は、二つの熱をかきあげる。 バッシュは熱に浮かされたように吐息を吐き続け、バルフレアは機械の機嫌を伺うかのように、丁寧に繊細な動きで自分を受け入れる場所を広げていっていた。 「…んんっ……」 「辛いか?」 返事は返ってこない。ただ、首にまわった腕が必死にしがみついてくる。 「もう少し我慢な」 こめかみにキスを落とし、直接的な快楽を生む手の動きを早めた。 「はっ……あ………」 「あんたの顔が見たいな」 掠れた声に、のろのろとバッシュの顔があがる。 バルフレアは、バッシュの蕩けた顔だけでいきそうになった体を、無理やり腹筋で抑えた。 目の前にあるのは、想像外の表情。快楽に溶けた姿は普段とはあまりにも掛け離れていて、無意識のうちに唾を飲み込んでいた。 「あんた……すっげーそそる」 「お…前も…な…」 バッシュは、滲む視界でバルフレアを見ていた。 欲しいという欲望をはらんだ瞳が、自分を見ている。その雄特有の色を含んだ視線に煽られ、それが熱を生む。 ゾクリと背中を這うものが気持ちよすぎて、また吐息が洩れた。 「も……っ…」 切羽詰ったバッシュの声に、分かったと手の動きを早め、後ろに回していた手を、だらだらと雫を零す先に添える。 強く擦り上げ、先端を乱暴に転がした。 「はっ…あ、あ、……んっ……っ」 「くっ………」 重なった二人分の手に、二人分の熱が飛び散った。 ずっと、バッシュは乞うていた。 意識は快楽を貪る事と、熱を放出したいと願う事しか出来ない。 バルフレアの髪の毛を弄っていた手は、シーツの上を彷徨い、固く握り締められている。 腰の下に枕を入れられ膝を立て全てを晒した姿に激しく抵抗していた羞恥心も、既にどこかに行ってしまった。 最初にあった違和感など、もうどこにもない。 探り出された激しい快楽の源に、掠めるよう意地悪に触れてくる指。決して直接触ってはくれない。それに、強請るように揺れる腰。洩れる声。 自分自身は既に腹につくぐらい反り返り、ぼたぼたと意地汚く涎をたらし続けている。 「バ………ァ………ぉ願い……あぁっ…か……っらぁ………」 もう何度目かの乞い。 だが、叶えられない。 下半身は、熱の塊になったように熱くて、飴のようにどろどろに溶けているような錯覚に陥いる。 自分の中に居る指は、もう何本なのかさえも分からない。 ただ、声が出る度に、その形が分かるぐらいに締め付けてしまい、それがまた声をあげさせる。 「…もう………もっ………いい…か………あ、あ、あ、あぁっ!」 ようやく、指が引き抜かれた。その動きさえも、甘い痺れを齎す。 しかし、決定的な快楽を与えられないままの体が、腰を揺らし、物欲しげに蕾をひくつかせるのも、バルフレアの喉が鳴ったのも、バッシュは知らない。 ただ、早くバルフレアが欲しくて、両手を伸ばし彼を抱きしめた。 バルフレアは、目の前にきた腕にキスを落とす。 「力を抜けよ」 鼻の頭にキス。 「息は吐いてな」 頬は塩味。 「あんたが欲しいんだ…」 掠れた声が、みっともない。苦笑が浮かぶ。 「…俺は…ここに…居る…だろう」 「あぁ、夢とか言うなよ」 「馬鹿…者」 「あぁ、そうだな…」 バルフレアは、爆発しそうな本能を必死になって宥め、瓶の残りを自身に降り掛ける。 どうやっても最初は痛い思いをさせてしまうと聞いた。それならばと、ともすれば暴走しそうな心を必死で抑え、痛みを少しでも感じないようにと執拗に解した。 そこが、赤く染まって自分を誘う。自分の熱を押し付けた。 湿った音をたて、ずるりと先が飲み込まれる。だが、想像以上にそこは強く締め付けてくる。 痛みは一瞬にしたい。だから、そのままねじ奥までねじ込んだ。 「ぐっ……っ……」 「バッシュ…」 強い快楽ときつさに持っていかれそうになるのを辛うじて抑え、口の端をあげる。 「バル…フレア…」 ぼやける視界の中、額に汗を浮かべているバルフレアを見て小さく笑う。 「大丈夫か?」 涙と涎でどろどろになった顔にキスをする。 「俺が、おかしくなりそうだった……あんた、色っぽすぎ」 バッシュは、口の中で笑う。それが、バルフレアのものを殊更締め付ける。 「っ…………動くぞ」 あまりに長い前戯は、熱を許容範囲以上に溜め、その過ぎた熱は導火線は短くする。 経験したことないような快楽がバッシュの体中を走り、バルフレアの背中に赤い線を作り、真っ白な視界を齎した。 「くぅっ…で………あ、あ、ああぁっ!!」 バッシュの足の指が曲がり、背が反り返る。 「くそっ……締りすぎっ……」 バッシュの中の熱に、自身を食いちぎりそうなぐらいの締め付けに、快楽に歪む顔に、しがみついてくる腕に、背中に立てられた爪に、彼の全てに体が持っていかれそうになる。 それを、唇を噛んでやり過ごす。 手に入れた宝の全てをもっと見たくて、隠れた全てを晒したくて、バルフレアはいったばかりの体を、そのまま攻め立てた。 バッシュの口からは、止むことの無い嬌声が漏れ続ける。 白濁に塗れた雄は、再び立ち上がり、ぼたぼたと厭らしい蜜を垂らしている。 「バッシュ……」 耳元にキスをする。 「…バッシュ」 バッシュの手が、バルフレアの顔を引き寄せる。 「─────……」 「今……それを言うかっ!」 バルフレアは、忌々しげに、だが顔を赤くして、もう何も言わせないとばかりに強く腰を打ちつけ最後の快楽を貪った。 「ん?」 「起きたか?」 暖かいお湯とバルフレアに包まれていた。 「え?」 「あのまんまじゃ寝れないだろ?」 目の前には、何の汚れも浮いていない綺麗なお湯。 「俺は…どれぐらい?」 「俺が、あんたを洗い終わるぐらいだな」 バルフレアの目の前にある耳が真っ赤に染まる。 「ど、どうして俺が起きるまで、待ってくれなかった」 風呂場のやけに明るい照明。 抱き合った場所は、真っ暗ではなかったが、ここまであからさまな光は無かった。 「あんたが、卑怯な事を言うからだ」 一瞬言葉の意味が分からなかったが、バルフレアの最後の言葉を思い出し気づく。 バッシュは、バルフレアの肩口に頭を乗せた。 「言いたかったのだから、仕方が無いだろう?」 「男が、どういう言葉で煽られるか知ってるだろうがっ」 「あぁ……………あ、だから、あの後動きが早くなったのか」 一瞬バルフレアは、バッシュをこのまま湯船に沈めようかと思った。 かなり真剣に思った。 「お前は、言ってくれないのか?」 そう思っている相手は、いけしゃぁしゃぁとこんな言葉を続けてくる。 「バルフレア?」 振り向き、顔を覗き込んでくる。 バルフレアは、忌々しいとばかりに舌打ちをした。 こんなのも卑怯だと心の中で怒鳴る。 三十過ぎのおっさんを見て、可愛いと思ってしまう自分が腹立たしい。自分の目は、絶対医者にかかる必要があると思う。いや、映った映像を処理する頭がいかれたんだと気づいた。自分の頭に修復不可能のレッテルを貼る。自分の機工士の腕ではどうにもならない。 彼の耳元に口を寄せる。 「俺は、あんたにいかれてる……」 彼の肩口に頭を乗せる。 「……─────」 バルフレアは、バッシュが何かを言う前に彼の唇に自分の唇を重ねた。 -continue・・・-