どういうめぐり合わせかしらねぇが、気が付いたらむさ苦しい緑腹巻を素敵レディと同じ視線で見ている自分に気づいちまった。 それが、何とあのゾロもそうだったって言うから世の中ぁ分からねぇよなぁ。 お互い珍しく喧嘩をする事も無く、夜のキッチンでのんびり酒を酌み交わしていて、オレは酔った勢いで、マリモ野郎は酒の勢いを借りて、同時に告白なんちゅー柄にも無い事をした………した………したんだけどよ………   それも愛の一つってやつ   「てめぇ、やり方知ってんのかよ」   咥えていた煙草をギリッと噛み締めながら、ドスの効いた声を出す。伊達に男ばかりのレストランに居た訳じゃねーんだぜと、煙草を揺らして威嚇する。   「けっ!そんなもん女と一緒だろうが」   それでなくても悪い目つきを一層険悪にしてゾロが俺を睨む。   「やった後の俺ァ、間違いなく血みどろのスプラッター死体決定だな。  あきらめやがれっ!」 「あきらめられるかっ!」   俺達は、額をくっつけ睨み合う。 そんな状況の中、俺の頭ん中は高速回転していた。自分のバージン死守の為、当然だろ? そして、オレは一つの賭けに出る事にした。   「仕方ねぇ…とりあえず、今日はてめぇが諦めろ。  俺ぁ、明日もてめぇらに食いもんを作らなきゃいけねぇんだ」   ゾロが何か言おうとするのを無理やり言葉を続けて黙らせる。   「体でやり方覚えろ。  てめぇがしっかり覚えたら、考えてやる!」   ビシッとゾロに指を突きつける。 一瞬反論しようと口を開きかけたゾロだったが、オレ作素敵料理に負けたかシブシブと一回頷いた。 よしっ!ここまでは勝ったぜ。 後はこの十九年間に磨かれたテクニック全て駆使してやる。 ゾロッ!落ちちまえっ!       啄ばむような口付けから、徐々に深く唇を重ねていく。 お互いが主導権を握ろうと、荒々しいまでの口付け。痺れるほどに相手の舌を吸い上げ、舌を絡ませる。 レディに対してこんな口付けはした事はなかったが、相手はゾロである。 この期に及んでまで主導権を握ろうとしてくる相手に、情けなんかいらねーとばかりに、息もつけぬほどの口付けをする。   どちらの唾液とも付かぬものが、ゾロの口の端から流れていく。 こんな色っぺぇ姿で、どうやって俺につっこむってんだ?   「……は……ふ……」   口から漏れる小さな息使いに、心の中でガッツポーズ。これでもう一勝と唇をほんの少し離して、流れていた唾液を舐めあげる。   「…っ」   見上げてくる視線は、悔しそうに眇められているが、少し潤んでいる瞳じゃ、海賊狩りも可愛いレディと同じで(そんな風に見える俺の頭がいかれてるって事は分かってる)自然と緩んだ口元がゾロの耳の側で小さく囁く。   「ゾロ…てめぇが、好きだ」   小さく震える体に笑みを浮かべ、いやらしく聞こえるように、ピチャピチャと音を立てながら耳朶を舐め、背中に掌を這わす。 綺麗に付いた筋肉がオレの指を押し返してくる感触が気持ち良い。 首筋に口付けると、小さな声にならない声があがる。 それに気を良くして、吐息まじりのキスを首筋にいっぱい送る。 オレの指は手の届く限り、ゾロを余すところなく這っていき、反応のある場所をしつこく撫で回した。   「ここか?」   胸の小さな突起に爪が触れた時、小さな声と共に体が跳ねる。答えは返ってこないが、うっすら色づいた頬といつもとは違う何かを耐えるような表情に、より一層口元があがった。   「確かにてめぇの言うとおり…レディと同じだな」   ぎゅっと結ばれた口元に小さくキスを落としてから、小さな突起に舌を這わした。   「んっ…ぁ……」   自分の艶のある声に慌てたゾロが、急いで口元に両手を持っていく。 まぁ、口を押さえてられるのも今のうちだと放って、うっすらと赤く色づいてきた突起を執拗に舌で転がす。 目の端では、未だ何一つ弄っていないもう一つの突起が、弄ってくれとばかりに尖ってきていた。   「なぁ、こっちも舐めた方がいいよな?」   爪の先で少しつつくと、切ない声があがる。にやける顔を止められねぇ。顔を隠すようにもう一つの突起を口に含み、既に立ち上がっているゾロの雄に手を這わした。   「んんっ…ぁ……」   クチュと手元から音がする。先走りの雫がだらだら流れている。   「これじゃぁ辛ぇよなぁ」   未だ真っ赤になった突起を舌で転がしながら、ゾロの雄をしごきあげた。   「クソてめぇ、先にいっときやがれ」 「なっ?!…っっぁっ!!」   さすがに同じもん持っているから、どうすれば良いかなんて自明の理。 ゾロの腰が俺の手にあわせて揺れ始める。 裏筋をなで上げ、先端に少し爪を立てて引っ掻いたりしながらも、少し強く擦り揚げた。   「うわっ…で……ぁ…」 「出しちまいな」   きつく目を閉じ、体を震わせ、俺の掌に精を吐き出す。 掌から溢れたものを舌で受け止めた時、自然と口元が綻んだ。   「溜まってんなぁ」 「くっ…ぅっせぇ………」   憎まれ口きかされても、目の前の色っぽい姿に頭がいかれそうで…あれか?魔獣って、海賊狩って、目つきの悪いクソマリモって………もの凄ぇ色っぺぇ? 潤んだ瞳に、上気した頬、寄せられた眉、筋肉が付いている立派な男の身体なのになぁ〜俺の頭はわいてる…間違いねぇ。 クラクラする頭を少し振って、相手に余裕を与えさせる前にゾロの雄を咥えた。   「っっつ!…サ…ぁ…」   放ったばかりの雄は、口の中でピクピク蠢く。舌で舐めあげると、ゾロの体がぶれた。 クソ楽しいなぁ〜と心ん中で思いながら、ゾロの後ろに這わした掌で白濁した精を塗りつける。 ツプリと人差し指がゾロの中に入り込んだ。   「サ…っン…」 「てめぇはレディじゃねぇから、濡れねぇだろ?」 「ばっ…咥え…な…ら…はな…んんっ…ぁ……」   ゾロは、愉悦と不快感とが織り交ざった複雑な表情を浮かべる。 やっぱ不快なんだろうなぁ〜そりゃぁ出す所だし、逆流してるようなもんだし、かといって入れる所ってここしかねぇもんなぁ。 とりあえず、不愉快止まりにしてやりてぇ。痛い思いだけはさせたくねぇし。まぁもっと酷ぇ事する予定ではあるけどよ。   んでどこだ?   ズルズルと音を立てながらゾロの雄をなめあげ、既に二本になった指がゾロの中をかき回す。   「くっぁ・んんっ……サ……い…や…うわぁっ?!……」   突然ゾロの体が跳ね上がって、一段と高い声が倉庫の中に響く。 途切れ途切れの言葉を一切無視して、指を三本に増やす。 めちゃめちゃ楽しいVv 一種の不快感まで行きかねない、強すぎる快感だと聞いていたが、声を抑える事も、言葉も綴る事も出来ずに、肢体を揺らすゾロに、喉がゴクリと音を立てる。 もう口には何も咥えていない。 それでも、ゾロの雄はダラダラとにごった雫が垂れてくる。 やべぇ……これから根性勝負だってのに…俺ぁ大丈夫か? 目の毒だとばかりにゾロの体から視線を外す。 たかだか視線を逸らすだけの事が、めちゃめちゃ大変なんですけどぉ〜バージン死守バージン死守と頭ん中で唱えながら、指をゆっくりゾロの中から抜いた。   「入れんぞ」   ゾロからの返事は無く、小さく頷いたのを確認してから、ゾロをうつ伏せにして尻を抱え込む。 あんな色っぺぇ顔見てたら、この先自分がヤバイ。   「力抜けよ」   一瞬逃げようとする体を腕で押さえ込み、ゾロの中に入った。   「くっ…」 「っっつ…少し…息を吐け…」   慣れない体は拒もうとして、強く俺を締め付けた。そのあまりの強さに自分の息が切れ切れになる。 ゾロの耳元で息を吐けと言いながら耳朶に沿って舌を這わせ、ぐちょぐちょになっているゾロの雄を音を立てて擦り揚げた。   「…っ…んっ…ふぁっ…」   少し力が抜けた所で、一気に自分の体を推し進める。 男の体ってのは初体験だけど、こっちに転んじまうヤツの気持ちが分かる気がした。 自分に絡み付いてくる柔らかさと、締め付ける力に意識が持っていかれそうになる。 再び頭ん中で、バージン死守バージン死守と5回も唱えるはめになった。   「……っつ……んぁ……」 「痛ぇか?」   ゾロの頭が横に振られる。 ゆるゆると腰を動かす。見つけた前立腺は外さない。 そこを通るたびに、小さい甘い声があがる。 まだ不快かもしれないけど、とりあえずは快感を拾っている様子に俺は胸をなでおろす。 18年間の俺の勉強成果?が無駄にならなくてよかったと、走馬灯のようによぎるレディ達に心の中で両手を合わせた。ついでに、俺に余計な事じゃなくなった…男の扱い方を教えた、バラティエの連中にも一応両手を合わせる。   未だゆるゆるとしか動かない俺に焦れた様に、ゾロが腰を振ってきた。 その動きに逆らうかのように、未だゆるゆると腰を振るう。   「くっ…ってめ…」 「どうした?」   そんな艶っぽい声出すんじゃねぇよっ!危ねぇじゃねぇかっ! 俺ぁ枯れたじじぃじゃねぇんだっ!   「っ…ち…んたら…やってんじゃ…ねぇっ…」   とりあえず気持ち良いと…、なら前は放っていいな。 ゾロの雄を擦り揚げていた手の動きを止め、腰を激しく動かし始めた。   「これ…で…いいか?」   あまりに気持ちよくて、射精(で)そうになるのを歯を食いしばって耐えた。 ゾロからは甘い声がとめどなく溢れてくるが、それでも後ろだけではイケないらしく、ゾロの手が下半身に伸びる。 その手を途中で捕まえた。   「だ〜めだゾロ」   耳元で囁いた俺の声に、ゾロの体がはねた。   「なぁゾロ、自分でヤるより、オレの手の方がいいだろ?」   再びゆるゆる腰を動かしながら、組み敷いたゾロを伺う。   「もっと気持ちよくなりたかねぇ?」 「……サ……ンジ?」   焦らすように、前立腺の近くをゆるゆると動く。   「なぁ…オレと約束しようぜ」 「…な…ぁ…っ…に……」   焦れたように、ゾロの腰がオレに押し付けるように動く。 色んなものが出そうになった。鼻血とか鼻血とか鼻血とか精液とか……お前は、大剣豪になんだろ?そんなに色っぽくてなれんのかよ?と、どうでもいい事を心配しそうになって、それどころじゃ無い事を思い出す。 再び、バージン死守バージン死守と10回速攻で唱えた。   「いきたかったら、これからお前がずっとオレに組み敷かれる側で良いって約束な」 「っつ?!」   振り向いて睨みつけて…いるつもりか?……お前なぁ……煽っているぜ…それ。 その顔鏡で見てみろって、オレはその顔で今スグイケル、ジュッカイハイケル!……やばい……俺ぁいくつバージン死守を唱えたらいいんだ?   「ほら、腰振るぐれぇなら約束しろって」 「…つ……く…そっ……分かった…から…さっさ…と…やり…やが…れっ!」   ギリギリと歯の奥から音が漏れる。 うんうん、納得がいかねぇってんだな。分かるぜ〜、俺ならマジで切れるって。 でもここは譲歩出来ねぇんだ。悪ぃなゾロ。   「約束だな?」 「…………そうだっ!」   やったと思うよりも先に我慢大会は終わったっ!と心の中で叫んでしまった。 いけねぇいけねぇ、ゾロの雄を再び擦り揚げる。そして、一番声が上がる場所を擦り揚げるように腰を打ち付ける。 再び部屋の中はゾロの鳴声でいっぱいになった。   「……あぁ…で……んうぁ……で…るっ……」 「くっ…ぁ…俺も…」   我慢大会を終了させた俺達は、あっけなく吐き出した。 ぐったりとうつ伏せているゾロの体を自分に抱え込む。   瞳を閉じた端正な顔が浅い呼吸を俺の体に返してくる。 頬を軽く叩いてみた…目を開ける様子一切無し。   ……もう寝てなさる? そんなに激しいもんだったか? あぁ確かにお前は、寝腐れマリモだったな……やってる最中あれだけ色っぺぇのに、使用後はこれか?ぐーすか寝こけてるマリモ…色気のカケラも…無くもねぇか。 ゾロの頭を撫でる。 結構可愛いじゃねぇか。 俺は、マリモを撫でながら暫くの間笑っていた。                 ◇◆◇                 「おら!野郎ども食いやがれっ!  ナミさ〜ん、ビビちゃぁ〜ん、どおぞ〜Vv」   あいも変わらない朝食の光景。 ゾロは欠伸をしながら、昨日の事なぞカケラも出さずに、もぐもぐ食べている。 俺の口元が自然ニンマリと笑みの形になった。   「さサンジさん、何か良い事でもありましたか?」 「ん〜?ビビちゃん聞いてくれる?」   相変わらず可愛い顔のビビちゃんがニッコリと笑って頷く。 なんか額に汗かいて見える気がするのはとりあえず無視。 そんなビビちゃんも可愛いなぁ〜Vv…ってそうじゃねぇ。   「昨日、晴れてゾロと一夜を過ごしたんだぁ〜Vv  しかもビビちゃん、約束付きだぜ。  これからも、ずっと俺に組み敷かれてくれるってVv」   キッチンから一瞬音が無くなり、続いてゾロが味噌汁を噴出した。   「てめっ!きったねぇだろうがっ!もったいねぇ事するんじゃねぇっ!」   ゾロに台布巾を投げつける。   「そそそそれは、良かったですねー…」   引きつった笑みのビビちゃん。 横に居る船長は、良かったな〜サンジとニパッと笑った後、再び食事に集中。 チョッパーとウソップは、未だガボーンと口を開けたまま硬直していた。 全員想像通りの反応。   「だろぉ?ビビちゃん。  なんつったって、約束マニアの大剣豪予定様の約束だぜぇ〜間違いねぇよなぁ〜Vv」   恨めしそうな視線を背後に感じるが、全面的に無視。 愛情は、身の安全を確保してからが大前提。 昨日の約束を反故されるのだけは洒落にならねぇ。 まぁ約束マニアだから、大丈夫とは思っているが、それでもしっかりとした自覚を持ってもらわねぇと、抱くだびに喧嘩になるのは勘弁して欲しい。   「サンジくん…」   今まで俯いていて表情の見えなかったナミさんが、ニンマリ笑って俺を見上げる。   「なんだい?ナミさん」 「もしゾロが、駄々こねるようだったら、私に言ってくれる?」   そんな腹に一物ありますげな表情のナミさんも素敵だぁ〜Vv   「その度に、借金倍増してあ・げ・る。  やっぱり約束は守らないといけないわよねぇ〜ゾロぉ〜」 「あぁ〜ナミすわぁんVvさすがナミさんだぁ〜分かってらっしゃるぅ〜Vv」   ガタンと音を立てて、ゾロが立ち上がる。 俺は音も立てずに、キッチンの扉に移動してゾロを捕まえた。   ちゅ   可愛い音がゾロと俺の唇から出た。   「こ…このアホコックっ!」   いつもなら喧嘩が始まる5秒前の勢い、だが俺はゾロだけに見えるよう嬉しそうに笑ってやる。   「っつ!……鍛錬してくる………いつもの飲み物…」   そうボソッと呟いてガスガス出て行くゾロの背中に、任せておけと声をかける。 俺の目は、しっかりゾロの赤くなっている耳をチェックしていた。   「確信犯ね」   ナミさんのクスクス笑う声が聞こえる。 そりゃぁ〜俺はラブコックですからと答えたら、つまらないのと言われた。     なぁゾロ…もうお前の逃げ場はねぇぞ……     漸く手に入れた大切な恋人に、心の中で声をかけた。     【End】  




 

  既にサンゾロのシリーズっぽいもの?を書いてますが、あっちはへたれなんで、こんな生活にたどり着くのはいつやら……f('';) いけいけごぉごぉ〜なサンジくんが書きたくて、書いたブツ。 うんうん、こっちの方が書くの楽だわf(^-^;) でもね…へたれのサンジくんも好きなんだよぉ〜orz愛がいっぱいすぎ……   ということで、エロでしたm(__;)m   ところで、ゾロってやっぱ頬を赤くしたりするんですかね?<受けとしては当然だよね?   未読猫【05.07.23】