「あ!ハヤテのにぃちゃんめぇーけっ!」   突然ナルトの声が飲み屋に響き渡る。ナルトからビシッと指差されたハヤテは、冷静ににっこり笑って、ナルトを見る。   「どうしました?ナルト君。」 「あのさー、教えて欲しいんだってばっ!」   飲み屋のテーブルにぶらさがったナルトはニシシと笑って、声を張り上げた。   「あのねっ。どうしてハヤテにぃちゃんが上なんだ?どうしてゲンマにぃちゃんが下なんだ?どうやって決めたんだってばっ!!」   口に含んでいた酒を吹き出すゲンマ、静まる飲み屋、そこに居る全員の視線が話題の主に集まり、ハヤテは真っ白に固まった。 一番に復帰したのはハヤテ、そして復帰した瞬間ナルトを抱え、ゲンマの腕を引っ張りその場から3人は消えた。   「なぁ、あいつらの支払い分どうするよ。今日は割り勘だっただろ?」   消えた二人と飲んでいたライドウが肘をついて、頬を掻く。   「おじさん。ここまでのお勧請出してくれる?」   ちゃっかりアオバが割り勘計算を始めるのであった。   【上か下か】     ここは、ハヤテの家。連れ去られたナルトとゲンマがちゃぶ台を囲んでお茶を飲んでいる。   「ナルト君、夕飯はもう食べましたか?」 「ううん、でもオレは話が聞きたいんだってばっ!」   突然ゲンマが両手に焼き鳥を出す。   「ほら、食べろ。しっかり食べないと大きくなれないぞ。」 「ゲンマ・・・・それは・・・・。」 「あ?ほらオレ達食べてる途中だっただろ?どうせアオバが取り立てに来るんだ。もってこなきゃ損だろ。」   嬉しそうにナルトが焼き鳥を頬張る。その目の前になぜか小鉢も並べられた。   「?・・・ハヤテのにぃちゃん・・・・これって・・・・。」 「卯の花、きんぴらゴボウ、ひじきの煮物・・・・ごほ・・・・どれも体にいいですから、ちゃんと食べるんですね。」   何だかんだと言って、やっぱりハヤテも忍である。ゲンマと同じく、小鉢までもくすねてきていた。 横でゲンマがあきれ顔でハヤテを見る。   「徴収される金額分は食べないと損ですからね。ごほ・・・どうせアオバの事、きっちり割り勘にするはずですよ。」   にっこりとハヤテがゲンマに笑う。その笑顔を見ただけで、ゲンマは怒る気もうせて、苦笑を浮かべながらも何も言わずにひじきを一口つまむ。 そんなやり取りを見て、ナルトは不思議そうな顔になる。   「どうしました?」   ハヤテがナルトを覗きこむ。   「・・・・ハヤテにぃちゃんは優しいってば。お母さんみたいだ。ゲンマにぃちゃんはお父さんみたいだし・・・・何でハヤテにぃちゃんが上?」   ナルトは、不思議そうに小首を傾げて二人を見る。 ゲンマは、思いっきり戻った話題に苦笑しながらナルトの頭をがしがし撫でて、ぼそっと呟く。   「あのなぁ、ハヤテは脱いでもすごいんだ。」 「ゲンマッ!」   気合いの入った拳固がゲンマの頭を直撃する。 それを見たナルトは口を開けたまま固まってしまった。   「っ〜〜〜!!・・・・な、ハヤテは強いだろ。細くても筋肉で出来てる体はしまっていてカッコいいぞ。」   言ってる言葉はいい・・・・が思いっきり涙目で頭押さえた状態ってのが情けない。   「でも、ゲンマのにぃちゃんもでかくて筋肉いっぱいついてるってばっ。」   すごーくその辺が不思議なんですーという感じで再びナルトが小首を傾げる。   「ナ・・・・ナルト君、どうしてそんな質問が出てきました?」   ハヤテが体の話しはやめろっとばかりに話題を変える。 しかし、ナルトは困ったような顔になって、どう話していいかとウーンとうなって、ぽつりぽつりと話しはじめた。   「・・・・オレってば男なのに・・・・・・・・でも抱きしめられると安心するんだってば・・・・・・・だから・・・・・・嫌じゃなんだけど・・・・・・・。」   ナルトは自分の思ってる事をうまく伝えられなくて髪の毛をがしがしかきむしる。 言いたい事が分かってしまったゲンマは、ナルトを軽くデコピンしてからおいでおいでをした。 ぷくーと頬を膨らませながらナルトがゲンマに近寄った瞬間、ナルトはゲンマの腕の中に居た。   「な・・・・な・・・・なんだってばよっ!!」   じたばた逃げようとするが、相手は特別上忍どんなに暴れようとも全然動じてくれない。ナルトは諦めておとなしくなった。   「なぁ、オレの腕の中は居心地が悪いだろ?」   ナルトがぶんぶん頷く。   「それが答えだ。オレだって、ハヤテ以外の腕の中なんか御免だ。」   ナルトが目を見開いてゲンマを見る。 少し照れているのか頬をポリポリ掻きながら、ナルトと目を合わせず、話を続けるゲンマ。   「オレはな、ハヤテをちゃんと知るまでは、いっぱい女と遊んでたんだよ。  でもなぁ、ハヤテの腕を知ったらもうだめだった。  まさか自分でも下になるとは思わなかったけどな、ハヤテがいいんだよ。ハヤテに抱きしめられるなら、後はどうでもいい。  お前も分かるだろ?」 「うん!わかる!わかるってばよっ!」   答えをみつけたナルトは嬉しそうに頷く。 ハヤテは、そんなナルトの頭をなでながらナルトの目の前にしゃがんだ。   「ナルト君の相手が誰だかしりませんが、その人は、ナルト君が一番大切で一番大事なんだと思いますよ。  ナルト君を安心させてくれるのでしょ?  それは相手が一番大切で、その人が一番幸せであるようにと思って抱いてくれているからですよ。」   ナルトは一瞬きょとんとハヤテを見た後、幸せそうに微笑んだ。 その時、扉を叩く音がして、ハヤテは立ち上がり玄関に向かう。   「ナルトー、帰るぞ。」   玄関からナルトを呼ぶ声がする。ナルトは嬉しそうに立ち上がり、ゲンマに一礼をして玄関に走っていった。   「ナルト、また遊びに来いよ。」   ゲンマはひらひらと手を振りながらナルトの背中に声をかける。振り返ったナルトはニッコリ笑って、頷いた。     「誰が迎えに来たんだ?」 「奈良上忍の息子さん、シカマル君でしたよ。」 「・・・・・シカマルがナルトの上か?」   おいおいっ子供同士で道外していーのかよっ!と自分を思いっきり棚の上に放り投げるゲンマ。   「二人とも幸せそうだった。」   ならいいですよねと、思いっきり心の広いハヤテが微笑む。   「それより、私達の事をナルト君に言ったのはシカマル君でした。・・・・・ニュースソースは教えてくれませんでしたが・・・・・。」   二人とも嫌〜な汗をかいてお互いを見る。   「奈良上忍だな・・・・・。」 「たぶん・・・・・。」 「ったく、あのおっさんはっ!・・・・・・・・ま、いっか、おかげでいい事が聞けた。」   ゲンマが嬉しそうに笑って、ハヤテに近寄り口づけをする。   「オレが一番大切か?」   ハヤテがゲンマの唇を軽く啄ばんで、当然ですと答えゲンマを抱きしめる。   「私の腕が必要ですか?」   ゲンマが無くなったらどうしていいかわからねーとハヤテの背中に腕をまわす。   「では、ずっとこうしていましょう。」 「抱きしめるだけか?」 「貴方が望むのなら私は、何でもしますよ。」   ゲンマの肩に顔を埋め耳元でハヤテが囁く。   「じゃぁ、抱かれてーな。」   少し擦れた低い声がゲンマの口から漏れる。   「そうですね。夜は長いですから・・・・・・いくらでも。」 「お手柔らかに頼む。なにせオレは三十路近い年寄りなんだからな。若者にはついていけねぇよ。」 「大丈夫です。そんな事考えられないようにしますから。」   艶やかにハヤテがゲンマに微笑むが・・・・何か一瞬頭をよぎった事が気になるようで、真剣な面持ちに変えて、ゲンマを覗きこむ。   「・・・・貴方も抱かれるのは抵抗がありますか?」 「相手がお前なら全然。」   あっさり言い切るゲンマ   「・・・・しかし、私は、貴方に比べて若輩者ですし・・・・・。」 「そんな事関係あるのか?  オレが惚れているのは目の前にいるお前なんだがな。」   ゲンマが口の端をあげて、ハヤテを見上げる。   「そうですね。最初にお会いした時から私は、若輩者でしたしね。」 「あの頃は殺気だっていたけどなー。お前随分落ちついたよな。」   いや・・あれはお遊びじゃないですかと明後日の方を見上げるハヤテ。 あれ面白かったのにやめちまうんだもんなーとゲンマ。   「仕方がないですよ。禁止令が出てしまったじゃないですか。」 「お前がぶち切れるからだ。死人を出しちゃまずいだろうよ。」   ある時、思いっきりゲンマを抱きしめ、頬にキスしていた酔っぱらいのライドウに向かい、完璧に切れたハヤテが三日月の舞の為の印を切っていた。 宴会に出ていた特別上忍達全員がハヤテをおさえ、事なきえたが、あれ以来ハヤテをからかうのは禁止になった。   「ちょっとした冗談じゃないですか。」 「冗談で三日月の舞はねーだろ?」 「一応寸土めする予定だったんですけどね。」   本当にそうだったか?と疑惑の眼差しをハヤテに向ける。 あの時の殺気と印の早さは、とても冗談や、寸土めしてくれるような、生易しいものではなかった。   「あの頃のように殺気だった毎日がご希望ですか?」 「いんや。今のお前がお前らしくていいよ。冗談なんかやるタイプじゃねーだろ?  ま、あの頃は愛されてるなーっていうすげー実感があったけどな。」   ハヤテが不服そうにゲンマの唇にキスを一つおとし、顔を覗きこむ。   「今は実感できませんか?」 「冗談だ。」   お返しとばかりにゲンマがハヤテに口づけをする。   「こんな状態で感じねーわけねーだろ?」 「いいえ、分かりました。体のすみずみまで実感させてあげます。  今日は嫌だと言っても絶対にやめませんからね。」   さりげに、右手が握り拳になっているハヤテ。 逃げようにも逃げる場所もなく、冷や汗を流すだけのゲンマ。       次の日ゲンマは病欠だった。         【End】    





    ・・・・シカマル一言だけッスかっ!!(゚▽゚;)嫌〜ん。   ところで、何でハヤテが攻めか。 とある同人さんの漫画をみまして。ハヤテが無茶苦茶かっこえーのですわ。もう〜宗方仁様ばりッス(゚゚*) その前からハヤテが好きだったけど、もう〜ぞっこんヘ(゚ー゚)ノ(ま、シカには負けるんですけどね。) それを見てからというもの、やっぱ攻めだよ。あたしは間違ってないよっ!うんうん( ̄ー ̄) と自己納得をば・・・・や、これ理由になってねぇーf(^-^;) (あ、ここで気がついたが、あたし的には、仁様って受けか?(゚▽゚;)・・・・わからねー??) (゚゚ )きっとガタイのいい方が受けっていう呪いにかかったんだと思われるふしが・・・。   ちなみにハヤテが「貴方が望むのなら何でもしますよ。」言った瞬間頭に浮かんだ言葉ってのが、縄とか蝋燭とか鞭とか・・・・あたしはゲンマに何を言わせようとしたんだっ?!ま・・・内緒の話しッス((((((;。。)ノ   あ〜大人同士っていいなぁ〜。何やっても気兼ねないもの(゚゚ ) 12才同士じゃ何も出来ないっ・・・てか無理だってばよf(^-^;)<何をさせたいんだか・・・   えっと、ハヤゲンファン募集中ッスm(__;)m もし自分もっ!なんて稀少な方がいましたら、ぜひご一報をば。や、書いていて読者いないと寂しいなーなんて((;。。)m"