「綱手様〜。」 「はー・・・・・・・猿飛のガキ・・・・またか?」   アスマの肩に担がれてるシカマルを見てため息が止まらない。 この馬鹿ップルのおかげでせっかくの睡眠まで邪魔される。   「私の言った事はちゃんと聞いたんだろうな?」 「・・・あぁ。」   はーー・・・・肩口でシカマルが首振ってるぞ。まったく。   「で、何回したんだ?」 「・・・・・4か・・・げっ!!!」   シカマルを奪い、その勢いで猿飛のガキを殴り倒す。 このガキゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!   「お前の耳は腐ってるのか?私はシカマルの為にせめて一回にしろと言ったんだ。  一回減らせとは言ってない!!」   ったく、瓦礫の下でエロい事ぶつぶつ言ってるんじゃない。はー小さい頃の方がまだましだったぞお前!   「シカマルは一週間私が預かる。今日お前は一人で帰れ。」 「えーーーー!!」 「えーじゃないっ!それともお前、私と闘うか?」 「ぐっ・・・・。」 「なら帰れ!」     【綱手様とシカマル】     火影の住む建物の一番上の窓から、ぼ〜と外を眺める。   暇だー何でオレがこんな高い所に泊まらなきゃいけねーんだ? ったく、アスマがもっと自制してくれればいいのによー。メンドくせー。 だいたい、今日の任務から帰ってきて、皆と別れようとした途端に砂煙はあがるわ、 周りの建物は崩れるわ、今木の葉の里は復興中だろ?それ壊してどうすんだよ。 原因は、オレを連れ去ろうとしたアスマと、隠れて護衛に付いてたらしい、暗部とのやり取りのせい。 ・・・・綱手様もアスマの行動を見抜いてるのはいいけど・・・・何かなーうぜぇー。 アスマの事だから、どうせ夜ここに来るよなぁ。は〜綱手様の事だからどうせ罠いっぱいだろうに。   「あ"?」   目の前に広がる街の一角からものすごい砂煙が舞う。 始まったな・・・・・次々と目の前で騒ぎが広がる。 ふ〜ん。あそこと・・・・あそこ・・・・・中々いい感じにアスマを追い詰めてんな。   「いまいち。まー力技って所か?人手の無駄だな。」 「ほー私の案を無駄っていうか。」   げっ・・・・気配消してくるんじゃねぇっ!   「無駄は無駄だろ?どうせここに来るまでの主要地点に誰か置いてあるだけじゃねぇか。」   オレならこんな事はしない。   「なら、明日はお前がアスマ対策をしろ。お前はどの程度の人手を求むんだ?」   ニヤリと綱手に向かって笑ってやる。   「ナルトと、はたけ上忍・・・この二人でいい。」 「ナルト?」 「あぁ、あいつがオレの案の要だ。」   いい暇つぶしが出来た。面白ぇー。       「綱手様から聞いたか?」 「うん、でも何でだ?  オレ何すればいいんだってばよ。」 「あの・・・な・・・・・・・・・・・・・・出来るだろ?」   ナルトに耳打ちする。   「で・・・出来っけど・・・・。」   呆れた顔のナルトがオレを見る。そこまでの事か?   「じゃぁ、頼んだ。期待してるぜ、ナルト。」 「お・・・おう!まかしとけってばよ!」   ナルトって期待してるって言葉に弱いだろ?結局嬉しそうにガッツポーズまで見せてくれる。 本当にお前っていいやつだよな〜。   「シカマル君。オレはどうすればいいのかなー?」   黙って丸薬をはたけ上忍に渡す。強力な睡眠薬。アスマも寝れば大人しくなるだろ。   「つまんない役目ですが、寝たら家に転がしておいて下さい。」   一応腐っても上忍のアスマである。アスマの隙をついて丸薬飲ますにはそれ相当の実力を求めた結果の人選。 実力的にはいいけど、人間的には最悪だな。   「ふふふ。これは貸しだよvv」 「それなんですけど、これいりますか?イルカ先生に似合いそうなのが沢山載ってますけど。」   はたけ上忍に一冊の雑誌を渡す。 中を確認した後にっこり微笑まれた・・・・うわっきっしょっ!   「これでチャラにしてあげる。」 「一応いい感じのは、印を付けておきましたから。」 「分かった。アスマには勿体ないねー。何かオレで役立つ事があったらいつでも言ってね。」 「ありがとうございます。」   ぜってぇ言わねぇー。ぜってぇ危ねぇー。   「じゃぁ、ここら辺でまってるねー。」   はたけ上忍が手をひらひら振って消えた。気配もすっかりなくなる。さすが上忍。変態でも立派な上忍だ。   「シカマルっ!オレはどこに居ればいいっ?」 「ベッドん中に頼むわ。」   さて、アスマはいつくるかな?   一時間ぐらい経ったか・・・部屋に一つの気配が現れる。・・・きた。 現れた気配はベッドに近づき布団を勢いよく飛ばした。   「シカマル。帰るぞ。」 「え?・・・・・あ?」   ナルト・・・お前寝てた?!   「・・・ハーレムの術っ!」   部屋いっぱいに裸のオレが現れる。よしよしナルト偉いぞー。アスマ・・・あんた偉くねぇよ。 アスマが大量の鼻血を撒き散らしながら後方にふっ飛んでいく。 馬鹿だ・・・・。超〜馬鹿。あ〜ぁ、はたけ上忍に薬飲まされて、あっという間に寝て・・・・馬鹿。   「シカマル君、アスマは布団につっこんでおくからねー。またねー。」   片手でアスマを背負って、片手で鼻を押さえた、はたけ上忍がオレに向かって手を振って消える・・・・気をつけよう・・・・こいつマジで危ねー。 鼻血出してやがる。   「ナルト、ありがとな。  用が無ければここに泊まっていけよ。これから帰るのもメンドくせーだろ?」 「泊まるー。」 「で、綱手様。終ったけど?」   大量に殺気がわいてくる方向に話かける。   「腹たつわね。卑怯じゃない?」 「でも被害一つも出してねーだろ?」 「そうだけどね。ムカツクからシカマル、残りはあんたが毎日対策たてな。」   いい大人が膨れっ面してもよー。しかもメンドくせー事言ってくるし。   「メンドくせー。ってか、オレ明日帰る。」 「帰れると思うの?」 「あぁ。明日オレが無事家についたらオレの勝ちってことで。」   思いっきり皮肉な笑顔ってやつをしてやる。はー、どうしてオレの周りの大人ってこんな、メンドくせーやつらしかいねーんだ? 鈍い音が部屋の一角から広がる。綱手様・・・・あんたその怪力どうにかしろよ。 復興って文字しらねーだろ?   「明日ここで会うのを楽しみにしてるよ。シカマル。」   そう言って、綱手は消えた。 オレは絶対に帰る。楽しみになんかしねーぞ。   「なーシカマル。明日オレ手伝う事ある?」   ナルトがニシシと笑ってオレの顔を覗きこむ。 オレもナルトに向かってへへっと笑った。   「・・・・・あー・・・・遊ぶか?」   ナルトに耳打ちをして作戦を伝える。明日も楽しく遊べそうだ。   「そういえばさー、カカシ先生にあげた雑誌。あれ何?」 「あーあれかー?あれは、H用のコスプレ衣装雑誌。」 「へ?・・・・コスプレ?なんだってばよ。それ?」   思いっきり不思議そうな顔がオレを見る。   「Hする時にな。相手に看護婦さんとか、セーラ服とか着せる衣装が載ってる雑誌。」 「・・・・な・・・・何で?」   悪戯好きで、ハーレムの術もってるのに、何でこいつってこんなに真っ当? ナルトが、思いっきり目を丸くしてひいている。オレが純粋じゃなさすぎなのか?   「萌えるからじゃねーか?」 「そ・・・そゆもん?」 「腐った大人は好きみてーだぞ。」   とうとうナルトが固まった。 あ・・・折角の純粋培養に、こんな話しちゃいけねーか?   「カカシ先生・・・腐ってるのか?」 「間違いねーな。お前素直過ぎるぞ。あの上忍絶対危ないタイプだって。  だいたい、お前のハーレムの術であの人鼻血出してただろ?」 「・・・・・・・・・イルカ先生に・・・・・注意しとくってば・・・・・よ。」   うんうん、その方がいいかもしれねーな。 オレは雑誌を渡した時点で借りは返せたから、後どうなろうと知ったこっちゃねー。   「さ、寝るぞ。お前も明日早いんだろ?」 「おう!」   こいつ・・・火影になるって言ってたけど、もう少し純粋培養から離れねーとだめなんじゃねーのか? かといって、ナルトがイチャパラ読んでんのは見たくねーなー。 ま、火影になったら、側近が何とかしてくれっだろ。オレには関係ねー。       「かーちゃん、ちょっと聞きてー事があんだけど。」 「シカマル?任務はどうしたの?」 「あぁ、今日は半日休みもらった。調べなきゃいけねー事があってさ。はーメンドくせー。」 「休んでいていいの?」 「ちゃんと先輩に確認とったから、大丈夫だって。」   今日はたいした任務じゃなかったし、いつも相談にのってた先輩だったから簡単にサボれてよかった。 そこら辺、きちっとしとかねーと、うちのかーちゃんうるせいからなー。   「何?聞きたい事って?」 「主な上忍と中忍の恋愛関係が聞きてーんだけど、知ってるよな?」   突然かーちゃんがニンマリ、ヤな笑いを浮かべる。 はー・・・・女ってやつわ・・・・。   「ふふふ。任せて。じゃぁ、いのちゃん所とチョージ君所の奥様も呼んでいいかしら?」 「あ?」 「あの二人も詳しいのよ。お話してると楽しいのよ〜。うふふ。」   ・・・・こえ〜女って・・・・・主婦って・・・・すげーこえ〜。 そして、その恐い主婦三人に囲まれて、思いっきり余分な情報添付で相関図なんかも貰って、任務に戻った。 オレは、主婦の力を実感して、絶対敵にまわしちゃなんねーという事を学習したぜ。つか、そんなもん学習したくねーぞ。       今日も任務を無事終えた・・・・だりー。 毎日任務しないでのんびり過ごしてーよなー。 つか、今日はもっとうぜー事しなくちゃいけねーのか・・・・・・は〜綱手様も諦めればいいのによー。   ま、仕方がねーか。さ、お仲間とお遊びタイムだ。   「ナルト!」   先に任務を終らせて待っていてくれたナルトに声をかける。   「まかしとけってばよ! 多重影分身の術あ〜んど変化の術!」   よしよし、だらけたオレが大量に現れる。視覚的にまったくうれしくねー世界。   「メンドーだけど、帰るぞー。」 「あー。」 「だりー。」   ナルトお前すげーな。性格描写まで完璧だぜ。 それぞれの分身は、大量の封筒を背負ってそれぞれの方向に向かっていく。 さて、バレないようにオレも帰るか・・・ったくメンドくせー。       そして、要所要所で間抜けな景色が見られる本日夕方。 ナルトからの後日談より。   「ちっどれが本物だよっ!」 「あー・・・・お名前は?」 「はぁ?・・・あおばだけど?」   唖然とするあおばに、ごそごそと鞄を物色していた分身の一人が手紙を渡す。 あぁ〜?と思ったけど、あおばは一応中身を開いて・・・・・・・光輝く笑顔のあおばが現れる。   「や、さんきゅ〜な。無事にたどり着けよぉ〜。」   爽やかな微笑みと共に手なんかも振られちゃったりする。     「いい加減にしないさいっ!」 「センセこれ。」   分身の一人が目の前の紅に手紙を渡す。 不可解に思いながらも手紙を読みはじめる紅。 読み進めるうちに真っ赤になって、頬に手をあてる。   「あの・・・・・これ・・・・・・本当?」 「あぁ。大丈夫だって。で、行かねーの?」 「う・・・・あ・・・・じゃ、またねシカマルくんv」   頬を赤く染めたまま、ダッシュで街中に消えていく紅。     「・・・・んー全部にクナイ叩き込んでもいいんだけど〜メンドくさいなぁ〜。」 「カカシせんせ。」   呆れた顔を隠しもせずに分身の一人がカカシに手紙を渡す。 そして、その手紙を読み進めていくうちにカカシの顔から血のけが一切なくなる。   「まじ?」 「じゃねぇの?オレ本体じゃねーし、知らねー。」   知らねーの"ら"辺りでカカシは居なくなっていた。ドップラー効果をふんだんに使って届いた言葉は、ありがとう〜だった。   そして、街中の要所要所で繰り返される同じ風景。 あるものは気合を入れ、あるものは喜び、そしてあるものは、がっくりとした表情をはりつけ、シカマル達から手をふって去っていった。   ナルトからの後日談終了〜。       一日半ぶりのアスマの家の前にたどり着いた。   「やっぱり?ったくメンドくせー。」   目の前には腕を組んでニンマリ笑っている綱手が一人。   「ほら、これ。」 「何だいこれはっ!」 「あーいいから読んでみ。」   オレは、掌をひらひら振って手紙を読めと促す。 綱手は勝ち誇った笑みを顔に張りつけたまま、手紙を読みはじめた。   『綱手様へ    【シズネと綱手のらぶらぶ相性チェックvv】    いつも一緒に居る二人は、少しくっつきすぎかな?  やっぱり、押しすぎはだめだよね。うふv  たまには引いてみるのも手よ。    それでも一緒に居てらぶらぶを楽しみたい貴方には、  こ〜んなグッズを用意しちゃうv  相手の好きな色のリボンなんてどうかな?  髪の毛に飾ってみると、あらあら不思議。ほら相手がうっとりと貴方をみちゃうかもv  たまには超〜可愛い貴方を見せるのがポ・イ・ン・トVv    ほらきっと相手は貴方にドキドキだ〜V    From 猪鹿蝶の母    PS:里の中心近くのふぁんし〜ぐるぐる店のフリル付きがお・す・す・めVv    』   目の前の綱手の顔から、油汗がだらだら流れ、頭を抱えながら考え込み始めた。   どうしたのかと思って、綱手の背後から手紙を読んで呆れた。 どう見ても、綱手がリボンをするようなタイプではない。 かーちゃん達何考えてんだ?とは思ったけど。効果ありすぎなんで、オールOK! オレは何時も通りアスマの家に入った。   「綱手様、オレが勝ちって事でいいですね?」   しかし、綱手からの返事はない。 ま、いっかと、外に立ちすくんでいる綱手を放っておいて、ドアをしめた。       「呆れた・・・・お前どうやった?」 「あー?かーちゃん達に色々情報貰っただけ。」   単にもらっただけじゃない。 ほぼ里内忍び全員への細かい手紙まで書いてもらった。 どうもかーちゃん達は、井戸端会議で盛り上がっていただけじゃなく。それぞれに思う所があったらしい。   恋人同志には、暖かい助言を。   片思いの人には、相手の情報を。   逐一細かく、楽しそうに手紙に書いていた。   「ったく、メンドくせー事させやがって。  もう二の舞はごめんだからなっ!」 「すまねーな。」   アスマがぽんぽんとシカマルの頭を叩く。 そして久しぶりに、唇が重ねられる。                                                           「つ・・・・綱手様っ!!!!」 「ア・・・・・アスマっ!!!!」   再び冒頭とまったく同じ状態のオレ達。 そして、大量のリボンを目の前に並べ考え込んでいた綱手。   オレ達は大量の滝汗を流しながら互いを見つめあった。     【End】    




 


    がふっ(吐血)アスシカのシカマルは頭使うんで辛いでっす(;_;) つか、これアスシカか?アスマほとんど出てねーし。 シカマル頭使い放題だし(まじ勘弁して下さい。)   ネタしんどひです。つか、まじでいいネタがどっかに転がっていないでふか? このシカマルを書くのは嫌いじゃないんですけど、うぅ〜〜〜(T-T)   ということで、ひさびさのアスシカ?でしたm(__)m 一人称の主人公が代わったり、三人称一部ありの読みづらい文章ですみませぬm(__;)m   猪鹿蝶の母からの手紙を書いている時が一番楽しかったです。 また、なんかネタが降ってきたらいいなぁ。 このシカ、強くないけど、態度がスレてて、とっても好きです(゚゚*)   たま〜にいらっしゃるアスシカファンの方々、お待たせしましたですm(__)m