「恣参これを。」   三代目から渡された任務書を一瞥した恣参と呼ばれた暗部は、帰ろうと扉に向かう。   「待ちなさい。」 「この任務は受けられません。」 「木の葉で忍びをやっていて、断るような事をするのはお主ぐらいじゃぞ。」 「出来ないものは出来ませんから。」 「そう言うと思ってな。  任務時、これを持っていくことを許可する。」 「・・・・・・・・これで、代わりになれるとでも?」 「ならば、これはカカシ行きじゃが、いいのだな?  ちなみに、ナルトが一生懸命作ったモノじゃ。」   その一言に、今までの態度はどこ行った?とつっこみたいぐらいの、形式美を見せる。 恣参は、跪き頭を垂れた。   「御意。」     【愛のドール】     暗部が闇の中を走る。 面までもが黒く塗りつぶされ、さながら闇が動いている風情。 綺麗に動く動きは、音も無く、風も動かず、全ては闇の中に葬られる。       が・・・・       その背中に鮮やかな彩り。 眩しい金色。鮮やかな海の青。眩しいほど生命に溢れたオレンジ。 暗部の背中になぜか等身大の人形。 まるで子供を背負うように紐で硬く固定されている。   ここ何日も闇夜の中で見られる光景。 誰が見てもへっぽこ。 折角格好良いのにへっぽこ。 とってもへっぽこ。   そして音にならない言葉が綴られる。   「やっと見つけた。」   何も無かった空間にそれを浴びただけで竦んでしまいそうな殺気が溢れる。 隠れていた忍び達が騒然と立ち上がる。   「見つけた。」 「な・・・・て・・・・敵か?・・・・・。」   リーダと思われる人物が洒落にならない殺気と、目の前に現れたへっぽこな光景のギャップに言葉が続かない。   「お前らのおかげで、オレ様は愛しいハニーと3日も会ってねーんだっ!」   それは、あんたの都合で、追いかけなければいいだろと、リーダ心の中で突っ込む。 見た瞬間ヤバイやつだと見抜き(誰でもそう思うよ。)、言葉にする愚は犯さなかった。   「いくらハニーの手作りとは言え、オレ様はすっげぇ辛ぇ思いをして、わざわざ追いかけてやったんだ。  感謝しろ。」   感謝しろと言う相手は、どこから取り出したか不明の薔薇を一輪手に持つ。 顔は無粋な黒面に覆われていたが、かもし出す雰囲気が死の采配を振るう神のように厳しく美しかった。 たとえ背後にへっぽこな人形が背負われようともである。   薔薇の花びらが舞う。   クナイを手裏剣を手にしていた一団は、無様な音を立て、一瞬のうちに全員が倒れる。 結局、ほとんど会話もされず、こんなにあっという間に倒されてるなら、出てくるなよ状態。 しかし、一応、とりあえず、確かに、恣参の腕は木の葉一。当たり前の光景だったりする。   そして、恣参はそれに目もくれず、背負っていた人形を自分の前に置く。   「ハニー・・・オレ様すげぇ〜寂しいんだけど、ハニーは元気してるか?」   人形に話しかける暗部。先ほどまで神々しいほどに溢れていた美しさは、瞬時にへっぽこに変わる。 ぎゅーと人形を抱きしめて、本物を抱きてーとお馬鹿な一言。 再び愛しいハニー人形を背負い、その場から恣参は消えた。     【End】    




 


    えーーーー、暗部名読めますか?あはははは・・・・大丈夫ですよねーー? あえて振り仮名やめました。へっぽこなんでf('';)   今回ラブラブ光景じゃないですけど、まーーーシ3なんで。 こんな感じで(^-^)あはは、何時もより少し書きやすいや。 ただね、ゴウジャスで華やかなで素敵な言葉を捜すのが面倒です。 暗殺すんなら、普通にして下さいと思う今日この頃、シ3さんお元気ですか? あーー元気ですね。   【05.01.07】