【愛が深まる薔薇じゃない思い出】     人通りの少ない道端で、大の大人が小さな子供に暴行を加えている。 子供は、ひたすら体を小さくしてこの辛い一時が過ぎるのをただただ待っていた。痛いけど、どうせ直ぐに治るから…大丈夫大丈夫と心の中で繰り返す。 その嵐が止まる。唐突に止まった不自然さに、子供がおずおずと目を開く。視線の先には、自分と同じくらいの子供が立っている。不機嫌というのを隠しもせずに、大人達を静かに怒鳴っていた。 この子まで自分と同じように殴られるのは嫌だと体を起こそうとした時、黒い風が目の前を走り抜けた。後には、糸の切れた人形のようにばたばたと倒れていく大人達と、最初とまったく同じような不機嫌な表情の子供がそのまま立っていた。   蒼い瞳と漆黒の瞳が交わる………   「大丈夫か?」   子供は不思議そうに漆黒の瞳を見る。そんな言葉を聞いた事は今まで無かった。   「馬鹿な大人達は、適当に潰しておいたからな」   そう言いながら、子供の体を調べていく。あまりに丁寧な動作に、子供がなぜ?と小さく聞いた。   「あー?お前は、うずまきナルトだろ?」   コクコクと子供…ナルトは頷く。   「あいつらは馬鹿なんだよ。それだけ知ってれば良い。  で、お前は馬鹿な奴等に付き合う必要がまったくねーんだ。今度から反撃してやれ」   分からないと小首を傾げながらも、おずおずとナルトが口を開く。   「誰…だってば?」 「オレか?シカマル、奈良シカマルだ」   シカマル…ナルトは小さな声で反芻して、嬉しそうに笑った。   「ありがとう…だってば。  あ…あの体は大丈夫だから。今日は、早く終わったし…オレってば、治るの早「馬鹿だろ?お前」   ナルトの言葉が終わらないうちに、シカマルが眉間に皺を寄せため息をつく。   「オレの言葉聞いてたか?お前の治癒速度なんか関係ねーんだ。馬鹿な大人達に付き合い必要がねーって、オレは言ったぞ」 「でも…」 「でもも、さってもねぇ!ったく、いくら治りが早かろうが、お前は受けた痛みを覚えてんだろ?辛いなら、辛いって言いやがれっ!」   ナルトが不思議そうに目を瞬く。言われている表面上の意味は分かるが、なぜ自分にそんな優しい言葉をくれるのかが分からない。 ため息と共に暖かい手が振ってきた。頭に乗せられたそれは、じわりと温もりを体に伝える。   「シカマル…」 「何だ?」 「オレ…オレってば…泣かない…嬉しいから…ありがとうだってば」   ナルトは嬉しそうにシカマルを見上げる。 シカマルは、その言葉と綺麗な笑顔に見惚れながら、…お前は……強ぇんだな…と呟いた。                 ◇◆◇                 「なんか嬉しい事があったんか?」    突然ひどく幸せそうに自分を見つめるナルトに、とっさに鼻を押さえ微笑み返したずねる。   「へへっ…」   何も身に着けていないナルトの体がぎゅっとシカマルに抱きつき、大好きと吐息と共に告げた。   「ハニー?」 「思い出してた。初めてシカに会った時のこと思い出してたってば。オレ…オレってば、一目惚れだったってばよ?」   ナルトの動きにあわせて煌く点画の数々。それに見惚れながらも、シカマルは優しげにナルトの髪の毛を指に絡ませる。   「オレも一目惚れだったな。  あの立場で、あの状態で綺麗に笑って見せたハニーはまさに天使!ハニーは、最高に輝いていたぜ」   思い出しながら、意思では既に止まる事も出来ない鼻血をさりげに垂れ流し、鼻の下を伸ばす。 そんなシカマルを、まるで貴公子かのようにうっとり見つめるナルトが居た。          【End】    




 


 

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