【報復は徹底的に】     アスマの家に住むようになって一週間。日々ぐっすり寝れるようになった・・・・・じゃねぇ!寝れて当たり前だっ! 毎日下忍の任務後に、アスマとマンツーマンの訓練、加えて夜の御奉仕。全て終った後にオレの意識なんかかけらもあったもんじゃねぇっ!!     「ほら、もっと食え。あれだけ体を使ったんだから、その分補給をしっかりしろ。」   あのなぁ、疲れすぎてて食べれねぇんだ。 あんたは、そんな繊細な体もってねーから分からないだろうけどな。   「シカマル、聞こえてるぞ。」 「あー?聞こえるように言ったんだ。」 「まぁ、今日はこの後寝ていいからよ。ゆっくり寝な。」   へ?体力&性欲の権現なアスマがどうした? なんて、思ってたら、玄関の方からアスマを呼ぶ声がした。   「アースーマー。開いてたから勝手に入ったよぉ〜。」 「お前なぁ、開いてたんじゃなくて、開けたんだろ?」   アスマん家の鍵は、アスマの術を合わせてかけてあるから通常じゃ絶対に開かないはず。 当然この乱入者は、それを無理矢理あけて来たってことで・・・・・写輪眼のカカシ・・・・噂通りの無茶野郎。   「あー、いいなぁ僕もご一緒させてもらっていい?」 「お前の茶わんなんかないぞ。」 「大丈夫ー。ほらね。」   どこから出したか、箸と茶わんをもってにっこり笑う。 アスマが好きにしろと言わんばかりにため息をついた。   「シカマル君こんばんわー。お邪魔して悪いねー。」 「あー?悪いと思うなら、帰れば?」 「ふーん結構言うねー。折角面白そうなもん見れそうなのに、帰れるわけないでしょ?」   噂通り、面の皮も厚いときてる。 それでなくても疲れてる所に、すげーむかつく。   「面白いもんなんて無いっすよ。」 「えー?夜の生活の話とかしてくれないの?」 「アスマ、この馬鹿どっかに捨ててきてくんない?」   オレは額に青筋を育てながらアスマに言った。 上忍だぁ?そんなの関係ねー。馬鹿は馬鹿だっ!   「シカマル、この馬鹿は捨てても帰ってくる能力だけはもってるから、無駄だ。」 「お前らね、本人目の前にして馬鹿はないでしょ。」   オレに顔を向け、にっこり笑ってカカシが言う。 にっこり・・・・にっこりねぇ・・・・夜の生活とか言ってる所みると、そこらへんを知ってるって事か。 こいつの性格から考えて、今のうちに躾とかねーと後々うざいな・・・・・仕方がねーメンドくせーけど手を打っておくか。 時計を見て時間を確認した後、立ち上がる。   「アスマ、オレ用事を思い出した、出かけてくる。  たぶん、今日は帰ってこねーと思うから。」   カカシがえー、とかつまんなーい。とか駄々こねてるのを無視して玄関に向かう。   「あぁ、お手柔らかにな。」   オレはひらひらと手をふって、アスマの家を出た。 ちぇっ、オレの意図、ばればれかよ。       7班は相変わらず、カカシの遅刻のおかげで今日も終わりが遅かったはず。 ナルトは、イルカ先生と夕飯の約束をしていた。 カカシはイルカ先生に片思いらしいという情報を聞いた。結構カカシがイルカ先生を誘っているのも見かけている。 こんな時間にカカシが来た。 イルカ先生は遅かったらナルトを自分の家に誘うはず。 なら、もうすぐイルカ先生とナルトがここを通る。   オレはもう準備万端、・・・・ほらナルトの馬鹿でかい声と二人分の足音が聞こえてきた。 『分身の術そして・・・・変化の術。』   カカシに変化したオレの分身が茂みから出てくる。 一瞬声のした方に顔を向け、二人が顔を確認出来る時間分立ち止まり、後は闇の中に消える。   よし、一幕の終わりだ。 あれ?カカシせんせー?というナルトの声も聞こえた。   ニ幕目の開始だ。   「くっ・・・・。」   呻き声と共に、茂みからオレがよろけるように出てくる。 当然ナルト達の前に。   「シカマルっ!」 「シカマル、どうしたっ?!」   ナルトとイルカ先生が駆け寄ってくる。 オレは、無残に裂かれた服を辛うじて着て、体中は泥だらけ、要所要所に血がにじんでいて、さりげに液体添付という状態。 後は、イルカ先生の想像力にお任せしますv   「い・・・いや・・・・なんでも・・・・ねー。」 「何でもなくないだろっ!  ナルト、お前は帰りなさい。シカマルはちゃんと先生が見るから大丈夫だからね。」 「うん。頼んだってば!」   ナルトは、オレの方を心配そうに一瞬見て、帰っていった。 わりーナルト。全然心配しなくていいからなー。   「シカマル、オレの家はすぐだから、少し我慢しろ。」   そう言って、イルカ先生がオレを抱き上げ、運んでくれた。     イルカ先生の家につくやいなや、先生が家の中を走り回る。 風呂を沸かしてる間に、オレの体をチェックし、体に付いている切り傷を処置してくれた。 さすがに、服を脱がすのは躊躇って、無言で風呂に案内してくれた。 風呂場で洗ってる間、オレは一人でニヤニヤしていた。ほぼ100%思惑通り。後はもう少し演技を続けるだけでいい。 風呂からあがり、用意された服を着て、イルカ先生の前に坐った。   「シカマル・・・・どうしたんだ?」 「・・・・・・いや・・・・なんでも。」   傷心の演技を続けるオレ。イルカ先生から目をそらす。   「・・・・・カカシ先生を見たんだが・・・・。」   びくっとオレが体を震わす。   「いや、何でもない・・・・シカマル、隣の部屋のベッドで寝なさい。  オレはここに居るから。大丈夫だからね。」 「・・・・イルカ・・・・先・・・・生・・・・くっ!」   オレはイルカ先生に抱きついて肩を震わせ・・・・泣いたふりをした。 ごめん先生。相変わらずいい人すぎ・・・・オレにあった僅かな良心がかなり傷んだ。       今日も、今日とでアスマの家にいる。 そろそろ結果が出てくるはずなんだが・・・。   「シカマルっ!!」   玄関の方からオレを呼ぶ声が聞こえる。 よしっ!100%成功!心ん中でガッツポーズ。   「カカシ、毎度毎度勝手に入ってくるなよ。」   アスマが楽しそうにカカシに文句を言う。   「それどころじゃないんだって!  シカマル・・・・君、何をした?」 「あー?別にー。」   オレは吹き出すのをこらえて、そっぽを向く。   「別にじゃないでしょ。  子供達からは白い目で見られるし、イ・・・イルカ先生からは、ものすごーく冷たい目で見られて、話もしてもらえないんだけどっ!  ・・・一昨日、この家を出てから何をしたっ!?」   さすが上忍。情けない内容だけど、殺気ばしばし育ててオレにぶつけてくる。   「一昨日ですか?イルカ先生の家に泊まりましたけど?」 「ぶっ!」   アスマが突然吹き出す。   「な・・・何っ?!」   アスマはカカシに説明をしようにも、笑いが止まらないらしく、ひたすら笑い転げていた。   「シ・・・・シカマル、あ・・・あの噂の相手って・・・・お・・・お前・・・・だったのか?」   わき上がる爆笑を堪えながらアスマが言葉を作る。   「はー?噂って何?」 「いやー・・・・・こ・・・・こいつが下忍の男の子を・・・・・強姦したって・・・・噂がなー・・・・・盛り上がって・・・・るぞ。」   カカシが硬直した。あははははっははっははは。 あ、ギギーと音をたててこっちに顔を向けた。げらげらげら。   「ご・・・強姦?・・・・シカマルを?・・・・オレが?・・・・。」 「そう・・・みてー・・・・だな。・・・イ・・・・イルカが・・・・面倒見た・・・・らし・・・いぜ。」   アスマがなんとか笑いを押えて煙草を咥える。   「シ・・・シカマルっ!」 「なんっすかー?」 「何をしたか言えっ!」 「あー?分身の術と変化の術を使ったかな?」 「それで、カカシに変化したのか?」 「あぁ、後はぼろぼろのオレがイルカ先生の前に出ていっただけ。」   カカシは、声も出ないようで、わなわな震えていた。 まじおかしいっ!いやーオレっていい仕事したなー。   「シカマル君、オレと一緒にイルカ先生の所に行って、本当の事を言ってくれないかな?」   お、復帰してやがる。はえーな。 どす黒いオーラを纏ながらにっこり笑っているのが無気味だ。   「オレと将棋やって勝ったらいいっすよ。」 「将棋?・・・・いいよ。約束は守ってもらうからね。」 「じゃぁ、オレからも。  オレが勝ったら、カカシセンセーはここに来ない事。オレの邪魔をしない事。  いいですよね?」 「あぁ、お前が勝ったならな。」   ニヤッとカカシが笑う。ふーんオレに勝つきでいるんだ。 オレは相手に負けないようにっこり笑ってやった。 カカシの後ろにいるアスマが爆笑をひたすら堪えているのを見て・・・・別の意味で笑いそうになったけどな。       駒をさす音だけが響いていた。 アスマは審判として興味深げにオレらの勝負をみている。   「王手。」 「え?・・・・えぇっ!!」   カカシが驚愕に目を見開ひらく。 アスマと、とんとんレベルの相手にオレが負けるわけねーだろっ。 まー、たまに予想しないような手を打ってくるから結構面白かったけど?結構程度だしな。   「どうやっても覆せないからな。」   オレはとどめをさす。   「カカシ、無駄だぞ。こいつ、もの凄く強いからな。  オレもシカマルに勝った事は一度もない。」 「何だってっ?!」 「はい、約束です。カカシせんせ覚えていますよね?」   極上の笑みを浮かべてやる。   「ぐっ・・・。」 「じゃぁさようなら。」   オレは手をひらひら振って、帰れと促した。カカシは動かない。ん?動けねーのか?   「なんか、動けねーみたいだから、アスマ捨ててきてくれる?」 「あぁ、いいぜ。  ほら、負けたんだから潔く帰れよ。約束はちゃんと守らないといけねぇなぁ。」   アスマがカカシの首根っこを掴んで、軽々運んで、捨ててきてくれた。   「あれ、ちゃんと帰った?」 「さぁな、まぁ、さすがに打ちのめされてたみてーだから、途中で死んでるかもな。  しっかし、どうするんだ?お前敵作ったぞ。」 「アスマは、守ってくれねーの?」 「あれからか?」 「うん。」 「まー守ってやるから、頃合い見はからって、イルカには説明しろよ。」 「そのつもりだけど。理由を言って、変化があると思う?」   突然やってきて、12才なオレにアスマとの夜の生活がどう?って聞かれたおかえしっていう理由。 イルカ先生の事だから、余計怒ると思うけど?   「・・・・自業自得だな。」 「そ。  で、オレ疲れたからもう寝る。」   そう言って立とうとしたら、アスマに腕を掴まれた。   「なんだよ、寝るのか?オレと遊んでねーだろ?」 「あー?アスマ笑ってたじゃねーか。」 「あれでお終いか?」   アスマがニヤついた笑いを浮かべてオレを見る・・・・あれだけ笑ってたんだからいいじゃねぇかっ! 頼むから寝かせろっ!   「ま、邪魔者もちゃんと捨てて来た事だし。つきあえ。」   もしもしオレの話聞いてた?つ〜か聞けって! アスマが勝手にオレを抱き上げて、寝室に移動する。   メンドくせーところを、すっげー努力したのによー! カカシが悪い!あいつのせいで、無駄な労力を使ったあげくに、睡眠時間まで奪われそうになってる。   ・・・・・今度何かしたら、イルカ先生に恋人作らせる!覚えてろっ!カカシっ!     【End】  




 


  ・・・・カカシが嫌いなわけではない(^-^;) アニメとか見てる分には、声もしぶくて、かっちょいいとは思う。 が、色々サイトをめぐるうちに、カカシのイメージが変わったような・・・じゃなくて変わったな(^-^;)   シカったら、最後に覚えてろカカシじゃなくて、アスマを怒らなくちゃだめだろ? 愛か?愛なのか? 単に惚れた弱みか?(ーー;)