【幸せ追求させろ隊 補7.1】     「アスマ先生〜おはよーってばっ!」   昨日とは違い、いつも通りの表の顔でアスマに飛びついてくるナルト。   「ニシシ…来たってばよ。」 「おう、当然オレの相手をしてくれんだろうな?」   ナルトの頭をがしがし撫でる。 そんな微笑ましい光景に向ける目線は、冷ややかなものが大半だった。 周りにいる上忍達も特別上忍達も、数ヶ月前まではただの下忍だったナルトが見せた腕は、不審と疑惑を意識させるのに十分だった。 その中をかき分けるように走ってくる、三人の子供と中忍達が現れる。   「ナルト、アスマ先生の前にオレに稽古をつけてはもらえないだろうか?」   今だ礼儀正しく、弟子風味で話しかけるネジ。   「ナルトくん…、私…少しは…強くなったと…思うから…見て…もらえる…かな?」   おずおずと話す話し方は変わらないけれども、以前とは違い強くなったと言いきる強さを持つようになったヒナタ。   「ナルト…オレも頼みたいんだが…。」   シノがいつもとは違う穏やかな視線でナルトに話す。 そして、集まった中忍達も下忍達と変わらず同じ内容をナルトに話かける。   上忍達の所に入った7人は、上忍達から守るかのように、ナルトを囲んだ。   「えへへ…。」   皆の優しさにナルトが嬉しそうに微笑む。   「いくらでも相手するってばっ。  皆はここに入って1ヶ月ぐらいは経ってるんだよな?  ニシシ…5分は頑張るってばよっVv」   7人一瞬にして一歩ひいて冷や汗を浮かべる。 …5分…とてつもなく高い壁に感じた。 当然、全員がナルトとシカマルのとてつもない訓練経験者。 いくら自分が強くなってきたからと言って、あのレベルを5分も持たせられるとは思えなかった。   「…そんなにナルト達の訓練って凄かったのか?」   アスマが全員のあからさまな態度に驚いての質問、そして7人が7人共無言で頷く。   「むぅ〜普通だってばよ。  なーネジ!ネジと旅していた頃の訓練の方が余程大変だったよなー?」 「ナルト…確かにあの頃の訓練に比べたら、ここでの訓練は普通だろうが…基準が違う。  ある意味、イルカ先生の訓練の方が楽だと思えるのだが…。」 「はぁ〜?」   アスマが呆気に取られる。 イルカの訓練は決して生易しいものでは無い。 基礎訓練から、体術と忍術を組み合わせた高度な戦い。 半日で全てを詰め込んでやらされる訓練は、慣れるまでにかなりかかった。   「むぅ〜イルカ先生ってば、手を抜い……っっ!!」   ナルトが突然現れた2つの拳に殴られる。 ナルトの背後には自来也とイルカが呆れ顔で立っていた。   「ナルト!今日から覚悟しろよ!」   お前だけは特別メニューだとイルカが睨む。   「ナルト、お前の死に物狂い訓練と比較するなっ!!あれは訓練とは言わないのぉ。」 「うぅっ〜酷いってばよー。  オレだって、ここの訓練では、ちゃんと考えてやってたってばーっ!」 「シカマルが考えてたんだろうがっ!」   再び自来也に殴られる。   「とりあえず、ナルトの実力を見たいから、7人対ナルトだな。」   実力なら嫌というほど知っているイルカ。 見たいのではない、上忍達を納得させる為に見せたかった。   「全員真ん中を開けて下さい。」   集まっていた上忍達が面白そうだと笑いながら、冷ややかにナルトを見つめながら間を空ける。   「中下忍合同でやっていた時と同じで構いません。  ただ、ナルト以外は全員ここでの訓練の成果を見せて下さい。」   言外に、術は使い放題と言っている。   「ずずずずるいってばよーーーっ!オレはーーー?!」 「ナルト、死ぬ気で頑張れ。」   イルカがニッコリ笑う。 死ぬ気で頑張る必要は、かけらも無い事は分かっている。ナルトにとっては暇つぶし程度。 ただ、どこまで実力を出すかが問題だと、イルカは心話を使った。   『どのレベルで戦う?』   面白そうな声音がナルトの中で響く。   『うーーー、難しいっーーーー。  カカシ先生には、カカシ先生より強いって言っちゃったから、その線かなぁ?』 『かなり強いな。  とりあえずオレよりは弱い事にしておけよ……はは…日食を苛められるチャンスだな。』   意地の悪い声にナルトがむぅ〜と膨れる。   「絶対っ負けないってばよーーっっ!」   ナルトは、イルカに言ったのだが、その声と気合に中下忍達の冷や汗が追加される。 そして、一方的な訓練が始まった。     上忍達の視線は変化する。   「ねぇねぇ、めちゃめちゃ強くないー?」 「そおねぇ、でも中忍試験の時に見ていたでしょ?」 「んーー、あれより強く見えるのは気のせいかなー?」 「実力を抑えていたという所だろう。」 「そうだよねー、でも楽しそうだよねー、あたしもあの中で遊びたいなぁ。」 「ふふふアンコ、今から乱入したら?」 「お前なら誰も不思議に思うまい?」 「うーーーーっ!ひっどぉいっ!紅っ!イビキっ!」   楽しそうに戦っている様子を見て、実力に驚きながらも受け入れる視線に変化する者。     「……なるほどな、実力を隠していたという事か……。」 「危なくないですか?」 「危ないだろうな。結局は子供、いつ暴走するか分からない…。」   より一層の不審を募らせ、排除する方向に視線が変化する者。 これは旧家の者に多く見られた。     「んー、あれはずるいよねー。  オレ、かなり頑張らないと、八つ当たり出来ないなー。」 「八つ当たりしなければいいだろ?」 「でもねー、ナルトにはとーっても悪いんだけどさー、オレとしても気持ちの決着をいつか付けたいんだよねー。」 「悪ぃなんてもんじゃねぇなぁ。  それから、お前がナルトに仕掛ける前に、オレが居る事を忘れるなよ。」 「えー、アスマはナルトの味方なんだー。  そっかー、アスマならなんとかなるかなー?」 「ばっ馬鹿野郎っ!オレで気持ちの整理しようとするんじゃねぇぞっ!!」   冷ややかな視線に混じる賞賛。     「最近、あいつがやけにニヤついているのはこの事か…。」 「うちの息子も随分と変わってきた。彼らのお陰なんだろうね。」 「確かにうちの娘も変わってきた……が、俺達に隠し事とはつれないと思わないかい?」 「猪鹿蝶としては文句がいいたいよね。  でも、シカクらしくない訓練をし始めたのが10年前ぐらい前だから、筋金入りだ。」 「確かに難しい子供だから仕方がないと言えない事もないが……絞めるか?」 「当然。」   最初から暖かい眼差しも、少しではあったが存在した。     イルカは、上忍達の様子を雰囲気を逐一観察する。 さて、シカマルはどうするかな?と少し考えた。 ま、どうせ自分は手駒の一つ、掃除をするならするし、意識を操作するのであればするだろう。 自分は、関わった子供達を守りたいと思うのだから……。       【End】    




 


    やーー、守ろうと思った子供達にはめられるウン年前?f(^-^;) あの頃のオレが哀れだーーーとかいう感想をいつか持つようになる……んだろうねぇ('';)   さて…これを書いちゃったf(^-^;)^^^^^^^ 次が全然思い浮かばねぇっ((((((゚▽゚;)どどどどどどうしようっかなー?   とりあえず素敵な天の御啓示が降ってくる事を祈りましょう…<すっげぇ〜後ろ向き。     【05.01.23】