【幸せ追求させろ隊 補6.5】     チョージはナルトが指定した演習場に走っていく。 今日の任務も終わり、いつも通りにナルトとの自主練に向かう途中。 たまに背後に視線を向けて、しょうがないなぁという様に苦笑を浮かべる。   「ナルトー、今日もよろしくー。」   既に演習場で待っていたナルトもチョージと同じ顔、苦笑を浮かべている。   「チョージ、分かって連れてきたってば?」   話し方も表用に変わる。 チョージは、長年の習慣は凄いなーと感心。   「うん、どうせ今日撒いても、いつかは付いてきちゃうからねー。」 「だよなー。」   チョージとナルトがうんうんと頷く。   「サクラちゃんといのー、出てくるってばっ!」   ナルトがサクラといのが隠れている茂みに向かって声をかける。   「むぅ〜どうしてバレてんのよー。」 「ちゃんと気配消して来たのにっ。」   ナルトとしては、あんなダダ漏れの気配なんか消したとは言わない。 ナルトの訓練を約二週間続けているチョージも、気配に随分と鋭くなってきている。 いのも、サクラも気配を消す作業に持続性がないよねーっと、感想を持てるようになっていた。   「でー、二人は何しにきたってばぁ〜?」   ナルトが楽しそうに二人をニッコリ見やる。   いのは、最近のチョージがやけに疲れてるのが気になっていた。 そして、そんな様子にも関わらず、チョージと対峙しているとことごとく自分の動きが封じられるのに疑問を持ち、ついついついてきたという所。 幼馴染は、微細な変化に気づいていた。   サクラはチョージと話して以来、周りの人間をよく見るように心がけていた。 思い込んでいた性格と実際は随分違うんだと、今更ながらに驚く。 そして、それを教えてくれたチョージの事を一番見るようになった。 最近少し雰囲気が変わったように見える。 ダイエットしてるのかなぁと思ったけど、妙に気になったから、なんとなく後をつけてみた。   そして、二人が同じ場所でニンマリとにっこりと鉢合う。 それなら、一緒しよーねーと、つけてきたら、あっさりぱっさり、現在ナルトとチョージの前。   「見学ー。」   いのは、ナルトとチョージの組み合わせに面白そうだなーと、ニッコリ笑い。   「うん、私も。」   サクラは、チョージの言っていた事を思い出して、これから何が起こるのかドキドキ。   「ふぅ〜ん、見学だけでいいんだぁ。」   ニンマリとナルトが笑う。 いつもの元気いっぱいの素直な笑顔はどうした?と二人は思うが、ちょっと悔しかったから、ついつい参加するっ!と、内容も分からず言ってしまった。           「チョ・・・チョ・・・・チョージの動きが変わってたのって・・・・・これのせいー?」   いのが全身汗だく、ぜーぜー言いながらの台詞。 最近慣れてきているチョージが、それでも座り込みながら、うんと答える。   「チョ・・・・チョージ・・・・こ・・・こ・・・・これって・・・・無茶って・・・・言わない?」   サクラが同じく汗だくの荒い呼吸でチョージに聞く。 やっぱ、無茶だよねーとチョージもうんうん頷いたりする。   「二人ともだらしないってばよ。  そだっ、サクラちゃん、いのー。」   満面の笑顔に一瞬にっこりと笑顔を返しちゃう二人だったけど、なんとなくナルトの雰囲気が違うのを感じて言葉がどもる。   「ななななぁにぃ?ナルト。」 「なななんだろー?」   ぎこちなく答える二人に、チョージはくすくす笑う。 ナルトが次に何を言うかが分かってしまった。 きっと逃げられないんだろう二人に心の中で合掌。   「明日から、チョージと一緒に来るってばよ。  訓練しようなっvv」   ニッコリと綺麗に笑うナルトに、ついつい頷いてしまう二人。 大うかつさん達。 二人共強くなりたいと思っていたから、訓練という言葉が嫌いではない。 なにせ忍び街道を歩ってる二人、目指せ美人?上忍だったりする。 ただ非常〜に問題なのは今日のような洒落にならない訓練はちょっと〜と腰がひけぎみ。 それでもナルトが、絶対二人を強くしてやるってばっと決意表明されちゃったりすると、再び、力強く頷いたり。握りこぶしを握っちゃったり。 結局、熱血体育会系だった二人、ナルトに乗せられたと気づくのはもうちょっと後。   「よー、チョージ終わったかー?」   そこにもう一人、楽しそうにニヤニヤ笑って声をかけてくる子供。   「ははは・・・うん。」   力ない笑いと共に、諦めた様子で頷くチョージ。 いつの間にか目の前に、シカマルが現れていた。   「へー、おもしれーメンバーじゃん。」   三人の状態を一通り確認するシカマル。笑みが深くなる。 それを見たチョージの頭の中に警報が鳴り響く。   「ナルト、いのはもう少し鍛えても大丈夫だろ。」   いの、声にならない声で、まてーと叫ぶ。   「おっし、いの頑張ろうなーvv」   しかし、ナルトの殺気を少々込めた笑顔に、ぶんぶん頷いちゃういの。   「サクラは、木の葉病院に至急来いってさ。  綱手様がお呼びだ。」   サクラは不思議そうな顔で、ありがとうと一言走っていく。 チョージはそんな後姿を見て、きっとあっちでも悲惨な訓練が待ってるんだろうなーと再び心の中で合掌。   「じゃぁなー。」 「いのー、頑張ってね。」   シカマルは適当な挨拶。 チョージは心からの心配を込めた挨拶。 同じ幼馴染でも、なかなか違う二人である。     ・・・‥‥……━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥‥・・・   「ねーねーナルト、続きの前に聞きたい事があるんだけど、いいかなー?」 「なんだってばよ。」   ナルトが何を聞いてくるのか、楽しみでいのを覗き込む。   「いつから、そんなに強いのー?」   いのが興味津々とばかりにナルトを楽しそうに見る。   「宴会で話したの、もう忘れちゃったってば?」   ナルトは慣れたものだと普段どおりに返す。   「うーん、それでもいいんだけどさー。  一応同期で、仲間でしょー。  ちょっと気になっちゃってさー。」 「ニシシ・・・・いのって、さすがチョージとシカマルの幼馴染だよね。」 「えーでもさぁ、こんな話ってあたしの担当じゃないんだよねー。  頭脳担当は、シカマルでしょ。  周りを見て状況把握がチョージでしょ。  あたしって、勘だけで突進する最前線部隊なんだよねー。  だから、これ聞くのはシカマルが担当なんだばけどー・・・・シカマルとナルトは、なんつーかなー、一緒だよねー。」   えへへーといのが笑う。 ナルトがいのをぎゅーと抱きしめる。   「なななナルトー?」 「いのっ頑張ろうなっ!  オレって、いのと同期ですっげー嬉しいってばよっ!」 「えへへー、ナルトーあたしもすっげー嬉しいよー。  だから、いつか色々教えてねー。」 「いつかなんて言わない。  これから訓練の続きだろ?ばしばし教えてやるっ。」   いのは、ナルトの言葉使いが変わったのに気づいたけど、うん、続きだーと立ち上がる。 ナルトはニッコリ笑って、指をならした。                     「ナルトー・・・・明日からは、色々じゃなくてー・・・・ちょっとづつ教えて・・・・欲しいなー・・・・・」   汗だくのいのが、ばったり地面にうつ伏した。       【End】    




 


    いのー・・・・夜道を歩く時は、背後に気をつけてね。 シカマルにバレテたら、間違いなく闇討ちに・・・・・((>_<))   ということで、お約束のようにみんな仲良く・・・・・('';)ご都合すぎやのぉ。 まー・・・・いのは、このポジションって最初っから決まってたしなー・・・ごにょごにょ。   しっかし、うちのサイト内、訓練って言葉検索したら、どれだけヒットするんだろ?(--;) FFXほど、訓練描写してないけど・・・・訓練好きってのは問題あり・・・・・じゃないと信じよう('';)^^^^     【05.01.02】