【幸せ追求させろ隊 補6.2】     「わっ?・・・・っっ!!!!!」   人攫いにあったのは、任務後の帰路。 風が吹いたと思ったら、抱え込まれ凄い勢いで走られた。 チョージがニッコリ笑う。 気配でなんとなく誰だか分かった。 変化しているのだろう。20代と思われる短髪黒髪の青年。 普段こんな風貌で仕事しているのかな?と思い再び笑みが零れた。   「ほら、到着だ。」 「運んでくれてありがとう、シカマル。」   シカマルと呼ばれた青年が、ポリポリ頭を掻く。   「お前なぁ、折角変化してんだからよぉ、少しは驚け。」 「仕方が無いよねぇ、僕シカマルの分身と付き合い長いから。」   弾かれたように顔が上がりチョージを見つめる。 チョージは、珍しいなぁと思う。 さっきの言葉はカマをかけ。 そんな事普段ならすぐに気づくはずなのに、苦笑したシカマルの顔が珍しく、驚いている。   「やっぱり。で、ここがシカマルの家?」 「おう、大量に食事を用意してもらってるからよ、上がれや。」   変化を解いたシカマルが居た。 玄関に入ると、もう一人エプロン姿の同期が居る。 チョージはくすくすと、ずっと笑っている。 笑いが止まらない。 なんだか分からないけど、すっごく嬉しい。   「何だよっ!」 「あははは、ナルトってエプロン似合うねー。」 「う〜〜エプロンするのが基本だってぇ・・・・お母さんが・・。」   だから似合ってるって言ってるのになーと少し赤くなったナルトにチョージがニコニコと笑顔を向ける。 シカマルに促されて、家に入る。 ナルトは、もう少し料理しているからと台所に走っていく。 チョージは目の前の大量のご馳走に笑顔を向けて、そしてシカマルにニッコリ笑う。   「んだよ。」 「なんかねーすっごく嬉しいんだ。  いつかは何か言ってくれるかなーって思ってたけど、こんな早いと思わなかった。  それとも僕は記憶を消されちゃう?」 「消す必要なんかどこにあるんだ?」   シカマルも楽しそうにチョージを見る。   「んー・・・なんとなくの推測はしたんだよ。  でも、僕はシカマルみたいに頭良くないから、なんとも言えないけど・・・・あんまり推測したら不味い内容なんじゃないかなって。」 「何推測したか知らねーけどよ。  俺ら仲間だろ?関係ねーんじゃねぇ?」 「チョージさー、一緒に悪戯した仲間を放棄する予定あんの?」   シカマルが口の端をあげてチョージを見る。 ナルトが食事を運びながら、笑みを浮かべてチョージに凄む。 一瞬チョージがきょとんと目を見開き、そして嬉しそうに笑う。   「シカマル、こんばんわ。  ナルト、よろしくねー。」   まるで、初めて会うような挨拶。 でもチョージの目は親しげに細められ、今日一番に嬉しそうに笑う。 お前らしいなと、シカマルが一回手を振る。 ナルトは嬉しそうに笑って、もう食べろと食事を勧める。   チョージは、ナルトの作った料理を楽しく味わい、シカマルとナルトが話す話を嬉しそうに聞く。   「結婚式は挙げたの?」 「挙げたらお前が呼ばれてねーはずねーだろっ。  ってか、あんなもん挙げる訳ねーだろうがっ!」 「何で?ナルトだったら花嫁衣裳似合うと思うけどなー。」   既にチョージの頭の中では、和洋二種類の二人が思い浮かんでいたりする。 シカマルは細いから紋付袴は似合わないかもしれないなーとか、ナルトはどっちでも可愛いと思うなーとか、頭の中がとっても楽しそう。   「チョージ、絶対無理だって。  しーだよ、しー。仲間内だけに限定しても絶対無理!」   箸を動かしながら、頭の中に真っ赤になって両親に嫌だと叫んでいるシカマルを思い浮かべるナルト。 同じく、同じような事を思い浮かべて、無理だねぇと一言漏らすチョージ。   「花嫁衣裳着ろって言ってたくせに、すっかりぶっ飛ばされた。」   ナルトとしては、花嫁衣裳着ないで済んでありがとう〜状態なのだが、ついつい言ってしまったり。 そして、ついつい言ってしまわれた言葉にぐっと詰まっちゃうシカマルがいたり。   「あははははシカマルって、ナルトに弱いんだね〜。」   チョージが珍しく食べるのを忘れて大爆笑。 いつも面倒臭げに、やる気のなさ全開の幼馴染。 どこまでが分身でどこまでが本体かは分かっていないけど、どちらも基本はまったく変わらない。 そんな幼馴染の真っ赤になったり、言葉に詰まったりする姿を見た事が無い。 今日は初めて見るシカマルの表情をいくつも見せてもらっている。 すっごく嬉しい。 もう笑いが止まらない。   「チョージ・・・・最後の肉オレが貰うからなっ!」   シカマルがむすっとした顔で、箸で挟んだ肉をちらつかせる。   「ふ〜ん、じゃぁ僕ナルト貰うから。」 「貰えるもんなら、貰ってみろよ。」   この無精者のどこにこんな執着心があったんだろう?と、チョージが度重なるシカマルの珍しい対応に、再び驚く。   「ねぇナルト、僕の家に遊びに来ない?  シカマルの話も色々聞きたいし、父ちゃんも母ちゃんもナルトには会いたいって言ってたよ。」   ナルトが嬉しそうにニッコリ笑う。 近いうちに行くと言いながら、シカマルの箸から強引に肉を横取ってチョージの口につっこむ。   「チョージ・・・お前汚ねー。」 「そうかなぁ?」 「ったく、戦略部に来たら覚悟しろよ。オレが長だからな。」   意地悪い言葉にニヤニヤした笑顔を付けたシカマルが言う。   「うーん、戦略部に行けるかなぁ?  中忍になるのだって、難かし・・っっ?!!」   チョージの言葉が終わるのを待たずに、ナルトがチョージににヘッドロックし、シカマルの影が伸びチョージの頭をぶん殴った。   「なナルト?」 「チョージ、今日から特訓な、覚悟しろ。」   さりげに殺気も混ぜてくるナルト。   「チョージ、その後戦略関係の勉強な、覚悟しとけよ。」   殺気はないが、長モードのシカマル。ニヤリと笑った顔つきに凄みあり。 弱気になる事を許さない。 二人の気合入った友情に泣きそうになる。   「じゃぁ、時間がある時に。  二人が忙しい時は、ちゃんと自分一人で訓練する。」   ナルトが、ヘッドロックを解いて、時間は作る!と宣言。 シカマルが、オレと一緒に戦略部にこもればいいと、簡単に言う。 チョージは、嬉しそうに、うんと一言。                 「チョージ、最近ちょっと痩せたー?」 「う・・・・うん。」   いのへ。 やつれたという言葉が一番当てはまります。     【End】    




 


    チョージくんダイエット作戦決行?! 実は最初、もっと長かったりしました。 ようは、チョージくんがどう相手の言葉を理解したりとか、それに対してどういう意味を含めて返しているかという説明が入っていた。 や、なんか読んでて、うだるくてねーf(^-^;) ぶった切った。 ま、なんとなくで伝わってやって下さい<おいっ。   とりあえずチョージはいい子や〜って思えば完璧!<まてっ。     【04.11.30】