【幸せ追求させろ隊 補4.2】 「サクラは、すごく女の子らしいよね。」 チョージがクスクス笑う。 「どういう意味よ!」 サクラはチョージ睨む。 「本当にサスケしか見ていないよね。 自分がどういう行動しているかさえも分かってないでしょ?」 「自分の行動?」 チョージがうんうんと頷く。 「もし、他の女の子がサクラと同じ行動していたら、サクラはたぶん呆れるか、怒ってると思うなー。」 「え?」 「ほら、分かっていないでしょ? それをゲンマ先生から言われたんだよ。 サスケしか見えてないから、自分の事も、他の人の事もまったく見ていないから、表面上だけで全て判断しているって。」 チョージは穏やかにサクラに言葉を綴る。 「今回の一対二の訓練は結構楽だったよね。 だって、相手は良く知っている仲間だったもん。 いのは、幼馴染で、癖から気性まで分かっていたし、キバはアカデミーで友達だったからね。」 サクラは大人しくチョージの話を聞く。 アカデミーでは目立たない、そして悪がきメンバーの中でもあまり目立たなかった子供が、目の前で話しているチョージと繋がらなくて、まじまじと見つめる。 それに気づいた時、なるほど自分は、今まで何を見て知っていたんだろうかと驚く。 「いのはね、すっごく素直なんだよ。 勝気に見えるかもしれないけど、根本はすっごくお人好しなんだ。 仲間の為だったら、友達の為だったら、すごい頑張るんだよ。 それが勝気に見える時もあるんだけどね。 いのはね、そんな性格だから基本にとっても忠実に、素直に覚えるんだよ。 だから、いのと戦うのなら、基本から少し外れた事をすればいい。 そうすると、一瞬動きが鈍くなるんだよね。」 サクラは目を見開いている。 懐かしい人を思い出す。 自分と一緒に花を摘んでいた友達。 その友達とすごく重なる言葉。 「サクラは分かるでしょう? だって、アカデミーでいのと仲良かったんだから。」 静かにサクラは頷く。 「ねぇ、いのはサスケを好きだと思う?」 「え?・・・・・違うの?」 チョージがくすくす笑う。 「たぶん、好きだとは思うけど・・・・いのは、サクラと言い合っているのがもっと好きなんだと思うよ。」 「・・・・・え?」 「いのの話はここまでね。 ねぇ、サクラはナルトの事はどう思う?」 チョージは少し不満げなサクラを見て。 また、くすくす笑う。 自分が全部を話してもいいけど、ゲンマ先生の意図と離れそうだったから、話を変える。 サクラが自分で分からなければ意味がないと思うから。 「ナルト・・・・・・・・はた迷惑なぐらい元気者で、馬鹿で・・・・・・悪がきで・・・・違うの?」 「ねぇ、中忍試験本戦の後、宴会したよね。 その時あの二人の話をどう思った?」 サクラは宴会の事を思い出す。 二人が呆れた話をしていた。 でも、それが事実だと疑った事は今までない。 チョージの言い方に引っかかった。 「あれ、嘘だと思うよ。」 「え?!」 「サクラ、これからヒントをあげるけど、この事は誰にも言わないって誓える?約束できる?」 チョージが真剣な目でサクラを見る。 サクラはここで話が終わってしまうのは嫌だった。 何で、ナルトの話でこんな誓いをしなくちゃいけないか分からない。 でも目の前のチョージの真剣な眼差しが、これは大切な事だと言っているように思えた。 無言で頷く。 「絶対だよ。 ここだけの話だからね。」 チョージは自分が全てを知っている訳ではない事を知っている。 あの幼馴染が何も言わないという事は、知られたくないという事だと判断していた。 いつかは教えてくれるだろうが、それはまだ先なのだろうと思っている。 だから、今言おうとしている事は、誰にも言うつもりはなかった。 でも、目の前のサクラには、きっかけが必要だろう。 ゲンマ先生も、ナルトの話をしろと仄めかしていた。 未だ躊躇いはあるが、自分の推測を語る決心をする。 「絶対誰にも言わない。 私の中にだけ置いておく。 だから教えて。」 サクラは素直にそう言った。 チョージがにっこり笑う。 「あの無精者が、あんな不自然に色々喋ると思う? 普段なら、んなもんメンドくせーって言って、皆をほったらかしているよ。 たぶん、あの二人はもっと前から強かったんだと思う。 それは、ナルトに関わる事だと僕は思ったんだ。 ナルトは、里の人から嫌われていたよね? その理由を僕は知らない。 ただ、嫌われ方が尋常じゃないと僕は思った。 その中でナルトが強いって、ナルトに対してより風当たりが強くなるんじゃないかと思ったんだ。 そう思った時にね、ナルトの性格ってどんなんだろう?って考えたんだ。 今僕達が表面上見ているナルトの性格って・・・・本当なのかな? 基本的な所はそう変わらない気がするけど、でもあそこまで馬鹿で、あそこまで明るくて、あそこまでドベだったのかな?って・・・・。 サクラは同じ班だよね? サクラも随分一緒にナルトと居たよね? 色々思い返してみるといいよ。 きっと色々見えてくると思う。 サクラは優等生なんだから、僕よりもっと色々見えるんじゃないかな?」 チョージが立ち上がる。 「サクラ、約束は守ってね。」 そう言ってチョージはサクラに背を向ける。 今日ここで最初会った時と、今のサクラとでは、顔つきが全然違う。 少しは役に立てたかな?とチョージは嬉しそうに笑う。 「チョージ!ありがとうっ!! それから、約束は絶対に守るわっ!!!」 元気のいいサクラの声が聞こえる。 すごく嬉しかった。
「よぉ、ご苦労さん。」 「やっぱり、まずかったかな?」 チョージが突然目の前に現れたゲンマを不安げに見上げる。 「あぁ?お前さんは立派にオレの期待した事をやってのけたじゃねぇか。 なんか不味い事あったか?」 ゲンマが嬉しそうに笑う。 「・・・・・ゲンマ先生は、シカマルとナルトを知っているんですよね?」 チョージはなんとなく思っていた事を言ってみる。 「あぁ、知っているさ。 オレは中忍試験本戦の試験官をしてたんだぜ。」 「そうでしたね・・・・・・あの・・・・・僕やサクラは記憶を消されたりするんですか?」 一層不安げなチョージが居た。 ゲンマが悪ぃと一言言って、チョージの頭をがしがしと撫でる。 「シカマルからの伝言を聞くか?」 チョージが驚いて目を見開く。 慌てて、頷いた。 「悪ぃ。 そのうちオレの家に遊びに来てくれ。 ナルトと二人で待ってる。 そう伝えてくれとさ。」 チョージの顔に笑みが広がった。 【End】
う〜ん、小話にしては長すぎるのぉ〜f(^-^;) 単にチョージが書きたかっただけだったりする。 うんうん、やっぱチョージはいい子やのぉ〜(゚゚*) ところで、チョージくん、奈良家にいっちゃだめですよぉ〜。 行き先は、夫婦の家ですからねぇヾ(^-^;) 【04.10.22】