【幸せ追求させろ隊〜生贄ネジ編〜 3】 自来也は、あれからおねーさんと楽しみながら、聞き込みをしている。 シカマルは自来也とは違う方向で情報を集めている。 残った二人は、ただひたすら体を動かしていた。 打撃音、金属音、そして、激しい息づかい。 街を一望出来る小高い崖の上、ネジは必死に、ナルトはネジの動きを観察しながら、戦い続ける。 「休み!」 「・・・・・はい。」 崩れるようにネジが座り込む。 体全体を使って息をする。 「ネジ〜、水分補給。」 ナルトは、ネジに水筒を渡してから、ネジの体をチェックする。 随分傷が減ってきたとにっこり笑う。 確かに手加減をしているが、それでもナルト流死に物狂いは成長する方式の訓練。 ネジの服はすぐにズタボロ状態。 怪我はすり傷だけだが、それはナルトがそこで止めているから。 まだ、訓練を始めたばかりで、この状態ならいい感じだとナルトはにっこり笑う。 ただネジには今まで白眼があった。 自然と使っていたモノを使わない方に気をとられがちになる。 ナルトは、里に帰るまでには、白眼を使わずに、以前以上に自然と体を動かせるようにしようと思っていた。 里には、ゲンマが鍛えている下忍達が待っている。 おっさんには負けねーとちょっとずれた方向に燃えていたりもする。 「ナルト・・・・。」 「へ?・・・・何?」 「前から聞こうと思っていたのだが・・・・お前は白眼をもっていないな? どうやって点穴が分かるのだ?」 中忍試験の時、ナルトは自分に向かって柔拳法八卦六十四掌を仕掛けてきた。 それは間違いなく、ほぼ全ての点穴を塞ぎ、自分を動けなくしていた。 「あ・・・・あれ?・・・・・。」 ナルトが頬をポリポリと掻く。 「一応点穴の位置はシカに教わったんだけどさ・・・・・んなの全部覚えられるわけないだろ。 それに人によって微妙にずれるとか言われたし・・・・。 だから、勘?・・・・・雰囲気で突いた。 まぁ、一応力加えてたから、点穴を塞がなくても、それが効果として現れればいっかなー・・・なんて。」 ネジは呆れるよりも、感心してしまった。 勘で分かるなら、白眼など必要がない。 なんとしてでも、白眼を使わずに、体を自由に動かせるようにしようと考える。 ただ、ずっと自然にあった機能。 呼吸すると同じ感覚で使っていたものを、どうやって切り離したらいいかが分からない。 「ネジは損だよねぇ。白眼があるから、つい使っちゃうだろ? そんなの無くても強くなれる才能があるのになー。 う〜〜ん、それって、真っ暗でも使える?」 「そうだな。」 「むぅ〜・・・・・・・・そかっ!幻術!」 ナルトが印を切り始める。 複雑な印を切りおわった時に、外側からも内側からも透視不可能な大きな結界が現れた。 そして、もう一つ印をきる。 ネジは、光の一切無い暗黒の中に立っていた。 「ネジ〜、白眼使ってオレを探してみて〜。」 ネジは一つ頷いて、白眼を発動させる。 しかし、同じ結界内に居るはずのナルトを見つける事が出来ない。 「白眼でオレ見つけられた?」 「いや、何一つ見えない。」 「やった!じゃぁ、微小のチャクラを載せたクナイ飛ばすから、気配でなんとかしろー。」
「短冊街だとよ。」 「ワシもそう聞いたの。」 「じゃぁ今から移動?それとも御飯食べてからにする?」 自来也が呆れ顔でナルトを見る。 「ナルトー、せめてネジを一晩休ませろ。」 「・・・いや、オレなら大丈夫だ。」 ズタボロ状態で言われても説得力0。 幻術世界で訓練始める事、3日目。 その間気を張りつめ続けていたネジは、体力や怪我よりも、精神的に疲れ果てていた。 そこに、ナルトが予備動作一切無しでクナイを放つ。 ネジは無意識にクナイを取り出し、弾き返した。 「な、すっげーいい感じだろ? だから、オレとしてはもう少しこの状態を維持して欲しいなーなんて。」 「あー、お前、訓練ってどうやってんだ?」 「ん?気合入れた結界作って、幻術使って真っ暗な世界にネジを閉じ込めてる。 後はクナイ投げ放題vv」 「お前は鬼か? もう少し真っ当な方法で訓練しろっ!」 自来也が呆れてナルトの頭を叩く。 「だって、死に物狂いってのが一番伸びるだろ? ゲンマだって、死に物狂い状態にしたらすっげぇ〜伸びたし。」 まぁ、確かにゲンマも伸びたよなーとシカマルが呟く。 ただ、どんな訓練内容だったか聞いてなかった。 死に物狂い・・・・それであの当時ゲンマは物凄くやつれていたのかとシカマルの額に冷や汗一つ。 「不知火か? あいつは特別上忍だったが、上忍にでもなったのかのー?」 「いいや、今だに特別上忍だぜ。 あいつは、特別上忍で居たいんだとよ。特別上忍って仲良いよな。」 ゲンマは、特別上任のままで、ハヤテと一緒に任務したいと思っている。 ハヤテもシカマルとの訓練によって、問題無く上忍になれるレベルになっていたが、ハヤテも上忍になりたいとは言わない。 二人とも、特別上忍の雰囲気と居場所が気に入っていて、上忍になりたくないというのが本音のようだ。 「ナルト、とりあえず明日出発な。 じゃねーと短冊街に行く前にネジがぶっ倒れる。 でだ、この後2時間だけ二人でネジに稽古を付ける。 それを一段落としようぜ。」 「・・・ワシも付き合う。 お前達だけでは、怖すぎる。」 ちらりとネジを見る。 顔色も悪く、未だ神経を張り詰めているのが一目で分かる。 ふらふらとネジが立ち上がる。 では行こうかと、一言言って、扉に向かおうとした。 「ネジ、まずは食事だ。 食べられないかもしれぬが、スープぐらいは胃に入れとけ。」 自来也がネジの肩に手を伸ばそうとする。 途端、ネジが振り向き、手にはクナイを持っていた。 自来也は、半身をひねり手刀をネジの首筋に落した。 「ナルト、お前やりすぎだのぉ。」 自来也がネジを担ぐ。 ナルトは俯いて小さくごめんなさいと一言。 自来也の開いた左手をナルトの頭にのせる。 「ま、お前も少しはいい経験になっただろ。 シカマルのように、妙に要領のいいやつや、ゲンマのように体力の権現みたいなヤツばかりじゃないってことを覚えたな? ネジは不器用で、まだ下忍だ。 いくら良い才能があっても、まだまだ改良の余地のある子供だからのぉ。」 「うん。分かった。」 「なら、食事の後は、ワシに任せろ。 少し気分転換に術の一つでも教えてやるとするか。」 言った瞬間自来也は、二組のキラキラした目に驚く。 「どんな術?」 「教えろっ!」 あのメンドくせーが口癖のシカマルまでが期待に満ちた視線を向けている。 「はー・・・お前らは、必要ないだろ。 どうせ教えるのは火遁程度だぞ。」 「え〜〜俺達には別なの教えろってっ!」 ナルトが頬を膨らます。 「新しい術を覚えなくとも、お前らは十分強いだろうが。」 自来也の言葉にちげーとシカマルが一言。 「オレは単に知識欲。 それに相手の術を理解してれば、対抗するのも楽だろ?」 「それで、さっきの術か?・・・・・あれは何だ?」 「あぁ、螺旋丸の対抗策か? あれは、クナイにチャクラを吸収する効果を付けただけ。 オレには、ナルトみてーに同じもん作るほどのチャクラはねーし。 吸収した方が労力的にも楽だろ?」 シカマルだって作れるくせにと、ナルトがぼそっと呟く。 それを聞いた自来也が不精する為の知識を増やす欲かと呆れる。 「なら、ナルトは何でかの?」 「オレは、シカマルと、じじぃと、奈良のお父さんとお母さんと、ハヤテとゲンマと、イルカ先生とネジと、・・・・・・う〜ん下忍の同期とか・・・・一楽のおっちゃんとか・・・・・いっぱい居るなぁ・・・・皆を守りたいからっ!」 「ナルト・・・その中の一部は守る必要がない気がするがのぉ。」 「それでもっ! オレはそれしか出来ないからっ!」 シカマルが小さく笑う。 自来也が慈しむようにナルトを頭をぽんぽんと叩く。 「しょうがないのぉ。 ネジにもいい勉強になるだろうから、ワシが知ってる術を全部見せてやるとするか。」
「自来也のおっさんっ!次〜!!」 ナルトが拍手しながら、もっとコール。 「もっと面白い術は出来んもんかのぉ? 酒の肴にもなってねーのぉ。」 口寄せされたガマブン太が巨大な杯を持って愚痴る。 「・・・・未成年が酒を飲んではいけないだろう・・・・。」 そう言いながらも無理矢理飲まされたネジは頬が少し赤い。 「ま、息抜きはしねーとな。 明日から、また訓練するんだろ?」 湯のみになみなみと入った酒を飲みながら、ネジと話ながら、自来也がやる術を分析しながら、シカマルはのんびりと木によりかかっている。 「ナルト!少しは年寄りを労われっ! ガマブン太、酒なんか飲んでねーで、お前も何かしやがれっ!」 さっきから、一生懸命?術を披露しているのに、目の前は宴会会場。 自分は、見世物かっ!と、ずっとムッとしたままの自来也。 ナルトもシカマルもかなり色々な術を知っていた。 自来也が披露した10に1つ知らない術があるかどうか。 術を勉強する必要がどこにあるんだっ!と自来也は心の中で叫んでいた。 【続く】
ちぃっ!術等の説明が甘いっ!>臨の書 白眼ってどこまで有効なんだっ!暗闇OK? なんか透視能力と同等げなんで・・・・・暗闇もOKそう(;_;) くっ!幻術だ幻術!幻術なんでも使えるぞっ!にする。 幻術オールマイティっ! という経過により、白眼は使えなくなりました・・・(ーー;) 頑張れネジっ! なんか、ネジ気絶し放題?Σ(゚▽゚;) 一応この一連は、ネジが主役?のはずなのにっ! しかもいまいち生贄っぽくないしっ! あぁ、生贄は自来也なのかもf(^-^;) しっかし、いつになったら綱手様が出てくる?f(^-^;)^^^^^ 【04.09.16】