【薔薇の埋葬】     今日もほのぼの7班、8班、10班の合同任務。 一部任務とは名ばかりで、いちゃこいている二人が居るが、それもすっかり馴染みの光景。 なごやかになれない、二名のうち一名は、随分前から里外任務押し付けられ中。 もう一人は、すっかりいじけて、より一層目つきを悪くしているが、それさえもすっかり、すっかり馴染んでしまった。   そんなほのぼの?な光景を壊すがごとくの、雄たけびが突然響き渡る。   「なぁ〜るぅ〜とぉぉぉぉぉっvvvv!!」   ドップラー効果をふんだんに使い、里外任務に行ってるはずのもう一人がナルト目指して走ってくる。 それ以外はまったく目に入らないという勢い。   サスケを覗く全員が、無駄な勢いだよなーと、驚きから復帰後一番に思う。 ナルトは、シカマルの腕の中。 下忍であり、暗部まで兼業しているシカマル。 すっかりこの面子にばれている。いや、ばらしている暗部なシカマル。 三代目も、一々記憶操作するのが面倒になって、ほったらかし。 しかし、実際は二人の世界を見ているうちに全員その事だけが頭に残り、ばれてなかったり?もする。   そんなシカマルのこれからの行動と、楽しそうな未来の出来事に全員がワクワクvv サスケだけは、シカマルに一矢報いてみろと、心の中でカカシを応援していたりする。ちょっとした漁父の利狙い。   カカシは突進する突進する。 しかし、あと1mでナルトという所で見えない壁に激突。 虚空に鼻血の跡を付けながら、地面にうつ伏せる。   「あ〜ぁ・・・・ねー先生、カカシ先生って暗部やってたって聞いたけどー?」 「あーだから過去形なんじゃねーの?」   アスマの返答に、なるほどと全員が頷く。   「あら、変態がバレたから暗部を放り出されたとか聞いたけど?」   紅の言葉に、それもありだと再び全員が頷く。   そしていつも通りに馬鹿っぷるのめくるめく世界が既に始まっていたりする。 シカマルは、髪をほどきナルトの首筋に顔を埋めている。 頭上には相変わらずの眩いばかりの光のシャワーを垂れ流すピンスポ。 仄かに香る、薔薇・品種パパメイアンの香り。 うざいほどの点描。 飛び散る薔薇の花びら。 これでもかってぐらい乙女チックな世界が広がっていた。   「カカシ先生は?」   目の前のお素敵な光景を見惚れていたサクラがはたと気づく。   「黒いオーラで素敵な"殺"の字を地面に書いてるわー。」   いのが、いつもの事とばかりに、ちらりとカカシを見て返答し、即座に視線を素敵な世界に戻す。   「そのうち邪魔だって、蹴られるだけなのに・・・・懲りないわね。」   紅は、視線を二人から一切外さず、感想だけを漏らす。   「懲りないよね・・・・・・・・・。」   同じく自分の担当上忍と同じ態度を取るヒナタ。 ナルト以外見えていない。特殊な眼力を持つお穣様。   「・・・・無駄だというのにな。」   とりあえず今後の為の勉強だとばかりに、真剣に見つめるシノ。 真横に居る、想い人は真っ赤になって同じく見ている。 ふふふ、愛いヤツと心の中でニタリとだらしなくにやける。   「カカシ先生、おあずけ状態で大丈夫かなー?」   目の前の光景も、カカシの無駄な足掻きもどっちも楽しいのとばかりに、いのが楽しそうに発言。 なにせ、目の前のナルトは、既に上半身裸である。 裸体の上に散りばめられた赤い薔薇の花びらの中に、花びらとは違う赤い彩りが見えたりもする。   「だめだねー。シカマルが、きっちり影縛りしてるよ。」   チョージが動かないカカシを不審に思い、影をチェックしていた。 案の定、カカシの影にピンク色のクナイが刺さっている。   「シカマルらしいわねー、いつ影にクナイ投げたんだろうねー。」   ちょっと展開に不服ないの。 もう少し動かしてくれればいいのにーと心の中でシカマルにつっこむ。   「うっわ!オ、オレこの場からにげてぇ!!」 「わん!」   シカマルの手がナルトのズボンの中に伸びていた。 さすがにこれ以上は見ていられないと、真っ赤になったキバと赤丸が叫ぶ。   「・・・・逃げるか?」   一応愛しい相手の言葉を反芻してみるだけのシノ。 自分としては、もっと勉強を続けたいと思う。   「遅かったわねー、カカシ先生が動き出しちゃったわよー。」   カカシ、アスマのやばい過去をネタに、クナイを抜き取ってもらっていた。 さすが元暗部、卑怯なネタはいくらでも出てくるらしい。 いの曰く、これからが楽しいんじゃないと、キバとシノの服をぎゅぎゅっと掴み、放さない構え。   「「展開が楽しみよねー」」   いのとサクラがニッコリ笑いながらはもる。 さすがにこの二人を相手に逃げることも出来ず、再びぁゃιぃ光景を見てしまうキバ。 結構へたれである。   「あはは、ラブ光線に押されてるみたい。」   チョージが無邪気にカカシを指差して笑う。   「二人の側に行けないみたいねvv」   サクラが楽しくてしょうがないですとばかりに、満面の笑みと邪心オーラをかもし出す。 「シカぁ〜vv」   ナルトの甘ったるい声が漏れる。   「ナ・・・・ナルト君・・・・可愛い・・・・///」   鼻から出血ぎみのお穣様ことヒナタが、うっとりとナルトを見つめ続ける。   「ヒナター、それなんっかちがくねぇ?」   一応ハンカチをヒナタに差し出すキバ。 それでもナルトに夢中なヒナタは気づかない。 ため息を一つついてから、ヒナタの鼻からしたたる鮮血を拭いてあげていたりする。 キバの想いが伝わる予定今だ皆無。 背後で同じくらい想いが伝わっていないシノが、同じくため息をついていたりする。   「・・・・カカシ上忍にも効果ありだな。」   ラブ光線に押されながらナルトだけを見つめるカカシの鼻からも大量出血大サービス中だった。   「血の海ねー。」   せめて、戦闘して血を出して欲しいわと、いのが呆れたように呟く。 そこに、もう一人の乱入者が現れる。 盛大なため息と、額に大量に飾られる青筋。三代目のご到着。   「はー・・・相変わらずのようじゃの。」 「うわっ、ささささ三代目っ!」 「三代目様っ!」   一応上忍、子供達の担当者が慌てて態度を繕う。   「アスマ、紅、任務はどうしたんじゃ?」   じと目で二人を見る三代目。   「や・・・・はは・・・・色の任務の勉強・・・・です・・・・かね。」   紫煙を吐き出し、大量の冷や汗を生産しながら、とんでもねー言い訳を吐き出すアスマ。   「いつかはしなくちゃいけない事ですし。」   そのとんでもねー言い訳に便乗する紅。動揺が激しすぎた。   「馬鹿者っ!!!!!」   当然の結果。二人は三代目に怒鳴られる。   「・・・・あー?」   一応三代目の罵声に、シカマルが一瞬振り返るが、無視する事に決定。 シカマル特性薄ピンク色の結界が張られる。   「やん・・・ぁ・・・・・。」   そして続行される、愛の営み。再びナルトの声が漏れ聞こえる。   「っ〜〜〜〜家でやらんかぁっっっ!!!」 「「「そういう問題なんですか・・・?」」」   三代目の罵声に対し、速攻突っ込みを入れる、下忍三人娘。 こんな状態で、こんな突っ込みを入れるようになってしまった子供達に頭が痛くなる。 ため息を再びついて、複雑な印を切る。 シカマルが作成した結界の周りを全て覆うように、新しい結界が張られた。   「アスマ、あっちの方向に蹴るのじゃ。」   指差すはシカマル家方面。 アスマは不安そうな顔ながらも、三代目が指差した方向に結界を景気よく蹴り飛ばす。   「・・・・・飛んでったね。」 「ええ、飛んでったわね・・・・。」   残念そうに、ヒナタとサクラが呟く。   「アスマ先生、この人、どうしよう?」   血溜まりを大量に作りながらも、飛んでいった方向にはいずっていくカカシを指差すいの。   「あー・・・・ほっとけ、明日にゃ戻ってんだろ。」   どうでもいいとばかりに煙草に火をつけるアスマ。   「ねー、なんかあっちの方向ピンクの靄が見えるのは気のせいかなー?」   全員がいのの指差す方向を見る。 蜃気楼のように景色がピンク色に歪んでいる。 まるでピンク色の霞のように。   「気のせいじゃないよ・・・ふふふ・・・・オレのナルト〜〜〜!!」   鼻血を撒き散らしながら、ピンク色の方向にダッシュしていくカカシ。   「どうせ、返り討ちにあうのがせきの山でしょ?」   サクラ、きっぱり、さっぱり、カカシを切り捨てる。   「・・・・カカシ、お前何戻ってきてるんだ?」 「・・・・・・・・・・・・・シカマルめ・・・・コッチにも結界を・・・・!!」   半泣き状態のカカシが拳をぶんぶん振り回す。   「オレ達はでれるぞ?」   結界を触ろうとしたサスケが、するっと通り過ぎる。 あまりに不甲斐ないカカシに舌打ちしながら、結界の外でサスケがカカシを見下す。   「え?サスケマジで?」 「ああ」   続いて子供達全員が結界の外に出て、カカシに楽しそうに手を振る。   「じゃぁ、帰ろっか。」   全員、楽しそうに頷く。   「じゃぁな、カカシ。」 「頑張ってねvv」   アスマと紅が飲み屋の方向に、酒の肴は得たとばかりにルンルン状態で去っていく。   「先生バイバイ〜。」   一応担当上忍だからと、サクラが代表で挨拶を送る。 今日のシカマルのスポットライト、いつも以上に明るかったわよねーとサクラ。 そうね、薔薇の花びらの量も多かったわねーといの。 楽しそうに今日の感想を語らいながら去っていく子供達。   「え!?嘘でショ!?ちょっとまってよみんなっ!!」   そんな言葉で待つような人間はここには居ない。   「え・・・・・ええええぇぇええーーーっ!!」   大絶叫するカカシ。           そして・・・・・   「これ何かなぁ?」 「さぁ〜?なんかの干物みたいだねぇ。」 「どうする?」 「捨てようぜ。気色悪いしさぁー。」   焼却炉につっこまれる干物(元カカシ)。 結界には、チャクラを吸い取る効果があったようだ。   さようなら、カカシ。 木の葉の皆は君を忘れない。 石碑には、ちゃんと変態の称号を付けておいてやろう。     【End】    




 


    えー、メールのやり取りから生まれた、カカシ苛めのシ3でございます。 文中色が違う文字は、阿津緋さん作の文章でございます。 さすがカカシ苛めの権威(未読猫が勝手に思っている)阿津緋さん。 素晴らしい展開でございました。 楽しかったぁ〜vv ということで、阿津緋さんに了承をもらいまして、文章に起こしましたです。 ははは・・・・・シ3は内容がないよぉ〜ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ 楽でいい世界でっす。   阿津緋さん、素敵な会話をありがとうございました。 もしよろしければ、もって帰ってください〜vv