ラフプレーの多い試合だった。 それでもチームの要は未だ闘志を燃やし、敵のゴールへとボールを運ぶ。 それに引きずられるように、それぞれが口元に不敵な笑みをうかべ、楽しそうに笑い、エースにボールさえ廻せば自分達が勝利すると疑わなかった。 その時会場全体に沸き起こるコール。 あまりのラフプレーに全ての観客がたった一人のエースの名前を叫ぶ。 スフィアプールの水が振動する。 ティーダと。 そして、一瞬目を見開いたけど、再び不敵な笑みを浮かべたティーダは、シュートを放つ。 ボールはゴールに吸い込まれ、終了の合図が響き渡る。 2−1ビサイド・オーラカの勝利。 観客は再びエースの名前を叫んだ。 【俺様ンち 9−1】 「うわっすっげぇ〜!今日誰かの誕生日だっけ?」 肘ついたおやじが、お前のラストシュートのお祝いみてーだぜとニヤニヤ笑ってくる。 オレは意味が分からない。 「早く手を洗ってこい。今日はお前の好きなものを揃えておいたぞ。」 「おうっ!」 分からないけど、とりあえずアーロンの夕食。しかもオレの好きなものっ! 速攻で手を洗いに行く。 「なぁなぁ、最後のシュートって?普通のシュートだったッスよ?」 アーロンが頭をなでてくる。 いつまでたっても子供扱いには少しむっとくるものがあるけど、とりあえず答えを聞きたい。 何だよとアーロンの顔を覗きこむ。 「懐かしかったからな。あの時は違う名前だった。 ・・・・・・お前も随分人気者になったというお祝いだ。」 「アーロン・・・・・あの試合見てたッスか?」 「あぁ。お前は途中で楽しそうに沈んで行ったな。」 俺はなんか照れ臭くて鼻の頭を掻いた。 アーロンがおやじにワッカの試合について話している。 最近良く思い出す仲間の話。俺は、楽しそうに聞いていた。 「へぇ〜それでかい。おめぇ一瞬止まっただろ?」 「あはは・・・・なんかすっげぇ〜懐かしくて・・・・。」 ザナルカンドでも、スピラでも随分沢山の試合をしたと思う。 それでも、一番に思い出されるのは、あの試合。 スフィアプールが振動する。 たった一つの言葉に。 会場全体が声を揃えてコールする。 ワッカと。 あの時自分の出来る事は一つ。 ワッカに後を託すこと。 もっと試合を続けたいとも思ったけど、観客が求めているのは自分ではなかった。 それが少し残念だったけど、それでもワッカにあの試合を渡せて満足だった。 あの時、仲間が居た。 ザナルカンドに居た頃よりも、もっと強い絆で繋がれていた。 ユウナという前しか見ていない一途な召還師を中心にして、皆戦っていた。 ユウナ。 ワッカ。 ルールー。 キマリ。 リュック。 そして、アーロン。 懐かしいというほど月日はまだ経っていない。 ただ、俺は皆に二度と会えないから・・・すごく懐かしく感じる。 目の前には別の意味で、二度と会えないと思っていた二人が居て、あの頃とは違う生活を毎日楽しく過ごしている。 それなのに、たまに・・・・すごく・・・・皆に会いたくなる。 皆は、グアドサラムに行ってたりするのだろうか? そしたら俺は、あの何も無い空間に浮いていたりするのだろうか? 「・・・ーダ・・・・ティーダっ!」 「へ?」 目の前に苦笑を浮かべたおやじとアーロンが居た。 「ティーダ、考え事なら食事後にしろ。 折角の料理が冷めるだろ。」 「うわっ、ごめんっ!」 この目の前の豪勢なアーロンディナーを、残すわけにはいかない。 慌てて、フォークを持つ。 「ティーダ、慌てなくても食事は逃げないぞ。 いつになったら、落ち着くという言葉がお前に身に付く?」 「あー・・・無理無理、こいつおこちゃまだもん。」 とりあえず口の中の幸せを満喫するために、目線だけで文句を言う。 それでも、目の前の二人は、どこ吹く風とばかりに、何の影響もない。 あぁ、ルールーもそんな事を言っていたなと突然思い出す。 『本当にあんたって・・・少しは落ち着きなさい。』 くそぉ〜、ワッカがここに居たら、一緒にぼやいてくれるのにと思った。 そんな事を思っていたら、頭を撫でられた。 「なーんッスか?」 おやじと、アーロンが、愛おしそうに・・・そして悲しそうに頭を撫でて、叩いてくる。 自分はその表情の意味が分からなかった。 そして、おやじは次の日から長期休暇を取った。 【続く】
ははは・・・・終わらないとは思ったんだ。 うん。やっぱり終わらない。 予定通りってかぁ? 俺様ンち9は分けます。 なんか幾つになるかは不明f(^-^;) つかどうなるんでしょう? 先行き不透明。 最後だけはわかっているのに、途中がどうなる事やら。 なにせあの人が出てきます。 あの似非笑顔のあの人・・・・・・((((((^-^;)まじ先読めねぇ。 ま、たぶん・・あと少しだ!頑張るぞぉ〜(;^-^)/ 【04.11.06】