最後の戦いが終り、俺はみんなと別れて飛空挺から飛び降りた。 ブラスカさんとさっき異界送りされたアーロン、そしておやじが俺を迎えて・・・あれ? 「?」 「どうしたよ?」 「俺消える予定だったんだけど?」 「それなら俺も消える予定だったけどよ、シンだったせいかね?」 「説明する人が来てくれそうになさそうですね。気にせず、異界ライフを送ったらどうですか?」 うわぁ、そんないい加減でいいッスか?ブラスカさん・・・ 「ブラスカは、ビサイド島か?」 「あぁ、今は妻と二人で過ごしているよ。アーロンはどうするんだい?」 「俺は、ジョゼ寺院にある書庫が気になるから、ミヘン街道近辺に家を探す。」 アーロンって相変わらず本好きだなぁ。 俺はどうしよう? 「おめぇは俺様とルカだからな。ブリッツやるだろう?」 「ブリッツ出来るッスか?!」 「おう!さっきブラスカに聞いたぜ。チームもあるみてぇだからよ、入るよな?」 「うッス!」 *** 今度はスタジアムで会おうと約束して、みんなと別れた後、おやじと二人っきりになった・・ 何話せばいいんだ? 「当分家はあれだから。いこうぜ!」 ここルカだったのか? で、目の前に見えるあの家が俺の家ッスか? 「家がもうある?」 「おう!ブラスカが用意してくれたみてぇだ。」 「消える予定だったのに?」 「あいつ・・何か知っているみてぇだな。ま、素直に説明とかしてくれるやつじゃねぇから、 異界ライフを楽しむしかねぇな。」 「ユウナのお父さんだよな?」 「おう、ユウナちゃんは、いい子だったろ?」 なんか、『は』がすごく強調されているのが・・・ 「あぁ・・」 「父親に似なくて良かったよなぁ〜」 「ブラスカさんってどんな人?」 「・・・迂闊なこと言って、バハムートに新居を壊されたくねぇよなぁ・・・」 そ・・そんなにやばい人?! ユウナよかったな、お父さん似じゃなくて・・・ そんな事思っていたら、もう家の前。 ふ〜ん。海に近いんだ。いい所だな。 「中身もあるって言ってたから、コーヒーでも用意してくんねぇ?」 「あぁ、いいッスよ。」 おやじにコーヒーを入れる。なんか変な感じ。 うわぁ〜食材やらなんやら色々用意されている。これ・・・後で請求される? バハムートが請求に来たら、いやだなぁ。 「おやじ、砂糖やミルクいるのか?」 「いんねぇ。」 「じゃ、これ」 「お、ありがとよ。」 ありがとう・・・おやじからありがとう・・・ すげぇ変な感じ。 「おめぇも座れや。」 「あぁ」 感じのいいリビング。ベージュのソファーが置いてある。 おやじの前に座って顔を見たら・・?・・・真面目な顔? 「あのよぉティーダ、すまなかったな。悪かった。ごめん。」 「へ?」 おやじが謝っている?俺に? 「アーロンがこっちへ来て最初にした事なんだか分かるか?」 「アーロンが?・・・分からない・・」 「真っ先に俺に征伐をぶつけて来やがった。」 「なんで・・?」 「俺の子育てについての感想とおまえに謝れと。 シンの中でがんばってた俺様に挨拶もなしだぜぇ。 あいつがそれほど怒るって事は、俺が全面的に悪いって事でよぉ〜。だから、すまなかった。」 再びおやじが俺に頭を下げる。 「もう・・・もういいッス。俺言っただろ。あんたの息子で良かったって。もう分かっているから。」 「でも、けじめは付けねぇとな。 でよ、おめぇチームに入るの一ヶ月待ってくんねぇ?」 「は?」 おやじの話の展開について行けない。一ヶ月? 「一ヶ月俺と一緒に親子してくんねぇ?」 「はぁ?・・一ヶ月後はどうなるんだ?」 「忙しくなるだろ?俺もおめぇもどっかのチームに入って試合生活するんだからよ。」 「それって、一ヶ月間おやじとゆっくり親子するってことか?」 「おう!いいか?」 「いいッスよ。」 「それと、もう一つ頼みがあるんだけどよ。いいか?」 「何ッスか?」 今度はもっと緊張した顔?今日はおやじの珍しい顔ばかり見ている気がする。 「俺、おめぇと話すとあがるみてぇで、暴言吐きまくりみたいだからよぉ。 思う事があったらその場で言ってくんねぇ?」 「は?」 あがる?おやじが?あのおやじが?・・・俺に?? 「なんでぇ、その顔はよぉ〜」 「だって・・おやじが?あがる?俺に?・・・はははっはははははははは」 「こんのっ!」 おやじがテーブルを飛び越えてヘッドロックをかけてくる。 「うわっ何すんだよっ!」 「ん〜?聞こえねぇぜぇ〜。」 「馬鹿おやじっ!」 「俺様がおやじで良かったんだろ?」 「前言撤回っ!」 「前言撤回なんかさせてやらねぇ。俺、おめぇの事すっげぇ愛してるんだぜ。」 「ばっ!」 「おやおやどうしましたか?ジェクトさんちのおぼっちゃまは、顔が真っ赤ですよ。」 「だ・・大嫌いだっ!!」 俺が叫んだ瞬間におやじが俺を抱きしめる。 「そんな事言うなよ。俺、おめぇの事が大好きなんだからよ。」 「・・・」 そんな優しい表情で、そんな事言うなんて、反則だっ! 「おめぇ、相変わらずだなぁ。泣き虫。」 「うっさいなぁっ!」 「ま、お父様の胸ならいつでも貸してやるからよぉ。いつでも泣きな。」 「泣かない!」 「じゃぁ〜今日から、息子のティーダ君。よろしくなっ。」 昔のままのおやじだったら、なんとか対処できそうなのに。 今のおやじって、愛情全開放状態のおやじって・・・どうしたらいいんだ? ま・・・ちょっとうれしいけどな。ちょっとだけだけどな。 そんなこんな、色々思っていたら、おやじがいない?あれ? 台所から料理をしている音が聞こえる??おやじ料理作れるのか? 「おやじ・・料理作れたんだ?」 「おめぇがちぃせぇ頃結構作ってやっただろうが。」 「へ?知らない。」 「冷てぇなぁ。ま、仕様がねぇか、おめぇがすげぇ小せぇ頃だったからなぁ。 あ、おめぇ料理は出来るのか?」 「アーロンに仕込まれた。一人暮らしするなら覚えろっ!とか言われてさ。」 「そうか、あいつらしいな・・・・・・飯当番は、毎日交代だな。」 ん?おやじどうした? 「思う事があったら言えって言ったのはおやじだろ?なんだよ?」 「おめぇも立派なエースなんだな。」 「んだよ?」 「試合を取りまとめるにはチームメイトの気持ちまで分かって指示しねぇと、乱れが生じるだろ? そいうのをよぉ瞬時に把握出来ねぇとな。特に試合中にはそれが必要だろ? それが出来なきゃエースなんかなれねぇよ。」 「そうだけど?」 「俺はブリッツ仲間とか自分の女房とかは得意だったんだけどよぉ。 おめぇの事になるとなぁ・・ アーロンが俺より長い時間おめぇと一緒にいたのが羨ましいな。 まぁ、あいつの方が父親らしいしよ。」 「馬〜鹿おやじ、そんなもんこれからいくらでも時間を重ねられるだろう?」 「かぁ〜〜〜うれしいこと言ってくれるねぇ〜。」 「うわっ!懐くなよっ!」 でかい図体のおやじに抱きしめられても、うれしく・・・ないことはないか?! 「料理出来たら持っていってやるから、あっちで待ってろや。」 「はぁい。パァパジェクト。」 げたげた笑うおやじ。 あの頃にこんな感じだったら良かったのにな。 でも今、これからずっとこんな感じならいいか。 【end】 |
あっしが書く小説でアーロンが、まったくわき役。というか名前程度っていうのって・・・
でもねぇ〜ジェクトも好きなんだよぉ〜。
ジェクトとティーダこの二人っていい感じだよねぇ。
だからといって×までは・・・さすがに勇気がないんで、俺様ンち。
ほのぼのファミリー小説ってところでふ。