ワイルド・ディスカスの入手
タンクブリード・ディスカスに飽き足らず、より育てがいのあるワイルドに魅せられて、ショップをめぐる。地元ではこの趣味はマイナーで、比較的大手のショップでも遊園地と隣接し、錦鯉、金魚は充実でも、熱帯魚温室は一般魚が多く一部のマニア向け古代魚、etc・・・。当然ワイルドディスカスは某問屋経由の極普通のワイルドが少量だけ。

ショップ探し

そこで、目を向けたのが熱帯魚月刊誌(フィッシュマガジン、アクアライフ等)の広告ショップを自分の足で見て回る当然、首都圏や大阪といった都会地が多い。はじめた当初からディスカスブームは去り、扱いショップは限られていました。今もそうですが、私の可能な限り通ったショップで現在も続いているショップは、大阪のペットバルーンさんだけとなりましたね。東京のワイルド・アマゾンさんも今年から小売は中止しました。 しかし、最近インターネットを使うとかなりのショップが検索できます。でもワイルド・ディスカスを専門的に(直輸入)で扱っているショップは熊本の八代海洋さんレヨンベールアクアさんとペットバルーンさんぐらいではないでしょうか。寂しくなりました。他のショップでも扱ってはいますが取扱量、直輸入の面ではやや?ですね。

手乗り写真
ネットで画面を見て購入する場合、手乗り写真で紹介されることが多いようです。これでは本来の色や欠点がわかりづらいのではとお思いの方も多いかと思いますが、水槽に放たれてしまいますと1匹が限定して写真が取りづらいのと、実は入荷直後の手乗り写真が一番本来の色彩に近いのです。ただ、昨年からブラジルからの直行カーゴ便が中止となり、ロス経由となっているため、日本に到着する時間が多くかかっていることから、入荷直後のダメージが以前より多いようです。直行便のある時代の入荷パッキングを開封するシーンに何度も立ち合わせていただきましたが、アマゾン現地の水でパッキングされて袋から出てきた直後は目を見張る色彩を放っています。特にブルー地が鮮明です。これをショップの水に徐々に水あわせしていきますと、すぐに色彩は白っぽく変化し、見立てが困難になります。 そこで、ショップではトリートメントし、水になれた時点で販売を開始するわけですが、ちょっと経験すれば入荷直後のトリートメントは自分でも十分できます。入荷時を狙わないとトップクラスは入手できないのです。大阪のペットバルーンさんは特に現地直接買付けで毎年何度も入荷があり、トップクラスもごろごろです。唯一入手できるショップは日本ではここだけではないでしょうか。当然資金も十分必要ですが。

地元の事情

大化けの魅力

 入荷時トップクラスを狙うと当然高額でもありますので、なかなか手が出ませんが、12,3センチクラスの模様もあまり鮮明でない個体を選んでも、時として大化けし、ロイヤルになる固体が多く存在します。テフェグリーン、ヤムンダ、マディラ、アレンカーなど、一般にこクラスのサイズが(1歳から2歳魚)最も水に慣れやすく、餌食いも盛んで成長もよいようです。

残念賞!

 せっかく、自分を信じて入手したのに、餌食いが悪く、うまく飼育できない個体がいます。経験からこれらはほとんど日本への輸送時のダメージが大きく影響しているものと思います。特に成魚(アダルト)・老成魚個体は要注意!輸送時のダメージを受け易く、回復しにくい固体が多いようです。普通の個体でも入荷後激しくPHショックを受けた個体も回復しにくい。これらはあらゆる治療を施しても回復せず立ち上がることはできないでしょう。あきらめです。

目利き

 老成魚は絶対買うべからず。どんなにすばらしい模様であっても。ついスポットやラインの多さに目をとられ、選んでしまいがちです。ご存知の方も多いと思いますが、ディスカスに限らず、全ての観賞魚で高齢の見分けは魚体に比べての目の大きさです。目が大きいほど老成魚といえます。多くのワイルドディスカスを鑑賞して、その魚種の持つ魚体と目の大きさを記憶しておきます。特に魚体に比べ目の小さめの産地として知られるのがヤムンダ産とアレンカー南岸のイナヌ産です。また、テフェを含めたグリーンは一般に魚体に比べて目が大きいようですが、選ぶときはその中でも目の小さめを選ぶべきです。 体型も非常に重要です。体高があり、背鰭尻鰭が大きく、その名のとおり、より円盤に近い、張りのある魚体を持った魚を選ぶべきです。
 水槽に放たれている魚を選ぶときは、まず入荷日から日が浅いうちに見るべきです。よい魚を手に入れるときは入荷日を必ず、チェックしておくべきです。各鰭をピンと伸ばし、堂々としていることです。水槽の隅っこでじっとしている魚、黒ずんでいる魚は避けるべきです。若くて元気な魚であること。その他、魚体の傷、欠損、鱗の乱れ、バーチカルラインの乱れ、赤目か金目かは当然のことです。

 以前、SHOPの入荷シーンに立ち会ったとき、それはヤムンダブルーの日本初入荷だったと思います。優に20cmを超え、体高も高くド迫力の個体でしたが、どれ1匹もパッキング袋から出した瞬間からすでに死着でした。ただ、ただ、残念で眺めるしかなかったのです。つまり、あの大きな魚体を同様な大きさのパッキンッグで送られてくるのですから、必要とする酸素量、袋の狭さからして輸送中に受けるダメージは小個体と比べものにならないと推測できます。現地のシッパーは魚体の大きさよりも、1ケースにできるだけ多くの魚を収容しようと、パッキング袋の大きさは10cm以下の個体は別にして、変えないのです。もちろん1袋に1匹ずつ収容で輸送される魚ですから。

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