日常管理


水槽照明のタイマー設定

点灯    AM6;15 1回目消灯AM8:15〜9:00
再点灯  PM4:15〜5:00 2回目消灯PM11:00
 これは私の生活時間帯に合わせての措置です。朝の消灯、午後の再点灯は季節により若干ずらしています。
 朝の点灯6:15と夜の消灯11:00は10年以上変わりません。
出勤前の餌やりと帰宅後の餌やり、糞取り、水替えの時間からこのように設定しています。出勤後の日中は消灯していますので温室内は暗い状態です。照明があってもなくてもペアの産卵は必ず夕方から始まります。

給餌
 
毎朝6:30、夜8:00前後、仕事の関係でたまに午後9時以降の帰宅になるときは給餌は中止します。
ワイルドには赤虫、自家製ハンバーグを一度に与えています。
タンクブリード物、自家産にはハンバーグのみ。この時フィルターのポンプはすべて停止します。スポンジフィルターのエアレーションはもちろん常時稼動。ポンプ再始動は約1時間後としています。

糞取り
 
夜給餌、ポンプ再始動後9:30分ごろから全水槽の糞取りを行います。道具は排水口へのホース直結のプロホースLで吸い取ります。このプロホースは逆流弁が付いていて、水槽内の水中で前後に振ると吸出しが始まるので非常に便利です。

水替え
 
ディスカスを飼う上で水替えは非常に重要な作業です。これがために毎日の日課にしないとうまく付き合えません。
しかも、かなり頻繁な水替えですので、そのための環境つくりから、勤め人であるため短時間で行えるようにしなければなりません。
全飼育水槽は排水バルブ、給水バルブ付、給水タンクのポンプをONにし、給水の必要なタンクのバルブをひねると給水開始し残った水は給水タンクに帰るよう配管してあります。排水バルブも全水槽に取り付け、配水管から排水口へ流れるよう配管してあります。ちなみに温室の全給排水、ウェット&ドライタワーフィルターの配管施工はすべて自作。

PH降下とろ材
 
水替えの目安はすべてPH測定により決めています。つまりディスカスをはじめて10数年、いまの温室が2003年にできていますから、当然フィルターのろ過材は何度も交換していますが、ディスカスはハンバーグを主食としている関係上かなり水質の悪化が早いものです。特に何年も飼育していると各ろ過材の老朽化や過密飼育でPHの酸性化は防ぎようがありません。ろ過材はもちろん定期的に交換すれば越したことがありませんが、(たぶんウェットろ材は1年ぐらいだと思います。)コストの関係でそうもいきません。一番上のウール(物理ろ材)は常に早めに洗浄することはもちろんです。

水道水の水質
 
PHの降下が激しいから、水替えに傾倒することになります。幸い当地は水の豊富な地でありまして、しかも地下水(上水道もありますが)で水道代が上水道の1/10程度と割安なためあまり気になりません。しかし水質は上水道の方が圧倒的に良くてPHは同じくらいなのですが伝導率が地下水200μsに対して上水道は手取ダム水を主としている関係上130μsと上質でKHが圧倒的に違います。上級の軟水なのです。地下水はやや硬水となります。上水道はR/Oが必要ないくらいです。残念ながら自宅町内は上水道は引かれておりません。(どんな田舎だ!!)

飼育水の変化
 
たとえば、120cm水槽2段ウェット&ドライで約450gに15cm以上成魚ワイルド・自家産混泳25匹、最近はPHが6.0を下回ると一部水替えを行います。一部とは片方の水槽の1/4、貯め水はPH約7.3,これで両方の水槽は水替え後一気にPH6.7まで上昇します。他の水槽もすべてこのようにPHは変化します。
 この水替え後のPHの変化を自分の所で早くつかむことが重要です。私も最初はPHも計っていましたが今のように厳密ではなくやはり感に頼っていた。というより定期的な水替えがベストと信じ、2日おきに1/3水替えするようローテーションを実行していましたが、収容魚数の変化、餌喰いの良し悪しで水は着々状況を変化するのです。
 私のように長年ワイルド・ディスカスと付き合ってていると、当然ろ材も古く悪化しています。PHの急激な降下によって飼育水の変化を最小限にしようと1/4水替えがベストと信じ実行すると、あるときPH5.5以下に降下しているのに水替えを行うと、PHが1以上上昇しPHショックを引き起こすのです。水の変化を早くつかむことです。そして自宅の水の水質をしっかりつかむことです。どれくらいの水替えで飼育水がどう変化するかです。

水替えのタイミング
 
水替え時PHを計測することで水質の変化を読み、PHの変化を1以内にすることをつかむと、水替えのタイミングはおのずと決まってきます。水替えにはタンクブリード幼魚とワイルドではかなり違ってきます。つまりブリード幼魚では頻繁な大量水替えが必要なのに対し、ワイルド成魚ではろ過に頼る少量水替えが最良のようです。その意味でフィルターのろ材は定期的な交換が必要になってきます。ろ材、飼育魚数、餌の投入量で水替えのタイミング、量がきまりますのでそのことを早く見つけることです。

PHショックに強い魚と弱い魚
 
一言で言うとワイルドの個体にそれぞれ差があるようです。同じ水槽で大きさも同じくらいなのにPHショックを起こさず普通にハンバーグを食べ、成長する個体もいます。一般にワイルドの成魚ほどPHショックを受け易く、回復も遅い。特に17cmを超えるような巨大魚は入荷時のリスクが大きく立ち上がりも遅く、このような魚は立上後もハンストをおこしやすいようです。一度でもハンストを起こした魚は残念ながら繁殖まで持っていけません。
  おおむね13cm以上の個体で成魚。ただし、最近ヤムンダやアッパーテフェ等で13cm以上でも若魚が多く入荷し、これらの魚はPHショックには強いようです。かつてヤムンダが日本初入荷時、20cm超えの魚が何匹か入荷しましたが、マナウスからは大きさの同じパッキングで輸送されてくるので魚に対するダメージが小個体よりはるかに大きく、ほとんど瀕死の状態でした。若魚か成魚か老成魚かの見分けかたは目の大きさで判断します。購入時魚体に比較して目の小さい魚をチョイスします。ワイルドで10cm〜12cmぐらいのの幼魚を入手できたらベストです。
 ただし、ワイルドの10cm以下の魚は餌喰いも旺盛ですが体力がないためPHショックに対する抵抗力がないので、初心者には難しいです。10cm〜13cmぐらいの若い魚で1回もハンストを起こさずハンバーグですくすく成長し、すばらしい色彩を放ち大化けする魚に出会えれば、ペアリング、産卵まで一機に持ち込むことも可能です。

入荷時のトリートメント
 
私の水合わせは次の方法で行っています。ディスカスを購入し自宅に到着したら、パッキングの水と魚をそのままバケツに移し、PH、導電率を測定し、自家の水と大きく違わなくてもバケツ半分くらいの水にエアチューブでサイホンを利用してタンクの水を注入し、バケツが満杯になったら半分ほど水を捨て、これを続け約1時間ぐらいかけてタンクの水と混合し、水に慣らして行きます。徐々にタンクの水と水質に差がなくなってきたら魚を網ですくいタンクに収容します。もちろんタンクは単独であること。これが最も確実な方法で失敗も少ないようです。タンクに収容後、1週間から10日ぐらいは飼育環境に慣らし、特に薬等は使いません。
 トリートメント用のタンクの水は入荷前日にPHマイナスを使い、PH6.4から6.8ぐらいに調整します。若干のブラックウォータとPSB等を投入しておきます。PHは入荷時もう一度計測します。PHが戻っている可能性があります。
 餌付け後1/4ぐらいの1回目水替えでPHショックを起こさないことが確認できたら混泳水槽に移します。入荷時早い魚は当日の夜から冷凍赤虫を食べ始めますが、通常は1,2日後から冷凍赤虫を喰い始めます。最初はハンバーグをなかなか喰いませんが、混泳水槽に移すことで今までのワイルドがハンバーグを喰うのを見てハンバーグを喰い出せばしめたものです。
 ショップですでにトリートメント済みなのでほとんど薬剤は必要ないですが、入荷直後のワイルドでダメージが強い魚か体表にチョウやイカリムシがいる場合,100リットルに0.5ccのマゾテンを使用し、水温は30℃までです。これ以上水温を上げると危険が伴います。マゾテンでの薬浴は翌日から体色が抜けて白っぽくなりますが、4,5日後から徐々に水替えで薬を抜きます。1/5から1/4の水替えを2回ぐらいで徐々に体色は戻ってきます。最初の水替え辺りで冷凍赤虫を少量与え餌を食べだすようなら注意深く水替えします。
輸送中のスレでヒレが傷んでいる場合はグリーンFゴールドを規定の半分くらいを投入し1週間ぐらい薬浴します。

入荷後絶好調魚の注意
入荷後、翌日から冷凍赤虫を食べ始め、食欲旺盛で混泳水槽に移動し、1週間後ぐらいにはハンバーグもどんどん
食べ始めすぐに水槽の主導権を取る様な絶好調魚は最も注意が必要です。
餌の食べすぎによる「うつむき」、「腹水症」等治療困難な短期間で死に至る恐ろしいことになるからです。
これは、急に食べなれない餌を大量に摂餌したため消化不良かあるいは内臓(胃)を壊したものと思われます。「うつむき」は下を向いて泳ぎのバランスが悪いのを見ると浮き袋に異常をきたし、正常な姿勢を維持できないものと思われ、徐々に体色も黒化します。長くて1週間、2,3日で死に至ります。まず助かりません。
「腹水症」も泳ぎのバランスを崩し水面近くをゆらゆらと泳ぎ助かりません。3,4日で死に至ります。
なお、同様な症状は別掲の「ハンスト」治療の高温飼育でも発症することがあります。
残念ながらこれを治す手はありません。症状が起きないよう
、餌の与えすぎに要注意

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