ワイルド・ディスカスのハンスト(絶食)

 ディスカスのハンガーストライキ(絶食)、これには散々悩まされます。体色が黒化し痩せ細り、死に至ります。こうならないためにどうするか、まだまだ思考中です。

ハンストの症状

症状を見分けるのは簡単です。餌やりのときに餌食いを観察する
餌があるのに水槽の片隅でじっとしている餌を食べないディスカスです。

ハンストの原因


水替え時のPHショック
これが最も多い原因と考え
ます。飼育水質はPHだけではありませんが最も簡単に見分けることができるのがPHです。水替え前と後でPH変化の幅をを極力小さくすることですが、水替え用貯め水のPHと飼育水のPH値との差が小さければ問題ないのですが、ワイルドディスカスの水替え頻度を少なくした飼育法ではどうしても水替え時のPH上昇は避けられないことです。

テリトリー争いの負組み
これも意外と多い現象です。いつも強い魚に追われ餌時間に特にひつこく追われるので、次第に餌を食ることをあきらめてしまう。(負けてしまった。)


ギロダクチロギルス,ダクチロギルス等エラ、内臓に寄生虫がいる
これは見た目では判断できません。症状はと上の2つと同じ症状で、特に変わりはありませんが、片エラ呼吸、体色の黒化、白糞の個体、その筋の書物では片エラ呼吸はエラに寄生虫がいる。また、白糞をする固体は寄生虫がによると書いています。内臓(胃袋)を顕微鏡で見たことがないので私には解りません。


水槽内の水質が極端に悪化している。
自称ディスカス一本の私には考えられませんが、ある時PHメーターが狂っていることにしばらく気ずかなかったことがあります。これが原因で水替え時PHショックを起こす。


3つとも合併してハンストを起こしていることが多い。

ハンスト予防

PHショックを起こさない水替えを実施するしかありません。例えば、当家の水替え用貯め水はエアレーション後はPH7.3ですから水替え時1以上上昇させないためには、飼育水がPHどれくらいで、何%水替えすればPHどれだけになるか、これをつかみ実行します。
寄生虫だけは薬による駆除しかありません。予防することが一般的な予防策と本には書いてあります。たとえば、コンバントリン入り虫下しハンバーグを定期的に集中して与える。とか、フラジールによる薬浴ですが、どちらも効果がはっきりしませんし、一時的に治ってもてもしばらくするとまたハンストを起こします。いかにハンストを起こさせないで済むか。私なりに実行している具体策を下記に述べます。あくまで私の環境下での方法なので、すべて当てはまるとは限りませんが、同様に悩んでいる方の参考になればと思います

PHショックを起こさない水質保持
PHの差を極力小さくする水替え。こう言ってしますとすべてがこれに尽きます。ペナンのブリーダのように1日何回も8割以上の水替えする流水飼育では成魚に近いワイルドはエラを休ませる間がなく一発でハンストを起こします。これは、ブリーダが自家産のブリーディング幼魚の成長期に行う方法です。
冷凍赤虫のみ与えれば比較的PHの降下は少なくて済むのですが、やはりハンバーグを喰わさないとワイルドはうまく成長しませんし、最良の体色を表現しません。毎日PHを測定し、水替えのタイミングを割りすことです。PH降下が激しく毎日一定量水替えしないと適正なPHを維持できなくなったら、収容数が多すぎないか、ろ材が古くなっていないか、チェックする必要があります。
当家の場合、混泳水槽の収容数の多いタンクが当然PH降下が激しく、オーバーフロー500gでだいたい1日おきに1/4の水替えをしないとPHが6.0を切ってしまいます。水替え目安をPH5.8前後としているので1/4以上の水替えをすると水替え後のPHは6.8以上となりハンストの原因となります。
ですから、毎日の水替えを行う前に全水槽のPHをチェックしてから水替えタンクを選定します。また、日記式ノートに水替えタンクを前回はいつ水替えしたかメモっておきます。

テリトリー争いの監視
タンク内を常に注意深く観察することはディスカスに限らず、すべての熱帯魚飼育者なら行うことです。特に給餌の時間帯はテリトリー争いが表面化しますのでディスカス飼育の場合、よく観察します。
ワイルドの場合特にテリトリーの強弱が顕著に出やすいのです。餌を良く食べる魚は当然そのタンクのボスと化し他を寄せ付けません。こうなると他の魚は隅っこのほうに追いやられ、次第に餌を食べなくなります。中には追い回されても餌はよく食べている魚ももちろんいます。また、混泳の中でペアリングし、産卵まじかの場合もそのペアは強くなり、他の魚は隅の方に追いやられます。この場合は、当然ペアをブリーディングタンクに移動させることで解決します。
通常はテリトリーの一番強い魚を他のタンクに移動するか、いつも負けている魚を他のタンクに移動させる。この場合両方とも移動先のタンクの他の魚の強弱も注意して移動させます。移動先のPHはもちろん差がないことを確認して移動。こうしていくと混泳タンクを何本か持っていると一番強者ばかりのタンクとその他に別れてきます。強者タンクに首尾よく雌雄が存在すれば、ワイルドでもペアリングができます。

ハンスト魚の治療


これは非常に厄介で、私も何年たっても試行錯誤です。100%完治しないからです。一度ハンストにかかった魚はブリーディングには使えないどころかペアリング行動を起こすまでに至りませ
また一時的に餌食いが回復してもまたハンストを起こす場合が多いからです。
何事も早期発見、早期治療が一番です。
治療用のタンクが別に必要となってきます。そこに不調魚を収容し、一番多く用いる方法は高温飼育です。ディスカスの場合通常は水温28℃で飼育していますが、高温治療は水温を一気に34℃までヒーターを使って上昇させ、34℃のまま3日間継続します。投入薬は何も入れなくても良いが、グリーンFゴールドかP.B社のイエローパウダーを規定量の1/2ぐらい投入してもよい。その後4日目から毎日水温を1℃づつ下げはじめ徐々に元の水温に戻します。これで早期の治療ならかなり高い確率で餌を喰い出します。

フラジールを50リットルに1錠の割合で投入することもあります。マゾテンを100リットルに0.5cc投入しても良いのですが34℃の高温治療ではマゾテンは危険です。重症の魚はポックリ逝くことがありますのでお奨めできません。

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