ロイヤル・アレンカーの魅力

 2005年4月アレンカー周辺のクリペア・ロイヤルとしてチョイスした1尾です。クリペアと言えばアレンカーの中でもいわゆる北岸アレンカーの最も赤くなる個体で、人気が高い産地として知られています。この個体は飼育するにつれてかなり大型となり、2006年12月現在体長は17cm近くあり、♂個体と思われます。クリペアはこんなに大きくなるのであろうかと、疑問が出てきた。1年8ヶ月飼い込んだが、途中一時体調不良で体側の赤は十分に出現していません。最近回復し餌喰い良く、一回り大きくなり、体高が高いフォルムと小さめの目からして、過去に入荷したアレンカー・イナヌ産と酷似していると思いますが。

 

撮影:2006年12月

 しかし、毎年のように新産地名のディスカスが入荷してくるが、その都度アマゾンの地図から何水系の近くかを確かめる。ところが私の地図では、出ていない河がたくさんある。特にアレンカー近辺の河は小さいのか、これまで入荷した河はほとんど出ていない。 クリペア、マンガル、パラカリ、イナヌ、カラナンザウ、バッハマンサ、メムリアカ、ジャラキ、マタリンパ、ジャカレカパ、イテルピナ、ソリタージ、サンハイムンド、ジュルチ、クルアイ、イタピランガ等。これらの産地の中には、もうほとんど日本に入らなくなった産地、いや、もう採れなくなった、採集禁止区域となった産地もあるそうです。また、私の勉強不足で、どれが北岸か南岸かわからない名前もある。

 これらの中で今でも忘れられないのが、たしか1997年に入荷したと思うが、パラカリ・ロイヤルである。少なくとも、最近のロイヤルブルー個体ほど完璧なホリゾンタルではないが、イエローベースの体色にバランスよく、決してミドルクラスではなく、体表を適度に覆う極細の大まかなホリゾンタルラインが魅力的で、ワイルドを始めた当初、あまりにも高価で手の出なかったものでした。

 日本に入荷してくるワイルド・ディスカスは、ここ最近ほとんどが採集河川、湖の名前が冠せられてくるが、中には全く当てにならないと言う人もいます。アマゾンでの採集からシッパーのストック、出荷するまでの現地での過程で、混ざり込んだり、解らなくなるということは無いとは言えないかも知れません。いや、有り得るであろう。しかし、グリーンならテフェ周辺とペルーナナイ・プトマヨ産、ジュルア産などと明らかに特徴が違います。テフェとナナイは出荷元がマナウスとペルーからして混ざることはあり得ない。あるとしたら日本国内の流通過程です。私としては信じたい。ただ単にワイルド・ブルー、グリーン、ブラウン、ヘッケルといって飼っているより、アマゾンがあまりにも広大で漠然と飼育しているより、現地の河を想像しながら眺めているのも夢があるではありませんか。産地が同じでも多くのバリエーションがあり、ひとつとして同じ模様の魚はいないのだから。 これもワイルドの魅力の一つかもしれません。

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